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助け舟と、妖しき人影
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判決の刃と言われたあの刀で、私の四股は切断された。
辛かった。
怖かった。
何より、怒りたかった。
神奈「っ…」
影崎殿はニヤリと笑う。
あと少しで鞘から刀が抜ける時だった。
幸村「神奈ー、居るかー?」
影崎殿の部屋の前で幸村は止まる。
影崎殿は刀を収め、封印した。
障子がバッと開く。
神奈「…」
影崎殿「…」
幸村「…」
沈黙が流れる。
幸村は私と影崎殿を。
私と影崎殿は幸村を見ていた。
幸村「…何してるんだ?」
神奈「…し、仕事」
影崎殿もこくこくと頷く。
幸村が急に笑顔になる。
幸村「それならよかった。もし影崎殿が俺の神奈に何かしていたら、場所関係なく斬り殺しているところだ」
(私より怖いよ!あと笑顔で言う事じゃないっ!)
私は一人で心の中でツッコミをいれる。
神奈「な、何の用事?」
幸村「膝枕が無いもんだから昼寝ができず…その…」
神奈「…仕事が終わってからにして」
幸村「神奈は仕事が終わるの遅いだろ?」
神奈「私に文句を言うな。仕事に文句を言え」
幸村「むぅ…」
(それは、ずるいっ…)
神奈「はぁ…、このあとやってあげるから」
幸村「本当か?」
神奈「本当だからその顔やめろ」
幸村は笑顔になり、どこかへ行った。
私は荷物をまとめ、声をかけて部屋を出た。
神奈「失礼しました」
アイツのお陰で助かりはしたが、代償で膝枕をさせる羽目になるとは。
思ったよりめんどくさい。
(でも、今回ばかりはお礼をしなきゃな)
渚菜「ねえ、才蔵さん」
肩を並べて隣を歩く渚菜に話しかけられる。
才蔵「ん」
渚菜「影崎殿って、もしかしたらの事、ありますかね」
才蔵「お前さんはどうしてそう思うの」
渚菜「…たまたま見たんですよ、神奈ちゃんと影崎殿が話してるところ。とても、暗い顔でした」
渚菜は、その話をして顔を俯かせる。
(お前さんにその顔は似合わないってのに)
才蔵「いざとなれば、俺達が影崎殿を抹殺する。真田家に影響があればね」
渚菜「任務の最中に、ですか…?」
才蔵「まあ、そうだろうね。相手も忍なんだし、任務の方が言い訳が通用するからね」
渚菜「…そうですね」
才蔵「それよりも、自分のことを心配したら」
渚菜「…?」
才蔵「ちびのまんまでいいのって聞いてんの」
渚菜「すっ、好きでちびになったんじゃありません!俺だって大きくなりたいですっ!」
才蔵「どこが?」
渚菜「へ、どこってそりゃ、身の丈…って!」
いつもの意地悪な笑みを浮かべる。
渚菜「ど、どどど、どこ見てるんですかっ!」
才蔵「そうだねぇ。身の丈だよねぇ」
渚菜「い、いつもそうやってからかって!それに今回は俺をヘンな目で見て…!変態!悪趣味!馬鹿!」
才蔵「はいはい、悪かったですよ」
(やべ、収拾がつかなくなった。機嫌戻さないと)
(くそ、あの呪子が幸村殿の嫁だと…!?)
ありえない。
幻覚だ。
ただの夢、悪夢。
そう自分に言い聞かせる。
だが、足が少しずつ痺れてくる。
その痛みが現実だと答える。
あんな愛しいなどの嘘を仕方なく吐いたのに、なんだあの仕打ちは。
ふつふつと怒りがこみ上げてくる。
あの時と同じ感情が浮かぶ。
(殺したい…!)
そう思った時だった。
?「手伝おうか?」
耳元に甘い声がかかる。
志哉「っ!?」
急いで振り向くと、異国の服を着た男性が居た。
志哉「だ、誰だっ!?」
妖怪「俺はただの妖怪」
あ、妖だと…!?
(妖などいない…、ただの言い伝えだ)
妖怪「言い伝えなんかじゃないんだけどな。ま、いいや」
男は不敵な笑みを浮かべた。
妖怪「あの巫女、殺したいんでしょ?」
志哉「そ、それは…」
妖怪「違うの?」
違くない。
違くないが…。
妖怪「その願い、一緒に叶えようよ」
志哉「どういうことだ…?」
妖怪「上の妖怪から、あの巫女を殺せって言われてるから、目的一緒でしょ?」
(なるほど、確かに目的は一緒だな…)
ただ…。
志哉「代償など払わなければいけないのだろう?」
妖怪「大丈夫、俺は優しいから代償はいらないよ」
それは得だ。
代償無しに何も考えず、あの呪子を殺せる。
この男と協力すれば、そうなる。
志哉「…分かった」
妖怪「よし、契約成立だね」
志哉「俺は何をすればいい?」
妖怪「妹がいるだろ?」
(あの遊鳥とかいう子供か)
妖怪「そうそう、その子にこの手紙をあの巫女に渡させるだけ」
志哉「今、心を読んだか?」
妖怪「さあね、くふふ…」
本当に変な男だ。
男が差し出した手紙を受け取る。
志哉「これを渡せばいいのか?」
妖怪「うん、そうだよ、宜しくね」
立ち上がり、自室を出た。
あいつを殺せるなら何でもいいだろう。
俺はあの子供を探し始めた。
辛かった。
怖かった。
何より、怒りたかった。
神奈「っ…」
影崎殿はニヤリと笑う。
あと少しで鞘から刀が抜ける時だった。
幸村「神奈ー、居るかー?」
影崎殿の部屋の前で幸村は止まる。
影崎殿は刀を収め、封印した。
障子がバッと開く。
神奈「…」
影崎殿「…」
幸村「…」
沈黙が流れる。
幸村は私と影崎殿を。
私と影崎殿は幸村を見ていた。
幸村「…何してるんだ?」
神奈「…し、仕事」
影崎殿もこくこくと頷く。
幸村が急に笑顔になる。
幸村「それならよかった。もし影崎殿が俺の神奈に何かしていたら、場所関係なく斬り殺しているところだ」
(私より怖いよ!あと笑顔で言う事じゃないっ!)
私は一人で心の中でツッコミをいれる。
神奈「な、何の用事?」
幸村「膝枕が無いもんだから昼寝ができず…その…」
神奈「…仕事が終わってからにして」
幸村「神奈は仕事が終わるの遅いだろ?」
神奈「私に文句を言うな。仕事に文句を言え」
幸村「むぅ…」
(それは、ずるいっ…)
神奈「はぁ…、このあとやってあげるから」
幸村「本当か?」
神奈「本当だからその顔やめろ」
幸村は笑顔になり、どこかへ行った。
私は荷物をまとめ、声をかけて部屋を出た。
神奈「失礼しました」
アイツのお陰で助かりはしたが、代償で膝枕をさせる羽目になるとは。
思ったよりめんどくさい。
(でも、今回ばかりはお礼をしなきゃな)
渚菜「ねえ、才蔵さん」
肩を並べて隣を歩く渚菜に話しかけられる。
才蔵「ん」
渚菜「影崎殿って、もしかしたらの事、ありますかね」
才蔵「お前さんはどうしてそう思うの」
渚菜「…たまたま見たんですよ、神奈ちゃんと影崎殿が話してるところ。とても、暗い顔でした」
渚菜は、その話をして顔を俯かせる。
(お前さんにその顔は似合わないってのに)
才蔵「いざとなれば、俺達が影崎殿を抹殺する。真田家に影響があればね」
渚菜「任務の最中に、ですか…?」
才蔵「まあ、そうだろうね。相手も忍なんだし、任務の方が言い訳が通用するからね」
渚菜「…そうですね」
才蔵「それよりも、自分のことを心配したら」
渚菜「…?」
才蔵「ちびのまんまでいいのって聞いてんの」
渚菜「すっ、好きでちびになったんじゃありません!俺だって大きくなりたいですっ!」
才蔵「どこが?」
渚菜「へ、どこってそりゃ、身の丈…って!」
いつもの意地悪な笑みを浮かべる。
渚菜「ど、どどど、どこ見てるんですかっ!」
才蔵「そうだねぇ。身の丈だよねぇ」
渚菜「い、いつもそうやってからかって!それに今回は俺をヘンな目で見て…!変態!悪趣味!馬鹿!」
才蔵「はいはい、悪かったですよ」
(やべ、収拾がつかなくなった。機嫌戻さないと)
(くそ、あの呪子が幸村殿の嫁だと…!?)
ありえない。
幻覚だ。
ただの夢、悪夢。
そう自分に言い聞かせる。
だが、足が少しずつ痺れてくる。
その痛みが現実だと答える。
あんな愛しいなどの嘘を仕方なく吐いたのに、なんだあの仕打ちは。
ふつふつと怒りがこみ上げてくる。
あの時と同じ感情が浮かぶ。
(殺したい…!)
そう思った時だった。
?「手伝おうか?」
耳元に甘い声がかかる。
志哉「っ!?」
急いで振り向くと、異国の服を着た男性が居た。
志哉「だ、誰だっ!?」
妖怪「俺はただの妖怪」
あ、妖だと…!?
(妖などいない…、ただの言い伝えだ)
妖怪「言い伝えなんかじゃないんだけどな。ま、いいや」
男は不敵な笑みを浮かべた。
妖怪「あの巫女、殺したいんでしょ?」
志哉「そ、それは…」
妖怪「違うの?」
違くない。
違くないが…。
妖怪「その願い、一緒に叶えようよ」
志哉「どういうことだ…?」
妖怪「上の妖怪から、あの巫女を殺せって言われてるから、目的一緒でしょ?」
(なるほど、確かに目的は一緒だな…)
ただ…。
志哉「代償など払わなければいけないのだろう?」
妖怪「大丈夫、俺は優しいから代償はいらないよ」
それは得だ。
代償無しに何も考えず、あの呪子を殺せる。
この男と協力すれば、そうなる。
志哉「…分かった」
妖怪「よし、契約成立だね」
志哉「俺は何をすればいい?」
妖怪「妹がいるだろ?」
(あの遊鳥とかいう子供か)
妖怪「そうそう、その子にこの手紙をあの巫女に渡させるだけ」
志哉「今、心を読んだか?」
妖怪「さあね、くふふ…」
本当に変な男だ。
男が差し出した手紙を受け取る。
志哉「これを渡せばいいのか?」
妖怪「うん、そうだよ、宜しくね」
立ち上がり、自室を出た。
あいつを殺せるなら何でもいいだろう。
俺はあの子供を探し始めた。
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