呪子伝説公記

渚菜@歴史好きの霊媒少女

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終わりの刻、偽り之死

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数ヶ月後。
私は、部屋の荷物をまとめて部屋をでた。
真田兵1「気をつけてくださいませ!」
志哉「ありがとうございます」
真田兵2「体調は、大丈夫ですか?」
志哉「はい。神奈様のおかげです」
真田兵3「そう言えば、神奈様が里まで送ると仰っていましたよ」
志哉「えっ!?」
真田兵2「聴いておられないのですか?」
志哉「ええ、なんとも」
?「こちらでしたか」
後ろから声がかかる。
振り向くと、腰に手を当て少し微笑む神奈がいた。
志哉「か、神奈様」
神奈「探していたんですよ、そろそろ出発です」
志哉「は、はい、ただいま」
神奈は角を曲がり、見えなくなった。
真田兵2「早く行ってあげてください」
真田兵4「道中お気をつけて」
志哉「はい。あの、色々とありがとうございました」
真田兵1「いえ、我々は何も」
志哉「それでは、失礼いたします」
俺は急ぎ足で、門前へと向かった。

志哉「遅れて申し訳ございません!」
門前に集まっていたのは、信幸殿、幸村殿、神奈、才蔵さん、渚菜さんがいた。
信幸「影崎殿、お忘れ物はありませんか?」
志哉「はい、これで全てです」
幸村「御用の時は、またお願いします」
志哉「はい、お安い御用でございます」
あの時とは、まったく違う幸村殿。
神奈の事には真剣なのか。
才蔵「ほら、俺が言ったとうり」
渚菜「才蔵さんの勘、強すぎません…?」
才蔵「別に、お前さんの行動には適わないし」
渚菜「俺を馬鹿にしてるんですか!?」
才蔵「さあね、自分の頭で考えな」
渚菜「むぅ~っ…」
才蔵さんと渚菜さんの言い争いが勃発する。
神奈「もうよろしいですか、そろそろ出ないと日が暮れます」
信幸「そうですね、気をつけて」
志哉「お気遣い、痛み入ります」
神奈「こちらです」
神奈が歩き始める。
見送りに来てくださった方に一礼をし、神奈のあとに続いた。

10分後。
神奈「そろそろいいだろう」
後ろを振り向きそうつぶやいた。
神奈はあの時取り出した葉を胸元から取り出し、口に当てて吹いた。
~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪
タッタッタッ
馬の駆け足が近づいてくる。
森の木々の間からあの時の馬が現れた。神奈はその馬に乗り、俺の方へ手を差し伸べた。
神奈「影崎殿、どうぞ、手を」
俺は神奈の差し出された手を握った。
すると、ふいに体が宙に浮き、馬にまたがる状態となっていた。
神奈「蓮、里まで頼んだ」
蓮「かしこまりました」
馬は走り出し、段々と加速し、ついには上空へとんだ。
最初は不安定であったが、次第に揺れがなくなり、安定していった。
上から眺めてみると、上田城から里までそんなに遠くないと感じる。
あっという間に里の近くの林に着いた。
里に神奈が入ってしまえば、神奈はまた殺されるかもしれない、呪子と呼ばれたから。
神奈は俺を降ろして、「お気をつけて」と言った。
俺は頷いてから、里に入った。
紫娜「父上、おかえりなさい!」
まだ五歳の紫娜が俺に抱きついてくる。
志哉「ああ、ただいま」
俺は紫娜を高く抱き上げる。
紫娜は満面の笑みを浮かべた後、林に目を向け、不思議そうな顔をした。
紫娜「父上、あそこに1人の女子がいます」
志哉「え、?」
紫娜が指さした方をみる。
しかしそこには誰もいない。
志哉「見間違いじゃないのか?」
紫娜「いえ、ずっとこちらを見て…少し笑ってます。ほら、桃の着物を着てて、右目を布で隠していて、左目が赤色じゃないですか」紫娜は見えているようだが、俺には何も見えない。
紫娜にはおかしなものが見えるのか。
そんな頭がおかしいような子供は…、いらない。

「結局、上部だけの約束だったんですね。…もういいです、影崎殿」

どこかから少女の声がして、周りを見渡した時だった。
志哉「こ、これは、一体…!?」
さっきまで賑やかであった里には人が1人も居なくなっていた。
「かーごーめかーごーめ…」
気付けば紫娜も消えていた。
「かーごのなーかのとーりーはー…」
志哉「か、神隠しかっ!?」
「いついつでーあーうー…」
なんだこれは。
「よーあーけーのーばーんにー…」
ここに居ては行けない気がする。
「つーるとかーめがすーべった…」
一刻も早く逃げよう。
?「後ろの正面だぁれ…?」
真後ろで声がすると同時に、首を短刀で切りつけられる。
志哉「お、まえはっ…!」
短刀を持っていたのは渚菜さんだった。
渚菜「貴方は所詮、俺が創り出した『オリジナルキャラクター』。製作者権限で、貴方を消滅させます。…さようなら」
…そして里には誰も居なくなり、その里自体も人々の記憶から消されていた。
その里の後を知る人物はただ1人。
蓮「ねえ、この前いらっしゃっていた方って誰だったかしら」
躙「そんな方いたかしら…?記憶にないけど」
蓮「じゃあ、私の勘違いか」
躙「多分そうよ。しっかりしてよね、姉さん」
神奈「…なあ、二人ともちょっといいか」
躙「はい、なんですか?」
神奈「実は、自分の父親があとすこしというところで思い出せなくて…」
蓮「…私もです。なにかがつっかえているような…」
躙「あと少し、あと少しで思い出せそうなんですが…」
THE END
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