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シーズン1 チャプター3 怪物と人間の垣根を超えて
067 スライム娘”タイラント”VSセブン・スター”ハイライト”②
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「……!!」
「おれたちセブン・スターはよォ、この国の治安維持のために存在してるんだ。オマエみたいなテロリスト予備軍……いやテロリストだったときもあるのか。だったらなおさら生かしておけねェよな?」
閑静な街の街路樹まで吹き飛ばされたおれは、身体に痛みが走っていることを知る。
……身体に痛み? スライム娘は打撃も斬撃も効かないはずだろ? コイツ、どうやっておれにダメージを!!
「よって、“セブン・スター”ハイライトがオマエを駆除する。異論は認めねェ」
ハイライトは瞬時に間合いを狭めて、倒れ込むおれの頭を思い切り叩く。ビリッ!! という脳の線が切れたような嫌な感覚が走ると、ハイライトはおれをつかんで空中高くに舞い上げた。
「カテゴリーⅥの5億メニー!? 過大評価が過ぎるんじゃねェのォ!? 電撃の槍襖!!」
投げられたおれのもとに無数の電撃による槍が襲いかかる。この量の電撃を吸収できるわけがない。おれは一か八かで身体を人間に近いフォームからただのスライムへ変怪させる。
間に合った!! かろうじておれは電撃を喰らわず無数の小型スライムになれた。
数えるのも億劫な小型スライムはそのまま弾丸へもなれる。おれはそれらを超速度でありとあらゆる方向へ飛ばしまくる!!
「あー、鬱陶しいなァ!! 身体を素粒子みたいに分離させて銃弾にしようってか? 足りねェな。まるで足りてねェよ、オマエ!!」
しかし、クラリスやシルクを打ち破った方式もこの男には通用しない。跳ね回るスライムたちをハイライトはもろに喰らうものの、まったくダメージを負っていない。
チクショウ!! どうすりゃコイツに勝てる!? なにか妙案はないのか!?
……一旦身体をスライム娘に戻そう。効かない攻撃ほど無駄なものもない。
というわけでスライム娘の身体に戻ったおれは、やはり身長が170センチ前後から160センチまで縮んでいることを知る。先ほどの攻撃で地面や壁にひっついたスライムを吸収しきれていないのだ。
「おーお。手品みてーじゃねェか。おもしれェ体質を持ってるんだな?」
ハイライトは嘲笑い、手をわざとらしく叩く。もう勝敗は決したのだから無駄な抵抗をするな、と言わんばかりに。
でも、まだ終わっちゃいない!! もうハッタリも通用しないのならば、ここから先はできることをするだけだ!!
「怪物の片鱗……皇帝の右手!!」
右手にスライムを集中させて巨大化した右腕。それをぶつければ多少たりともダメージが通るはずだ。問題はそれを素直に喰らってくれるか、だ。だからおれは考えた。瞬時に。
「おお、隙だらけだな」
「それはどうかな?」
地面にひっついたスライムは、まだおれの言うことを聞いてくれるはずだ。10センチ縮むほど地上にスライムがあるのだから、これらを使ってハイライトを拘束してしまえば良い。
「……なるほどねェ!!」
ひっかかった!! おれは即座に右腕を、2階建ての建物ほどに巨大化した右腕をハイライトに振り落とす。当然“悪魔の片鱗”も混ぜている。この一撃は必ず効くはずだ!!
「おれたちセブン・スターはよォ、この国の治安維持のために存在してるんだ。オマエみたいなテロリスト予備軍……いやテロリストだったときもあるのか。だったらなおさら生かしておけねェよな?」
閑静な街の街路樹まで吹き飛ばされたおれは、身体に痛みが走っていることを知る。
……身体に痛み? スライム娘は打撃も斬撃も効かないはずだろ? コイツ、どうやっておれにダメージを!!
「よって、“セブン・スター”ハイライトがオマエを駆除する。異論は認めねェ」
ハイライトは瞬時に間合いを狭めて、倒れ込むおれの頭を思い切り叩く。ビリッ!! という脳の線が切れたような嫌な感覚が走ると、ハイライトはおれをつかんで空中高くに舞い上げた。
「カテゴリーⅥの5億メニー!? 過大評価が過ぎるんじゃねェのォ!? 電撃の槍襖!!」
投げられたおれのもとに無数の電撃による槍が襲いかかる。この量の電撃を吸収できるわけがない。おれは一か八かで身体を人間に近いフォームからただのスライムへ変怪させる。
間に合った!! かろうじておれは電撃を喰らわず無数の小型スライムになれた。
数えるのも億劫な小型スライムはそのまま弾丸へもなれる。おれはそれらを超速度でありとあらゆる方向へ飛ばしまくる!!
「あー、鬱陶しいなァ!! 身体を素粒子みたいに分離させて銃弾にしようってか? 足りねェな。まるで足りてねェよ、オマエ!!」
しかし、クラリスやシルクを打ち破った方式もこの男には通用しない。跳ね回るスライムたちをハイライトはもろに喰らうものの、まったくダメージを負っていない。
チクショウ!! どうすりゃコイツに勝てる!? なにか妙案はないのか!?
……一旦身体をスライム娘に戻そう。効かない攻撃ほど無駄なものもない。
というわけでスライム娘の身体に戻ったおれは、やはり身長が170センチ前後から160センチまで縮んでいることを知る。先ほどの攻撃で地面や壁にひっついたスライムを吸収しきれていないのだ。
「おーお。手品みてーじゃねェか。おもしれェ体質を持ってるんだな?」
ハイライトは嘲笑い、手をわざとらしく叩く。もう勝敗は決したのだから無駄な抵抗をするな、と言わんばかりに。
でも、まだ終わっちゃいない!! もうハッタリも通用しないのならば、ここから先はできることをするだけだ!!
「怪物の片鱗……皇帝の右手!!」
右手にスライムを集中させて巨大化した右腕。それをぶつければ多少たりともダメージが通るはずだ。問題はそれを素直に喰らってくれるか、だ。だからおれは考えた。瞬時に。
「おお、隙だらけだな」
「それはどうかな?」
地面にひっついたスライムは、まだおれの言うことを聞いてくれるはずだ。10センチ縮むほど地上にスライムがあるのだから、これらを使ってハイライトを拘束してしまえば良い。
「……なるほどねェ!!」
ひっかかった!! おれは即座に右腕を、2階建ての建物ほどに巨大化した右腕をハイライトに振り落とす。当然“悪魔の片鱗”も混ぜている。この一撃は必ず効くはずだ!!
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