スライムむすめの転生日記~自称序盤のレベル上げ要員は実質無限再生と吸収能力、打撃も斬撃も効かない身体etcでビビリながら無双する~

東山統星

文字の大きさ
68 / 71
シーズン1 チャプター3 怪物と人間の垣根を超えて

067 スライム娘”タイラント”VSセブン・スター”ハイライト”②

しおりを挟む
「……!!」

「おれたちセブン・スターはよォ、この国の治安維持のために存在してるんだ。オマエみたいなテロリスト予備軍……いやテロリストだったときもあるのか。だったらなおさら生かしておけねェよな?」

 閑静な街の街路樹まで吹き飛ばされたおれは、身体に痛みが走っていることを知る。
 ……身体に痛み? スライム娘は打撃も斬撃も効かないはずだろ? コイツ、どうやっておれにダメージを!!

「よって、“セブン・スター”ハイライトがオマエを駆除する。異論は認めねェ」

 ハイライトは瞬時に間合いを狭めて、倒れ込むおれの頭を思い切り叩く。ビリッ!! という脳の線が切れたような嫌な感覚が走ると、ハイライトはおれをつかんで空中高くに舞い上げた。

「カテゴリーⅥの5億メニー!? 過大評価が過ぎるんじゃねェのォ!? 電撃の槍襖サンダー・ファランクス!!」

 投げられたおれのもとに無数の電撃による槍が襲いかかる。この量の電撃を吸収できるわけがない。おれは一か八かで身体を人間に近いフォームからただのスライムへ変怪させる。

 間に合った!! かろうじておれは電撃を喰らわず無数の小型スライムになれた。

 数えるのも億劫な小型スライムはそのまま弾丸へもなれる。おれはそれらを超速度でありとあらゆる方向へ飛ばしまくる!!

「あー、鬱陶しいなァ!! 身体を素粒子みたいに分離させて銃弾にしようってか? 足りねェな。まるで足りてねェよ、オマエ!!」

 しかし、クラリスやシルクを打ち破った方式もこの男には通用しない。跳ね回るスライムたちをハイライトはもろに喰らうものの、まったくダメージを負っていない。

 チクショウ!! どうすりゃコイツに勝てる!? なにか妙案はないのか!?

 ……一旦身体をスライム娘に戻そう。効かない攻撃ほど無駄なものもない。
 というわけでスライム娘の身体に戻ったおれは、やはり身長が170センチ前後から160センチまで縮んでいることを知る。先ほどの攻撃で地面や壁にひっついたスライムを吸収しきれていないのだ。

「おーお。手品みてーじゃねェか。おもしれェ体質を持ってるんだな?」

 ハイライトは嘲笑い、手をわざとらしく叩く。もう勝敗は決したのだから無駄な抵抗をするな、と言わんばかりに。

 でも、まだ終わっちゃいない!! もうハッタリも通用しないのならば、ここから先はできることをするだけだ!!

怪物の片鱗モーンストルム・ピース……皇帝の右手カイザ・ウォーハンド!!」

 右手にスライムを集中させて巨大化した右腕。それをぶつければ多少たりともダメージが通るはずだ。問題はそれを素直に喰らってくれるか、だ。だからおれは考えた。瞬時に。

「おお、隙だらけだな」

「それはどうかな?」

 地面にひっついたスライムは、まだおれの言うことを聞いてくれるはずだ。10センチ縮むほど地上にスライムがあるのだから、これらを使ってハイライトを拘束してしまえば良い。

「……なるほどねェ!!」

 ひっかかった!! おれは即座に右腕を、2階建ての建物ほどに巨大化した右腕をハイライトに振り落とす。当然“悪魔の片鱗”も混ぜている。この一撃は必ず効くはずだ!!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...