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第十四話

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「学園?」

「マリーは知らなかったんだ。貴族の子は貴族学校に2年間行くんだ。強制じゃないけどね。15歳から18歳まで入学資格があるよ。マリーは12歳だよね。僕は13歳だから、マリーと一緒に入学するから学園でも一緒に居ようね」

そう言ってセドリックは、わたくしを抱きしめます。お膝に乗せるのはやめましょう?! なんだか以前より甘い気がするんだけど、この世界はこれが普通なの?! それともセドリックの暴走なの?!

「セドリック王子、話が進みません。マリー様も真っ赤なお顔をしていらっしゃいますから、マリー様を膝から下ろして下さい」

「嫌だ」

「あ、あの……わたくしこのままでも構いません。お話を進めましょう」

今のセドリックは、お楽しみを邪魔されて御立腹です。恥ずかしいですが、膝の上くらいなら耐えましょう。

「全く、婚約者様に気を遣わせるなど紳士ではありませんぞ」

「ちっ……」

「セドリック、落ち着いて。きちんと話を聞きましょう。一旦降りるわね。あとでちゃんとゆっくり2人で話しましょ」

「分かった。おい、さっさと話を進めろ」

「セドリック、態度が横暴よ」

「む……ごめん。すまん、ちゃんと聞くからメイドの紹介と、シューグレンの紹介もするよ。マリー、この男は僕の専属執事のシューグレン。堅物だけど、信用できるから僕が居ない時に困ったら母上かシューグレンに相談して」

「かしこまりました。シューグレンさん、よろしくお願い致します」

正式な礼を取ると、シューグレンさんは嬉しそうに微笑みました。

「よろしくお願いします。マリー様。貴方をお待ちしておりました。暴走する王子を止められるのは、王妃様かマリー様のみであると確信しております。どうぞなんでもお申し付け下さい。我々使用人一同は、心からマリー様を支持します。マリー様が快適に過ごせるように全力でサポート致します」

「あ……ありがとう。よろしくお願いします。シューグレンさん」

「メイドのルナです。お身体にアザがあると伺っております。わたくしは治療の心得がありますので、早急に治療を致します。決して跡など残しませんからご安心下さい」

「メイドのミナです。全力でマリー様のお役に立ちます。私はヘアメイクが得意です。マリー様のヘアメイクはお任せ下さいませ」

「ありがとう、2人もメイドが付いてくれるなんて嬉しいわ」

「やだなぁ、2人な訳ないですよ」

「え?!」

「マリー様の専属として、必ずルナかミナが付きますが、他にもサポートのメイドが最低5人は付きます」

「5人?!」

「マリー様の地位を考えれば少ないくらいです」

「せ、セドリック! いきなり状況が変わってついていけないわ!」

「よしよし、大丈夫だよ。マリー」

セドリックが嬉しそうにわたくしの頭を撫でます。

「だ、大丈夫よ! わたくし慣れるわ! 最初は分からないことばかりで頼りないと思うけど、頑張るからよろしくね。わたくしが何か間違えていたら遠慮なく教えてちょうだい」

「「「かしこまりました」」」

3人は、角度も全く同じ礼をしました。すごいです。とても美しい礼です。わたくしも見習わなくては。
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