若がえる“老夫” と 老いてゆく“少女”は

すみれ

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第1章

5 . 第二の人生

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 サマンサが、ガクッとなったように感じた。


 「あっ、すみません。驚いたもので... これからお決めになるのですよね?」 

 「んっ?あっ、そうなんだよ!そうそう。」


 まさかの失態だ。伯爵時代の用意周到さのかけらもない。それほど、赤ん坊に魅了されてしまっていた。 


 「名前の候補はあるのですか?」

 「いや、実はな... うん。考えていなかった。」

 「なんて可愛らしい名前!ぴったりですね.....ってええええええっ!  てっきり候補がありすぎて悩んでいるかと思ってたのに...」


 
 サマンサは敬語も忘れ、素になってしまった。 



 「赤ん坊の引取先だけ考えていたのでな。できれば考えるのを手伝ってくれないか?」



 オーウェンは名付けのセンスがないと、亡くなった妻から言われたことがある。どんな名前を考えたかは妻によって闇に葬られた。

 だから、サマンサに助けてもらうことにした。 


 「ちなみに、サマンサの赤ん坊の名前は?」

 「ジェナミ。ジェナミ・フォレスターです。何事にもへこたれない強い子に育って欲しいと願ってつけたのですが...夜泣きの威力はどの子にも負けません。そちらの方に願った訳ではないのですがね...」


 サマンサは苦笑いする。 


 「そうか、そういう決め方があったのか‼︎」

 「あの、そういう決め方とは?」

 「ごほんっ。いや、何でもない。気にしないでくれ。」


 いったいオーウェンはどんな名前の付け方をしてたのか気になりますが、そっとしておきます。


 「サマンサの赤ん坊が心の強さなら、この子は賢さを身につけてもらおう。いつか二人が大きくなったときに良い友達になってくれると嬉しいからな。」


 サマンサは心の強さに、賢さを持ってくるのは不思議に思ったが、そんな事よりという言葉に感動する。 


 「オーウェン様!我が子を同等に扱ってくださるなんて...恐れ多いことです。従者ではなく、友達と!」


 サマンサは目を輝かせる。そして続けてこう言った。 



 「賢さですよね。賢さをといえば、知恵です!それならばというのはいかがですか?響きもよろしいですし!」

 「ソフィア!いい名前だ。そうしよう!」



 オーウェンは、赤ん坊を腕に抱いてソフィア、ソフィアと連呼する。 


 「うん、本当にいい名前だ!俺が決めなくて良かった。サマンサ、感謝する。」

 「いえいえ!私の考えを取り入れて下さって嬉しい限りです!」


 オーウェンの腕の中のソフィアは、相変わらず きゃっきゃとわらっている。なんと愛くるしい。なんと可愛らしい。まるで天使のようだ。 


 オーウェンの第二の人生が既に始まっていた。

 
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