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第八話
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あれからすぐに洗礼が行われました。
なんと、神殿長直々に洗礼をして下さいました。
遅くなって申し訳ないと謝罪しましたら、悪いのは親であってわたくしでは無いと慰めて頂けました。
ちょっぴり心が暖かくなりましたわ。
この世界は、コンピュータは無いのですが前世の医療カルテのようなファイリングがされています。
そして、洗礼を受けた子どもの記録が全て残っています。色々工夫されておりアナログではありますが、情報の検索も可能です。
記録は木版印刷として版が作られ、いつでも複写出来ます。
木版も、ファイリングや検索しやすくしたのも前世の記憶を持つ転生者だそうです。このように有用な記憶を持つ場合もあるので、洗礼は義務化されて転生者を探せるようになっているそうですわ。洗礼の記録は木版が作られて神殿に保存されます。いつでも控えを取れるそうです。
今回分かったのですが、貴族は洗礼の時に着飾るだけでなく多額の寄付をするそうです。寄付額は洗礼の記録に残ります。だから父はわたくしを洗礼に連れて行かなかったのでしょう。妹の寄付額は、普通の貴族の倍はあったそうです。わたくしの分を全て妹に注ぎ込んだのね。
わたくしは寄付できるお金を持っていないのですが、洗礼は本来無料です。でも、セドリックが寄付金を出してくれました。あとで絶対返しますわ。
セドリックのお仕事を話を聞いていたら、わたくしも色々出来そうですから頑張って稼ぎましょう。
わたくしの洗礼の控えは、5枚取らせて頂きました。国王陛下とセドリックが2枚ずつ。わたくしも念のため1枚持ちます。
ですが、わたくしは安心して預けられる場所はありませんのでひとまず信用できるセドリックに預けます。
そして、謁見の間に戻って来ましたら父が国王陛下とニコニコ話しておりました。
「娘が王子の婚約者ですか。いやあ、めでたい! まさか娘が前世持ちとは知りませんでした! おお! 戻ったかい愛しいマリー」
気持ち悪っ!!!
え、なに愛しいマリーって! 散々虐待しておいて何よ、キモっ!
……いけません、思わず前世の言葉遣いになってしまいましたわ。
「あら? お父様がわたくしに興味を持った事なんてあったかしら?」
父はものすごい顔でわたくしを睨んでおります。あらあら、そのようなお顔をなさるなんて国王陛下の御前なのにみっともなくてよ。
「ソレル公爵、マリー嬢とセドリックの婚約をお認め頂けるか? 書類は用意してある。認めていただけるならすぐにでも婚約の手続きを取りたい。前世で夫婦だったから相性は問題ないし、セドリックはマリー嬢でないと結婚しないと聞かないのだ」
「もちろんですとも! マリー、良かったなぁ」
胡散臭い笑顔を浮かべた父がニコニコと手続きをしようとします。
「では、確認するぞ。マリー嬢の洗礼の控えは……」
父の顔が、みるみる青くなります。
あらあら、まさか洗礼してないなんて言えませんわよねぇ。
なんと、神殿長直々に洗礼をして下さいました。
遅くなって申し訳ないと謝罪しましたら、悪いのは親であってわたくしでは無いと慰めて頂けました。
ちょっぴり心が暖かくなりましたわ。
この世界は、コンピュータは無いのですが前世の医療カルテのようなファイリングがされています。
そして、洗礼を受けた子どもの記録が全て残っています。色々工夫されておりアナログではありますが、情報の検索も可能です。
記録は木版印刷として版が作られ、いつでも複写出来ます。
木版も、ファイリングや検索しやすくしたのも前世の記憶を持つ転生者だそうです。このように有用な記憶を持つ場合もあるので、洗礼は義務化されて転生者を探せるようになっているそうですわ。洗礼の記録は木版が作られて神殿に保存されます。いつでも控えを取れるそうです。
今回分かったのですが、貴族は洗礼の時に着飾るだけでなく多額の寄付をするそうです。寄付額は洗礼の記録に残ります。だから父はわたくしを洗礼に連れて行かなかったのでしょう。妹の寄付額は、普通の貴族の倍はあったそうです。わたくしの分を全て妹に注ぎ込んだのね。
わたくしは寄付できるお金を持っていないのですが、洗礼は本来無料です。でも、セドリックが寄付金を出してくれました。あとで絶対返しますわ。
セドリックのお仕事を話を聞いていたら、わたくしも色々出来そうですから頑張って稼ぎましょう。
わたくしの洗礼の控えは、5枚取らせて頂きました。国王陛下とセドリックが2枚ずつ。わたくしも念のため1枚持ちます。
ですが、わたくしは安心して預けられる場所はありませんのでひとまず信用できるセドリックに預けます。
そして、謁見の間に戻って来ましたら父が国王陛下とニコニコ話しておりました。
「娘が王子の婚約者ですか。いやあ、めでたい! まさか娘が前世持ちとは知りませんでした! おお! 戻ったかい愛しいマリー」
気持ち悪っ!!!
え、なに愛しいマリーって! 散々虐待しておいて何よ、キモっ!
……いけません、思わず前世の言葉遣いになってしまいましたわ。
「あら? お父様がわたくしに興味を持った事なんてあったかしら?」
父はものすごい顔でわたくしを睨んでおります。あらあら、そのようなお顔をなさるなんて国王陛下の御前なのにみっともなくてよ。
「ソレル公爵、マリー嬢とセドリックの婚約をお認め頂けるか? 書類は用意してある。認めていただけるならすぐにでも婚約の手続きを取りたい。前世で夫婦だったから相性は問題ないし、セドリックはマリー嬢でないと結婚しないと聞かないのだ」
「もちろんですとも! マリー、良かったなぁ」
胡散臭い笑顔を浮かべた父がニコニコと手続きをしようとします。
「では、確認するぞ。マリー嬢の洗礼の控えは……」
父の顔が、みるみる青くなります。
あらあら、まさか洗礼してないなんて言えませんわよねぇ。
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