攻略本片手に異世界へ 〜モブは、 神様の義祖母 〜

出汁の素

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幼女編

第7話 マイスタースミス

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ゴロゴロ~

 ジェシカ3歳はお昼寝タイムである。朝4時からトレーニングする、無茶苦茶な家族も、お子ちゃまのお昼寝の重要性はよく知っている。体は子供、頭は老人の私も、頭より体の眠気には耐えられないので、ゆっくりお昼寝を楽しんでいる。ここ1か月で日に平均2000万ゴールド、約6億ゴールドの資産を築いた。そのお金は手元に隠してある。絶対に見つから無いような形で。なので、安心してゴロゴロ出来ているが、1時間程お昼寝をすると、アイルお兄ちゃんが市民学校から帰ってきて、お勉強タイムである。今は、文字を覚える勉強をしている。市民学校の1年生の教科書でやっているが、当然つまらない。やだなぁと思いつつ、その時間までゴロゴロ楽しんでいると。

ドタドタドタ

 大きな足音ととともに
「ジェシカ」
 
 扉がドカンと開き、アイルお兄ちゃんが入ってきた。
「ごめん。今日今から行かないといけないところが出来たから、教科書の78頁から、ノートに練習しておいてくれる。」
「はぬ~。わかった~」

 私は、寝ぼけながら答えた。
「センキュー」

 急に自習になったので、これ幸いと、私は速攻で書き取りを終わらせ、遊び時間にした。
「今日は、近所の鍛冶師さんを調べようか。」

 私の最近の趣味は、近所の人の能力は把握だ。基本的に今いるブロックの全住民の能力が、攻略本で検索できる。鍛冶師のスキルと才能、グランデ様の加護等を総合的にみると。

-----------------------------------------------------------------------------------------------------
1位 ルーベック ルーベック工房
2位 ボリンド ボリンド工房
3位 ベスダーク ベスダーク工房
4位 インザズ インザズ工房
5位 エオーン エオーン工房
6位 ゾウマン ゾウマン工房
7位 プリット プリット工房
8位 ライカス ライカス工房
9位 セゾン セゾン工房
10位 ミシガン ルーベック工房
-----------------------------------------------------------------------------------------------------

 ミシガンはルーベックさんの息子さんであり、基本的に職人さんは弟子入りして、成長したら自分の工房を持つのが一般的だ。資材調達、販売、営業、人材採用等等すべて工房主がやっていくので、鍛冶の腕だけではうまくいかない世界でもある。ダイアンお兄ちゃんもルーベック工房への弟子入りが決まり、ルーベック工房に市民学校後に通っている。ちなみにルーベック工房は、うちの2軒隣の裏にある。見に行ってみようかな。

 私は、課題を終わらせたので、お父さんに声をかけた上で、ルーベック工房に向かった。

「やいやい、貸した金返せないとはどういう事だ。」

 店の前で、冒険者崩れっぽいお兄さんが、集団ですごんでいる。
「いやですから、そんな契約では・・・・。」
「ほら、契約書に書いてあるだろ、ルーベックは、金利10%で2000万ゴールド借りること。金利は、週毎に発生すること。期間は20週間で、今日が期限だ、貸してから、20週だから、5307万ゴールドだよ。」
「年利5%だから2025万ゴールドでは。」
「何処に年利と書いてあるんだよ。即刻5307万ゴールド支払え。」
「でも、」
「でもじゃねぇよ。ここに商業ギルドの印鑑もあるだろう。商業ギルドも認めてるんだよ。あん。」

ルーベックさんは、怯えてしまい、ダイアンお兄ちゃんや、ミシガンさん達もおろおろしてしまっている。しょうがないなぁ
「お兄ちゃんどうしたの」(ニコ)
「あぁん?」

 すごんでいるおじさん達が一斉に私を見た。
「おじさんたち、どうしたの?」
「お嬢ちゃんは危ないからかえってね」
「うーん。ちょっとその契約書見せてね」(ニコ×4)

 全力の笑顔を振りまくと、魅惑の笑顔の効果で
「しょうがないなぁ・・・・。」

 と契約書を見せて貰った、嵌められたが明らかにルーベックさんのミスだ。でも、借金で奴隷になんかなったら、お兄ちゃんの修行にも影響が出てしまう。
「うーん。ちょっとおじさんこっちに来てくれない?」(ニコ×4)
「なんだい?」

 かかった
「おじさん。仮に私がその契約を買い取るとしたら、5000万ゴールドぽっきりにしてもらえる?」
「うーん。良いよ。できないだろうけど。」
「本当、やったー。はい小金貨5枚。」
「えっ」
「静かに、約束だからね。他に同じような事をした人いる?」(ニコ×4)
「職人だと、ベスダーク、セゾン、インザズ、エオーンで現状で2億ゴールド強かな」
「今契約書持ってる。」
「持っているけど。今日も請求に行くから」
「2億で買うよ。」(ニコ×4)
「えっ。なぜ。」
「その代わり、ルーベンスさんの所に売ったと言って貰えるかな。」(ニコ×4)
「わかりました。ありがとう。そんなお金どこから?」
「乙女の秘密」(ニコ×6)
「乙女って、お子ちゃまでは?」
「なに?」(キー)
<スキル習得 悪魔の笑顔・・・このスキルは、パッシブスキルで、怒りを振りまくと、通常の数倍心が揺さぶられ易くなる。但し、旦那もしくは妻以外の身内には効かない。加護神:キューピー>
「ごめんない。すぐに行きます。」

 そう言うと、契約書5枚を受け取り、中身を確認したうえで、
「裏書とサインを」(キー)
「はい。ジェシカに債権をじょうとする。キラズっと」
「あと、4枚も、」
「はいはい」
「へ?」(キー)
「はい。ごめんなさい。」

 と、譲渡の裏書をして契約書5枚を受け取った。
「ルーベンスさん。債権はジェシカさんに譲渡しました。ベスダーク、セゾン、インザズ、エオーンの分もです。ジェシカさんのご要望で、4人にはすべてルーベンス工房に譲渡したと伝えることになりました。詳細はジェシカさんに聞いて下さい。」
「「「へ?」」」

 ルーベンスさん達3人は呆気に取られている。
「では。」

 キラズさんと入れ替わりで、私が3人の前に立った。
「えー。私がジェシカです。ルーベンスさん。一つご提案があります。工房の権利を私に売りませんか?」
「「「は?」」」

 ルーベンスさんは、目が点になっている。
「ジェシカ、何を」
「お兄ちゃんは黙って。」
「なに?」
「ルーベンスさん。なぜこんなことが起きたと思いますか?」
「それは、私の脇が甘いのが・・・。」
「そうです。ルーベンスさんは脇が甘い。それは、ルーベンスさんは、経営者でなく、単なる飛び切り優秀な鍛冶師さんだからです。」
「へ?」
「鍛冶師の勉強を一生懸命やった人が、経営が上手くできるか?できるわけないです。だから、工房の経営は他人に任せて、鍛冶師として、良いものを作り、良い弟子を育てませんか?」
「それが出来たらいいのですが、そんなこと。」
「だから、提案です。私は3歳児です。私がやるわけではありません。」
「へ?」
「お兄ちゃん。」
「なんだい。」
「お兄ちゃんが経営をやってください。」

 ルーベンスさん達は何を言っているのかわからないという顔をしている。。
「何を?」
「今から言うことを、ゆっくり聞いて、考えて下さい。今考えているのは、ルーベンス鍛冶商会です。これは、商会であり工房です。ルーベンスさんの他に、ベスダーク、セゾン、インザズ、エオーンの工房は、モノづくりに専念します。売るのは工房でなく、販売する商会がまとめて販売します。今、お弟子さんが販売をやっているでしょうが、お弟子さんの修行の為に、販売に参加しますが、販売専門の人を雇い、お弟子さんがサポートします。これで、お弟子さんの修行時間を大きく確保できます。工房主さん達は、資金集めや、原料の調達、各種契約等はすべて商会に任せます。その代わり、与えられたモノづくりノルマをこなしてもらいます。お給料は実績に応じてお支払いします。多分、時間が余るのでお弟子さんの指導や、新製品の開発、自身の修行により時間をあてられますし、家族に時間をあててもいいです。あと、今技術や、貴族、一流冒険者のメンテ等をする、お抱え鍛冶師になっている場合は、直接やりとりok。追加する場合は、マイスターで5人まで、それ以上は、ノルマのこなし具合や、契約相手によって判断にすれば、今のお客様に迷惑かけないか。商会では、資材の調達、販売を行います。鍛冶師ギルドとの調整も行ってもらいます。そこで、契約関係はお兄ちゃんが見て下さい。」
「俺?」
「お父さんに基本を教わっているでしょうし、わからなければ幾らでも聞けるでしょう。」
「まぁ。契約関係を任された言えば、喜んで色々教えてくれるし、助けてくれるだろうね。」
「ルーベンスさんには、この商会の代表になってもらいます。やることは、ギルドとかの調整と、顔役です。今よりは楽になるでしょう。工房はある程度ミシガンさんに任せてもいいんじゃないですか?」
「そうだな。弟子の指導や工房の運営はミシガンに任せよう。」
「親父」
 ルーベックさんは、ミシガンさんを見た。
「頑張れよ。」

 微妙な余韻が漂っているが、打ち消してみる。
「すみませんが、あと、もう一つ。鍛冶師の学校と、研究所を建てましょう。資金はすぐに調達します、出来るだけ早く作って下さい。。学校には、商会の工房だけでなく、他の工房の子達も迎えてあげて、基礎から教えてあげて下さい。教師には、初めは工房から出してもらいますが、高齢で力仕事が辛くなったマイスターや、会計、経営、契約等を教える為に初めは人を出して貰います。研究所は、初めは、各工房の技術を調べ、共有する所からやって下さい。その後、新技術の開発と、開発、共有された技術の研修も担って貰います。特許制度を上手く使って下さい。秘匿してもバレますから、共有して、帝国全土の技術向上に努めましょう。」
「そんなこともやるのか?」
「やって貰えれば、私が何をしたいかわかります。」
「そうなのか?」
 ルーベックさんは、私を見据えた。
「私は、3歳児なので、表に出ても信用されないので、あくまでオーナーです。儲けたらその分貰う立場です。いろいろお手伝いしますが。」
「そうか・・・。本当に3歳児か?」
「そうですが、お兄ちゃん、あのこと言っていい?」
「あのこと??っそうか。」

 お兄ちゃんは、私をみて、首を縦に振った。
「ルーベックさん。私は、グランデ様の加護があり、グランデ様から神託を受けています。その神託中で、お兄ちゃんも加護をもらう予定です。今はグランデ様のご加護だと納得してください。」
「そうなのか・・・。グランデ様のご加護。グランデ様のご神託。そんなこと。」
「信じて頂くしかございません。でないと、3歳児がこんなこと説明できないでしょう。」
「でも、ご加護があっても・・・。」
「ルーベック様はグランデ様のご加護を甘く見ているのですか。」
「いやでも・・・。」
「師匠。ここは納得するしかないんじゃないですか?ジェシカこのことは」
「お兄ちゃん。全てルーベックさんのいこうという事で乗り切って下さい。話がややこしくなるので。」
「わかった。ありがとうな。」
「お兄ちゃん。」

ルーベックさんを中心にルーベック鍛冶商会がスタートした。3か月で、工房を立ち上げたばかりの鍛冶師を含めて、21の工房が参加した。私は追加で3億円出資し当初資金にした。
同様の商会が生まれたが、商人が立ち上げたものは上手くいかなかったが、この商会は急激に成長し、3年で3つの商会を吸収、鍛冶師、細工師等の工房400以上を有し、第1階層を含む30店舗、鍛冶師学校に研究所を有する帝都最大の武器商会となった。ルーベックさんも商会主として、成長しているが、吸収した商会の商人たちの力で着々と拡大を続けている。ちなみに、収益をほぼ全て投資に回している為、私は未だに赤字である。
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