大魔法使い専用恋人代行所【リメイク】

1人目

0日目2

「お待たせしました」
「ひゃい！　だ、大丈夫です！」

　ふぉおぉ、変な声出しちゃった……。
　おかしく思われてないか明君のほうを見るが表情は普通だ。天使。

「仕事を請けるのは問題ないのでこちらがプランなんですけど確認していただけますか？」

　そして、差し出される用紙を確認する。

　恋人プラン内容。

　1．清いお付き合いコース～軽度の接触のみ～。※期間1日。　料金：300万
　2．恋のステップアップコース～キスまで～。※期間2日。　料金：1000万
　3．恋人で出来ることぜ・ん・ぶ！～エッチまで～※期間3日。※エッチは最終日に可否が決まります。※ＮＧであれば最終日分の返金が行なわれます。　料金：5000万又は1億。

　こまごまと書かれているが重要なのはこの部分だろう。
　普通の恋人代行のパンフレットを見た事があるがもっとこまごまとプランも有ったし条件もかなり細かく書かれていたのだが、一般の恋人代行とは随分と違うようだ。

「そ、それでは、3番の……プランで」

　これ以外に選ぶものなんてない！　むしろ大魔法使いにまでなってこれ以外を選ぶなんて相当変人だ。女やめたほうがいい。

「はい。分かりました。それで……その、童貞か童貞じゃないかどっちがいいですか？　恥ずかしながらまだ経験がなくてですね。童貞よりも慣れた人がいい人もいると聞くので──」
「童貞で！！！！」

　はっ！　私がいきなり力強く宣言したことで明君がぽかんとしている。
　いやいやいや、だって……こんなに可愛いのに童貞？　普通周りの女が放っておかないでしょう。
　なのに童貞……つまり身持ちが無茶苦茶硬いのだ！　それに私も初めてだし、やっぱり初めて同士がいいというか、初めて同士は失敗するかもっていうけどイメージトレーニングは万全だし？　やっぱりやるなら童貞がいいっていうか、まぁ、別に私は童貞厨じゃないし、童貞じゃなくてもいいけど──。

「それでは日時のほうを決めましょうか」

　私がトリップしているうちに気を取り直した明君がそういう。

「明日以降ならいつでも構いませんが──」
「明　日　で！！！！」
「……あ、あはは、お仕事のほうは大丈夫ですか？」
「大丈夫です！　融通がきくので！」

　当然早いほうがいいに決まっている！　仕事？　大丈夫大丈夫、王庁は優秀な人間しかいないし仕事だって余裕をもって回っている。
　3日程度なら急な休みを取ったところで大きな影響はない。

「それで、料金の説明なのですが、本来他の恋人代行所ではあるはずの細かい部分を省いてしまったので、ちょっと割高な設定となってます。それから、3のプランで2つの値段があるのは童貞であるかどうかで値段が変わるということで、今回は高いほうになりますが問題ないですか？」
「問題ないです！」
「ありがとうございます。それでは後は──」

　そこから細かい説明と注意事項がいくつかされる。

「──と、このようになっています。デート内容はどうしましょうか？　炎華さんの方で決めることも出来ますし、こちらで決めてもいいですが」
「明日は遊園地に！　2日目は明君の行きたいところで！　3日目はその、お家デートで……」
「はい。大丈夫ですよ。そうですね。2日目は……映画なんてどうですか？　最近の話題作もありますし、モールなら色々な店もありますからそこで時間を潰して夜は炎華さんにお任せしたいな」
「ま、任せて！！」

　そう、あれだ！　夜景の見えるレストランで……ちゅーとか、ふへへ。
　期待したような目で言ってくれたって事はそういうことでいいんですよね！？

「それではお願いします。待ち合わせとかも決めましょうか」
「はい！」

　そして、デートで行く場所を具体的に決めて時間割をしてその日は終わりとなった。
　明日が超楽しみ！！