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第4章 改革と祭り
第3話
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♢♦︎♢
都市入祭、開催前日前夜。
場所はギルドを中心とした冒険者エリアとは正反対、職業組合エリアのある屋敷。
活気賑わいを見せる冒険者エリアは、中央エリアの隣にある好立地エリアのおかげであり、それとは正反対に位置するこのエリアは少なからず賑わいとは程遠かった。
美しいシャンデリアに絵画等、如何にもな位の高い屋敷の一室にて何名かの男女が席につく。
上座には当たり前とばかりに座り込み、整った髭を撫でながら黒髪の40満たない男が値踏みするように周りを眺める。
その男の名は、組合連合会のトップに位置するアラハッド・リクームだった。
「領主様はいつになったら、我々組合員達を優遇してくれるのだ!」
その男の左に位置する小太りのドワーフが机を乱暴に叩きつけ、声を突然荒げた。
無理もない……アラハッドはため息混じりにその男の言葉を聞く。
組合連合会は冒険者ギルドと折り合いが悪い、下々の者達はそんな事もないのだが、過去の歴史として30年の出来事を知っている組合連合会の幹部達はギルドを激しく嫌っている。
我々とは違い、国からも領主からも頼られるギルドとは違い、組合連合会は細々とそれぞれの組合長の匙加減で仕事を得られている状況だ。
先の吠えた男、ソード系統の組合長サザンドラは机を叩きつける度に肥えた腹や顎の肉が揺れる。
ほんの少しばかり前に、かつて名を馳せた部下を失くしたとの事で戦力の痛手となっているようだ。
だが、それとは別に有能な若者が僅か50も満たないレベルで固有スキルを習得したと嬉しそうに自慢していたな、とアラハッドは思いながら目を細めながら目の前に注げられる酒を手に取る。
「もう我慢の限界だ……」
誰が口にしたのか、その言葉にピクリと反応するが、それよりも早く静かな口調で妖艶な声色で割って入る者がいた。
「ならば……戦いで示すべきではありんすか?」
豊満な谷間を見せ付けるように、花魁の様な姿をした赤髪の女がキセルを片手に囁く様に呟いた。
シーフ系統の組合長シュナ……。
「シュナ・ハーデヒト……」
なにを言う?そう聞くよりも早く、アラハッドの言葉を遮りながら続ける。
「あら、アラハッド卿。そない怯えなはんな、ただわてはギルドを失墜させればよろしいではありんすか?と尋ねとるんです」
女狐め……アラハッドは彼女に怯えるのではなく、警戒しての表情で見つめる。
「長年面白い事を模索してたんやけど、1つ見っけたんよ。それをわてらに任せてくれたら、ギルドと組合連合会の立場を逆転出来ると思おとるんですよ…ほんま」
「ほ、ほほう! 是非聞かせてくれシュナ姫!」
サザンドラが食いつきながら、いや視線はその豊満な胸元を眺めながら身を乗り出した。
そこから核心の策を告げる事無く、シュナは計画の大部分を話し、その作戦は決定された。
アラハッドはそれをただ黙って聞き入れ、一言も発する事無く閉幕となった。
「……久しいな、お前か」
「元気そうでなりよりな声だ。なにやら、めんどくさそうな会話をしていたね」
アラハッドの背後でカーテンか揺れ動き、姿は見えない中アラハッドは心当たりある様で気軽に声をかける。
そのものは気ままな口調で、影から話す。
「お前に1つ頼みがある」
「内容によるし、こっちは中立だよ。加担しない、裏切らないがモットーだけど?」
「ふっ、知っているさ。だから頼むんだ」
アラハッドは微笑しながら、影のものに話しかけた。
そのお願いの内容を、返事もなく気配が消えるまでアラハッドは話し続けるのだった。
♢♦︎♢
信じられない!と行ったばかりに、白銀の髪色をした少女イリスがプンスカと祭りを歩いていた。
それに同調する様にアスティアも不機嫌そうに、だが両手にはわたあめとりんご飴を持ちながら愚痴っている。
ほんの少し前に、待ち合い場所でヴァイスを待っていた3人はティファが現れ、依頼内容を伏せられながらここには来れないと告げられた。
なんでも気分が向かないからとか言って、偶然出会ったティファにメッセンジャーとして頼まれたとティファの口から言われた。
イリスとアスティアは憤慨し、ティファを残して部屋に迎えに行ったのだが、部屋はもぬけの殻となっていたのだ。
広場に戻ればティファも消え、深い事情も聞けずじまいにより、今こうして不機嫌な表情で祭りを楽しんでいる。
そう、口や表情は怒っても身体はとてつもやくエンジョイしているのだ。
ローウェルもその間なにも言わずに、いつの間にか消えていた。
「二人共勝手なんだよ!まったく!」
「ほんとよね。帰ってきたらとっちめてやる!」
イリスの言葉に同意して、アスティアが拳を唸らせる。
そんなお怒りの中も、イリスはたこ焼きをアスティアは焼きそばを頬張っていた。
「あ、それ一口ちょーだい!」
「いいわよ。私にもそれ1つ良い?」
「もっちろん!」
側から見て怒りの表情を見せながらも、祭りを大いに楽しんである二人に屋台の人々はほっこりとしながら見られているのも梅雨知らず、二人は次々と屋台を回っていった。
その裏では屋台の人達から裏で、鴨がネギ背負って鍋まで被って現れたなどと、彼女らを見つけては売り込んで行ったのだった。
♢♦︎♢
ー地下道。
密かに息を殺しながら、目の前の出来事に驚愕する。
脳内マッピングにて、あの拓けたドームからいくつか進んだ後に、およその見立てではクロムの街の下にいてもおかしくない位置にして、3つ目のドームには幾多の人種と、数多の檻と木箱が用意されていた。
その中にはティファさんからの報告にもあった呻き声も、木箱や檻の中の正体が発声していた。
ー“冗談だろ?”、これがこの光景を見て内心叫んだ言葉だった。
一体全体、なにが始まろうとしているのか、それは不明のままであるが、これを見て思うに嫌な事しか考えられないのであった。
……早く戻ってギルドに報告しなくれば、そう思いながら背中を向けようとしたが数人がこちらに近付く気配を察知し、物陰に隠れることにする。
「ーーーーーで、ーーー備、」
遠方により、徐々に会話が聞こえてくる。
「ーこれによりいつでも始められると思います」
一人の男を中心に取り巻きの獣人族が告げる。
先頭の男も同じく獣人族であり、虎模様の耳に尻尾を生やし、歌舞伎の様な派手な着物を着飾った格好で歩く。
特徴的なのが、背中に背負う太刀と言うべきか、持ち手の柄ですら1メートル程の長さに刀身の長さはそれよりも長く2メートルは無いくらいの刀。
そして腰には小太刀を帯刀し、金髪に黒のメッシュを入れた美青年が退屈そうに話を聞く。
「なら、すぐに始めろ。てめぇらがモタモタしてっから、こんな夜になっちまったんだ」
そんな顔立ちとは裏腹に、大雑把な粗暴の悪い口調で報告した獣人族を蹴り上げる。
「次」
「あ、は、はい。運び入れたモンスターは12体、それも全てランクB以上、Aランクモンスターは3体程になります」
「俺は最低5体は用意しろって言ったよな?」
怯える小人族に、ギロリと睨み付けると、怯えた小人族は更に小さくなる様に背中を丸めながらしどろもどろに説明する。
「な、なに分人員が足りず…Aランク3体捕まえた時点でかなりの甚大な被害に……」
「どうでもいい、てめぇらの所はザコばっかりだな」
またもや蹴り上げて、次の報告を聞きながら、潜む俺から離れて行く。
ーモンスターって、あの遠目の檻や木箱の中身は全部モンスターって言ったのか?
Aランク3体……非常にマズイ。
踵を返し、来た道を戻ろうとその場を背中向けた刹那ーーーー。
「オイオイ、ちっせぇ気配を感じて見りゃあ……侵入者がいるじゃねえか」
ーゾクッ。
ヴァイスは背筋が凍る思いで振り向く。
ー先程の虎の獣人族が背後に回り込み、小太刀に手を回しー今にも斬りかかる勢いで接近されていた。
都市入祭、開催前日前夜。
場所はギルドを中心とした冒険者エリアとは正反対、職業組合エリアのある屋敷。
活気賑わいを見せる冒険者エリアは、中央エリアの隣にある好立地エリアのおかげであり、それとは正反対に位置するこのエリアは少なからず賑わいとは程遠かった。
美しいシャンデリアに絵画等、如何にもな位の高い屋敷の一室にて何名かの男女が席につく。
上座には当たり前とばかりに座り込み、整った髭を撫でながら黒髪の40満たない男が値踏みするように周りを眺める。
その男の名は、組合連合会のトップに位置するアラハッド・リクームだった。
「領主様はいつになったら、我々組合員達を優遇してくれるのだ!」
その男の左に位置する小太りのドワーフが机を乱暴に叩きつけ、声を突然荒げた。
無理もない……アラハッドはため息混じりにその男の言葉を聞く。
組合連合会は冒険者ギルドと折り合いが悪い、下々の者達はそんな事もないのだが、過去の歴史として30年の出来事を知っている組合連合会の幹部達はギルドを激しく嫌っている。
我々とは違い、国からも領主からも頼られるギルドとは違い、組合連合会は細々とそれぞれの組合長の匙加減で仕事を得られている状況だ。
先の吠えた男、ソード系統の組合長サザンドラは机を叩きつける度に肥えた腹や顎の肉が揺れる。
ほんの少しばかり前に、かつて名を馳せた部下を失くしたとの事で戦力の痛手となっているようだ。
だが、それとは別に有能な若者が僅か50も満たないレベルで固有スキルを習得したと嬉しそうに自慢していたな、とアラハッドは思いながら目を細めながら目の前に注げられる酒を手に取る。
「もう我慢の限界だ……」
誰が口にしたのか、その言葉にピクリと反応するが、それよりも早く静かな口調で妖艶な声色で割って入る者がいた。
「ならば……戦いで示すべきではありんすか?」
豊満な谷間を見せ付けるように、花魁の様な姿をした赤髪の女がキセルを片手に囁く様に呟いた。
シーフ系統の組合長シュナ……。
「シュナ・ハーデヒト……」
なにを言う?そう聞くよりも早く、アラハッドの言葉を遮りながら続ける。
「あら、アラハッド卿。そない怯えなはんな、ただわてはギルドを失墜させればよろしいではありんすか?と尋ねとるんです」
女狐め……アラハッドは彼女に怯えるのではなく、警戒しての表情で見つめる。
「長年面白い事を模索してたんやけど、1つ見っけたんよ。それをわてらに任せてくれたら、ギルドと組合連合会の立場を逆転出来ると思おとるんですよ…ほんま」
「ほ、ほほう! 是非聞かせてくれシュナ姫!」
サザンドラが食いつきながら、いや視線はその豊満な胸元を眺めながら身を乗り出した。
そこから核心の策を告げる事無く、シュナは計画の大部分を話し、その作戦は決定された。
アラハッドはそれをただ黙って聞き入れ、一言も発する事無く閉幕となった。
「……久しいな、お前か」
「元気そうでなりよりな声だ。なにやら、めんどくさそうな会話をしていたね」
アラハッドの背後でカーテンか揺れ動き、姿は見えない中アラハッドは心当たりある様で気軽に声をかける。
そのものは気ままな口調で、影から話す。
「お前に1つ頼みがある」
「内容によるし、こっちは中立だよ。加担しない、裏切らないがモットーだけど?」
「ふっ、知っているさ。だから頼むんだ」
アラハッドは微笑しながら、影のものに話しかけた。
そのお願いの内容を、返事もなく気配が消えるまでアラハッドは話し続けるのだった。
♢♦︎♢
信じられない!と行ったばかりに、白銀の髪色をした少女イリスがプンスカと祭りを歩いていた。
それに同調する様にアスティアも不機嫌そうに、だが両手にはわたあめとりんご飴を持ちながら愚痴っている。
ほんの少し前に、待ち合い場所でヴァイスを待っていた3人はティファが現れ、依頼内容を伏せられながらここには来れないと告げられた。
なんでも気分が向かないからとか言って、偶然出会ったティファにメッセンジャーとして頼まれたとティファの口から言われた。
イリスとアスティアは憤慨し、ティファを残して部屋に迎えに行ったのだが、部屋はもぬけの殻となっていたのだ。
広場に戻ればティファも消え、深い事情も聞けずじまいにより、今こうして不機嫌な表情で祭りを楽しんでいる。
そう、口や表情は怒っても身体はとてつもやくエンジョイしているのだ。
ローウェルもその間なにも言わずに、いつの間にか消えていた。
「二人共勝手なんだよ!まったく!」
「ほんとよね。帰ってきたらとっちめてやる!」
イリスの言葉に同意して、アスティアが拳を唸らせる。
そんなお怒りの中も、イリスはたこ焼きをアスティアは焼きそばを頬張っていた。
「あ、それ一口ちょーだい!」
「いいわよ。私にもそれ1つ良い?」
「もっちろん!」
側から見て怒りの表情を見せながらも、祭りを大いに楽しんである二人に屋台の人々はほっこりとしながら見られているのも梅雨知らず、二人は次々と屋台を回っていった。
その裏では屋台の人達から裏で、鴨がネギ背負って鍋まで被って現れたなどと、彼女らを見つけては売り込んで行ったのだった。
♢♦︎♢
ー地下道。
密かに息を殺しながら、目の前の出来事に驚愕する。
脳内マッピングにて、あの拓けたドームからいくつか進んだ後に、およその見立てではクロムの街の下にいてもおかしくない位置にして、3つ目のドームには幾多の人種と、数多の檻と木箱が用意されていた。
その中にはティファさんからの報告にもあった呻き声も、木箱や檻の中の正体が発声していた。
ー“冗談だろ?”、これがこの光景を見て内心叫んだ言葉だった。
一体全体、なにが始まろうとしているのか、それは不明のままであるが、これを見て思うに嫌な事しか考えられないのであった。
……早く戻ってギルドに報告しなくれば、そう思いながら背中を向けようとしたが数人がこちらに近付く気配を察知し、物陰に隠れることにする。
「ーーーーーで、ーーー備、」
遠方により、徐々に会話が聞こえてくる。
「ーこれによりいつでも始められると思います」
一人の男を中心に取り巻きの獣人族が告げる。
先頭の男も同じく獣人族であり、虎模様の耳に尻尾を生やし、歌舞伎の様な派手な着物を着飾った格好で歩く。
特徴的なのが、背中に背負う太刀と言うべきか、持ち手の柄ですら1メートル程の長さに刀身の長さはそれよりも長く2メートルは無いくらいの刀。
そして腰には小太刀を帯刀し、金髪に黒のメッシュを入れた美青年が退屈そうに話を聞く。
「なら、すぐに始めろ。てめぇらがモタモタしてっから、こんな夜になっちまったんだ」
そんな顔立ちとは裏腹に、大雑把な粗暴の悪い口調で報告した獣人族を蹴り上げる。
「次」
「あ、は、はい。運び入れたモンスターは12体、それも全てランクB以上、Aランクモンスターは3体程になります」
「俺は最低5体は用意しろって言ったよな?」
怯える小人族に、ギロリと睨み付けると、怯えた小人族は更に小さくなる様に背中を丸めながらしどろもどろに説明する。
「な、なに分人員が足りず…Aランク3体捕まえた時点でかなりの甚大な被害に……」
「どうでもいい、てめぇらの所はザコばっかりだな」
またもや蹴り上げて、次の報告を聞きながら、潜む俺から離れて行く。
ーモンスターって、あの遠目の檻や木箱の中身は全部モンスターって言ったのか?
Aランク3体……非常にマズイ。
踵を返し、来た道を戻ろうとその場を背中向けた刹那ーーーー。
「オイオイ、ちっせぇ気配を感じて見りゃあ……侵入者がいるじゃねえか」
ーゾクッ。
ヴァイスは背筋が凍る思いで振り向く。
ー先程の虎の獣人族が背後に回り込み、小太刀に手を回しー今にも斬りかかる勢いで接近されていた。
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(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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