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~真夏のビーチバレー編 第2章~

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[健康的な肉体]

 「いらっしゃいませ~!」

 店内に入ると肌の色が黒い女性が元気に挨拶をかけてきた。フォルト達は店内に配置されている様々な水着を見て回った。

 ロメリアは目を輝かせながら自分に合う水着を探している。ハンガーにかかっている水着を手にとっては自分の体に合わせては近くにある鏡と睨めっこをしていた。

 「う~ん、これも可愛いなぁ~。でもこっちも可愛いし・・・フォルト~どっちが可愛いと思う~?」

 ロメリアは左右にそれぞれ別のビキニを持ってフォルトの方へと体を向ける。フォルトは水着には特にこだわりは無かったので適当に見つけた緑色のアロハシャツに青の膝まである短パンを手に持ってロメリアの方を向いた。

 ロメリアの右手には薄黄色のビキニが、左手には薄花色のビキニがあった。

 「そうだね~・・・どっちもロメリアのイメージに合ってるからなぁ~・・・黄色の方はさらに元気さと明るさを引き出してくれそうだし・・・青色の方は爽やかな感じを引き立ててくれそうだし、ロメリアは金髪だから色が被らなくて水着も色の特徴を強調できるし・・・う~ん・・・どっちが良いんだろう・・・」

 フォルトが首を傾げて唸りながら考えていると、近くに女性の店員が通りかかったので声をかけてみた。

 「すみません!ここの水着って試着出来たりできますか?」

 「ええ、出来ますよ。」

 「だってさ、ロメリア。その水着着てみてよ?」

 「おっけ~!」

 ロメリアはフォルトにウィンクをすると、傍にあった更衣室の中へと入っていった。更衣室の中からロメリアが服を脱いでいる音が聞こえてくる。

 ロメリアが水着に着替えている間に店員からフォルトは声をかけられた。

 「・・・弟さんですか?」

 「え?・・・あ、はい、そうです。」

 「本日はご姉弟で遊びに?」

 「遊びに・・・というか今僕達旅をしているんです。世界中を歩いて回ろうかなぁと・・・」

 「旅をしているんですか⁉へぇ~いいですね~!仲が良い姉弟で羨ましいです・・・私には兄弟がいませんでしたので・・・」

 店員はそう言うと、言葉を付け足した。

 「あ、そうだ!今日この街のビーチでビーチバレー大会が開かれるのはご存じですか⁉」

 「ビーチバレー大会?砂場でバレーするんですか?・・・足ばあんなに悪そうなのに?」

 「あの悪い中でするのが面白いんですよ?それに大会開始までエントリー可能なので今からでも十分に間に合いますよ?」

 「そうですか・・・考えておきます・・・」

 フォルトが小さく返事をすると、更衣室のカーテンがサーと開いて薄黄色のビキニを着たロメリアが姿を現した。

 「どう?似合ってる?」

 ロメリアは軽くその場で体を回転させると、髪をふわりと舞い上がらせてロメリアに微笑んだ。

 『やっぱりロメリアのイメージと黄色はとてもよく似合うなぁ・・・元気さが前面に出ていてとてもエネルギッシュに見える・・・』

 「とてもよく似合っているよ!ロメリアらしくていいんじゃないかな?・・・もう一方の水着も着てみてよ。」

 「うん!ちょっと待ってね・・・」

 そう言うと更衣室のカーテンを閉めずにいきなりロメリアはブラジャーの紐を解き始めた。紐が重力に従って垂れ、ブラジャーをそのまま取ろうとしたのでフォルトと店員が咄嗟に声を上げる。

 「お客様!そんな大胆に脱がれては困ります!」

 「カーテン閉めて、カーテン!」

 「え?・・・あっ、つい着替えるのに夢中で閉めるの忘れてた・・・でもどうしよう・・・もう紐解いちゃって手が離せない・・・」

 「あわわわ・・・んじゃあ僕がカーテン閉めるよ・・・」

 フォルトはブラジャーが落ちないように押さえているロメリアに変わってカーテンを急いで閉める。ロメリアはえへへ・・・と小さく笑っており、フォルトと店員はカーテンを閉め終えると小さく息を吐いた。

 「・・・お客様のお姉様って・・・天然・・・何ですか?」

 「・・・多分そうです。・・・決して露出狂じゃない・・・と信じています。」

 フォルトがどこか申し訳なさそうに店員と会話をしていると、カーテンがするりと開いて薄花色のビキニを着たロメリアが現れた。ロメリアは両手をガッツポーズをとるように曲げて、フォルトに向日葵のように満面の笑みを向ける。

 「こっちの水着はどう、フォルト?似合ってる?」

 フォルトはロメリアの極めて健康的な肉体をじっくりと嘗め回すように見る。

 「・・・うん!さっきの黄色と比べたらちょっと落ち着いた感じがあるけど、僕はその青色の水着の方が好きだなぁ。ロメリアって金髪だし、肌も白くて綺麗だから鮮やかな青色が映えるんだよね。」

 フォルトがそんな感想を述べると、ロメリアは頬を桃色に染めて微笑んだ。

 「そう?そうかな?フォルトが似合うって言うならこっちにしようかな?私も何となくこっちの水着の方がいいかなぁって思ってたところだったし・・・でももう一方の方も結構好きなんだよね・・・」

 ロメリアが名残惜しそうに薄黄色のビキニを眺めていると、フォルトはロメリアに一つ提案をした。

 「・・・だったらもうどっちも買っちゃえば?お金にも困ってないし、2着買っておけばいざという時にも対応できるしね。それに・・・どっちも似合ってるから全然ありだと僕は思うな。」

 ロメリアの頬が明るい赤色に染まる。

 「フォルト・・・分かった!私、両方買いますっ!」

 ロメリアはそう言ってカーテンを閉めると、水着から元の服に着替えた。カーテンを開けると、フォルトとロメリアは店員さんにお礼を言うと共にカウンターへと歩いて行き、近くに置いてあったサンダルと水着を購入する。フォルトとロメリアの水着は合わせて3万カーツもしたので、2人は水着って高いんだなぁと会計の時にふとそう思った。

 フォルト達は店を出ると、そのままビーチの傍にあるそれぞれ男女別の着替え小屋へとやって来た。フォルトとロメリアはそれぞれ小屋の入口で言葉を交わした。

 「それじゃあ着替え終わったら、またここに集合ね。」

 「了解。・・・ところで今回はどっちの水着を着るつもりなの?」

 「えっとね~・・・今回は薄花色のビキニを着ようかな?フォルトがこっちの方が似合うって言ってくれたからねっ!」

 ロメリアはそう言うと、女性小屋へと入って行った。フォルトもロメリアが小屋の中に入ったのを確認すると、男性小屋の中へと入って着替えを直ぐに済ます。

 太陽はほぼ真上にまで昇っており、陽光がビーチの砂を熱く火照らしていた。
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