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生まれたての弱者
月明かりの道しるべ
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アシュリーの回復を待ちながらアラックはこの森と大陸についての説明を聞かされた。
まずは大陸についてだ、今自分たちがいるのは異業種、主に魔物が住むラ・イールス大陸。
ほとんど開拓がされずに自然が多く残っているが所々に種族ごとの集落があったり、中には街と呼べるものや国と呼べるものも存在する。
そういう高度な文明を持つ魔物は軒並み知恵があるやつばかりだ。
知恵を持つのは相当の経験が必要らしく並みの魔物ではほぼほぼ無い。
例外としてアシュリーのような魔王候補が存在する。
その話を聞いて「じゃあ俺は?」とアシュリーに聞いてみると。
手をバタバタさせながら「私が知るわけないでしょ!?」と怒られてしまった。
実に理不尽極まりない態度である。
結局、俺のことは俺が調べるしかないようだ。
次にこの森について、アシュリー曰くこの森に決まった名前は無いらしい。
人…もとい魔物によって様々な呼ばれ方をするとのことだ。
魔の森、魔物の森、ン・ダグバ・フォレスト、トレスフォレス、カンターランターなどなど本当に様々な呼ばれ方をしている。
もういっそのこと単に「森」でいいんじゃないかな?と思うアラックだった。
「そろそろいいか?流石にもう待ちくたびれたんだが?」
「えっ!?これから移動するの!?もうお月様出てるんですけど!?」
「アンデッドが何言ってんだ、暗くて行きたくないとかだだこねるな。ほら立て早く、案内しろ。街あるんだろ街」
「こ、この人すごく冷たいわ、冷え切ってる。冷酷よ冷酷。きっと血が流れてないんだわ…」
わなわなと人をディスり始めるアシュリー。
「だからアンデッドに何言ってんだ。見てわかるだろ?おばけだよ!」
「そ、そうでした…はぁ、わかったわよ。連れてけばいいんでしょ」
「そうだ、わかればよろしい」
「…たぶんこっちついて来て」
「たぶんってお前」
「しょうがないでしょ一騒動あったせいで道なんて覚えてすらないんだから!月を頼りに方角だけ分かるだけマシよ!」
「……雲よーいでよー」
アラックは何を思ったか両手を上げて雨乞いをするかのようにする。
「何やってるの?」
「いや、アシュリーが月を頼りに移動するっていうから隠れないかなーって…」
「お前はそこまでして私を困らせたいかぁぁぁぁぁぁ!!」
「ふっ、残像だ」
飛びかかるアシュリーに決め顔でそうつぶやいた。
実際は残像ではなくたんにアシュリーがアラックを突き抜けただけだが。
「悔しい!ゴースト一匹倒せない私の不甲斐なさが情けない!こんなことって、こんなことって、こんなことって!!」
「ゴーストじゃなくてレッサーレイスな?」
「決めたわ私、神聖魔術覚える」
アラックの突っ込みなど蚊帳の外でアシュリーは真面目にそう決意した。
アンデッドが神聖魔術を習得できるか疑問ではあるがそれを口にしたらまためんどくさそうだったのでアラックは何も言わないでおいた。
「ま、まあ俺の悪ふざけは謝るからさ、な?この通り!案内してください!」
頭を下げて両手を合わせた。
「…次やったらおいてくからね」
「さっすが魔王候補様!寛大でいらっしゃるぅ!」
「いいから黙って付いてきなさいバカ!」
「ははー!」
それから何時間歩いたことだろうか、月も傾き太陽が少しづつ登り始めた頃、アラックとアシュリーは森を抜けた。
眼前に広がるのは広い草原。
聞いてイメージしていた大陸とは違い空気は澄んでいて生い茂る草や葉には朝露が太陽の光に反射してキラキラとしていた。
そんな神秘的な感想を抱きたくなる光景を見て一瞬だけアラックは自分が魔物であることを忘れていた。
「俺、この景色に近いものを見たことある気がするよ」
「ん?別に変わった景色とは思わないけどそうなの?」
「ああ、どことなく見たことある気がするんだ」
「へーあっそ、まあとりあえずこっちよ」
「こいつ…」
なぐりてーとは言わないがアラックはちょっとしたノスタルジーを感じていたのでちょっとだけイラっとした。
なので拳をぐーにしてアシュリーの後頭部を叩いた。
「あ痛!?ちょ、なにするのよバカ!」
アラックはすっきりした顔をして朝日を見た。
ゴースト種だけど太陽を見ると気分が良いしついつい伸びをしたくなる。
「ねぇ!ねぇってば!今私の頭叩いたわよね!?」
これから街へと行くんだ、そこでできる限りの情報を得よう。
まずは俺の故郷へ帰ることを第一の目標にするんだ。
アラックは先程アシュリーが行こうとした方向へと足を進めた。
「あのー?もしもしアラックさん?」
くぅ、朝日が眩しいぜ!
まるで今の俺のように…。
「アラックしゃんなんで無視するのー!?てか置いてかないでよー!!」
先日の一件以来妙に涙腺がゆるくなったのか遠くでアシュリーのはんべそ声が聞こえてきた。
まずは大陸についてだ、今自分たちがいるのは異業種、主に魔物が住むラ・イールス大陸。
ほとんど開拓がされずに自然が多く残っているが所々に種族ごとの集落があったり、中には街と呼べるものや国と呼べるものも存在する。
そういう高度な文明を持つ魔物は軒並み知恵があるやつばかりだ。
知恵を持つのは相当の経験が必要らしく並みの魔物ではほぼほぼ無い。
例外としてアシュリーのような魔王候補が存在する。
その話を聞いて「じゃあ俺は?」とアシュリーに聞いてみると。
手をバタバタさせながら「私が知るわけないでしょ!?」と怒られてしまった。
実に理不尽極まりない態度である。
結局、俺のことは俺が調べるしかないようだ。
次にこの森について、アシュリー曰くこの森に決まった名前は無いらしい。
人…もとい魔物によって様々な呼ばれ方をするとのことだ。
魔の森、魔物の森、ン・ダグバ・フォレスト、トレスフォレス、カンターランターなどなど本当に様々な呼ばれ方をしている。
もういっそのこと単に「森」でいいんじゃないかな?と思うアラックだった。
「そろそろいいか?流石にもう待ちくたびれたんだが?」
「えっ!?これから移動するの!?もうお月様出てるんですけど!?」
「アンデッドが何言ってんだ、暗くて行きたくないとかだだこねるな。ほら立て早く、案内しろ。街あるんだろ街」
「こ、この人すごく冷たいわ、冷え切ってる。冷酷よ冷酷。きっと血が流れてないんだわ…」
わなわなと人をディスり始めるアシュリー。
「だからアンデッドに何言ってんだ。見てわかるだろ?おばけだよ!」
「そ、そうでした…はぁ、わかったわよ。連れてけばいいんでしょ」
「そうだ、わかればよろしい」
「…たぶんこっちついて来て」
「たぶんってお前」
「しょうがないでしょ一騒動あったせいで道なんて覚えてすらないんだから!月を頼りに方角だけ分かるだけマシよ!」
「……雲よーいでよー」
アラックは何を思ったか両手を上げて雨乞いをするかのようにする。
「何やってるの?」
「いや、アシュリーが月を頼りに移動するっていうから隠れないかなーって…」
「お前はそこまでして私を困らせたいかぁぁぁぁぁぁ!!」
「ふっ、残像だ」
飛びかかるアシュリーに決め顔でそうつぶやいた。
実際は残像ではなくたんにアシュリーがアラックを突き抜けただけだが。
「悔しい!ゴースト一匹倒せない私の不甲斐なさが情けない!こんなことって、こんなことって、こんなことって!!」
「ゴーストじゃなくてレッサーレイスな?」
「決めたわ私、神聖魔術覚える」
アラックの突っ込みなど蚊帳の外でアシュリーは真面目にそう決意した。
アンデッドが神聖魔術を習得できるか疑問ではあるがそれを口にしたらまためんどくさそうだったのでアラックは何も言わないでおいた。
「ま、まあ俺の悪ふざけは謝るからさ、な?この通り!案内してください!」
頭を下げて両手を合わせた。
「…次やったらおいてくからね」
「さっすが魔王候補様!寛大でいらっしゃるぅ!」
「いいから黙って付いてきなさいバカ!」
「ははー!」
それから何時間歩いたことだろうか、月も傾き太陽が少しづつ登り始めた頃、アラックとアシュリーは森を抜けた。
眼前に広がるのは広い草原。
聞いてイメージしていた大陸とは違い空気は澄んでいて生い茂る草や葉には朝露が太陽の光に反射してキラキラとしていた。
そんな神秘的な感想を抱きたくなる光景を見て一瞬だけアラックは自分が魔物であることを忘れていた。
「俺、この景色に近いものを見たことある気がするよ」
「ん?別に変わった景色とは思わないけどそうなの?」
「ああ、どことなく見たことある気がするんだ」
「へーあっそ、まあとりあえずこっちよ」
「こいつ…」
なぐりてーとは言わないがアラックはちょっとしたノスタルジーを感じていたのでちょっとだけイラっとした。
なので拳をぐーにしてアシュリーの後頭部を叩いた。
「あ痛!?ちょ、なにするのよバカ!」
アラックはすっきりした顔をして朝日を見た。
ゴースト種だけど太陽を見ると気分が良いしついつい伸びをしたくなる。
「ねぇ!ねぇってば!今私の頭叩いたわよね!?」
これから街へと行くんだ、そこでできる限りの情報を得よう。
まずは俺の故郷へ帰ることを第一の目標にするんだ。
アラックは先程アシュリーが行こうとした方向へと足を進めた。
「あのー?もしもしアラックさん?」
くぅ、朝日が眩しいぜ!
まるで今の俺のように…。
「アラックしゃんなんで無視するのー!?てか置いてかないでよー!!」
先日の一件以来妙に涙腺がゆるくなったのか遠くでアシュリーのはんべそ声が聞こえてきた。
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