攻略本片手に異世界へ 〜モブは、 神様の義祖母 〜

出汁の素

文字の大きさ
23 / 34
間章 旅のまにまに

第5話 ウサミミ王子

しおりを挟む
 モフモフ

 私は兎人族のセルビー。獣人国と言われるバミーダ連合王国の連合王都バミーダのバミーダ大学附属小学校の4年生だ。一応、獣人10大氏族の一つ兎人族の長、バルビーの長男だが、今、女の子に、耳をモフモフされている。

 モフモフモフモフ

 何故、私がモフられているかと言えばそれば、11ヶ月前に遡る。

-----------------------------------------------------------------------------------------------------

「あのぉ」

 私は突然声をかけられた。先週、1年の短期留学で帝国から来た美少女だ。見つめられてドキンとした。一瞬これが告白ってやつかとも思ったが、それは瞬時に打ち砕かれた。

「あのぉ、モフって良いですか?」

 は?モフる?意味はわからないが、明らかに危険な響きだ。

「いや、あの、モフるって?」

 と、曖昧にしてると、

「モフるって言うのはですね。」

 と、私の耳を優しく掴みモフモフと揉んできた。

「あっ、ああっ。」

 理性をなくす程気持ち良い揉み具合。私達兎人は、兎の耳と、尻尾以外は基本人と同じ見た目だ。だが、獣人でも2番目に足が早く、2番目にジャンプ力があるくらい、強靭なバネを持つ種族だが、モフモフにやられて、腰砕けになってる。このままだとヤバいので、

「や、やめてくらはぃ。」

 あっ、ヨダレが、

「痛かった?ごめんなさい。痛かった?」
「いえ、どちらかというと、気持ち良い感じで、」
「だったら」
「でも、ダメな気がするので。」

 彼女は、拗ねた感じで、

「はーい。」

 と居なくなっていった。

 翌日、

「きゃー。」

 学校の裏で、兎人族の女子の中学生が、狐人族の高校生の男子に引っ張られていくのが見えた。副番長のジルベール先輩が、女生徒に如何わしい事をするんだろう。ジルベール先輩は、10大氏族筆頭狐人族の長の次男、何かされても逆らえない。本当は、長の息子である私が助けるべきだが、腕っぷしでも勝てず、何も出来ないのが現実だ。

「どうしたの?」

 後ろから、ジェシカちゃんに声をかけられた。

「いや、」

「何あれ、」

 ジェシカちゃんが、角で見えなくなる直前の先輩達を見つけた。

「ヤバくない?」
「ヤバイけど、わたしには。」

 ジェシカちゃんは、試すような目で私をみた。

「行くわよ」
「えっ、」

 ジェシカちゃんは、私を引っ張って

「貴方は一族の長になるんでしょう?民を守れない長は死んだ方がいいわ、死んだ気になってついてきなさい。」
「えー。」

 私が裏に連れてかれると、そこには、4人の女生徒と、番長である虎人族の族長の息子、大学生の熊人族の族長の息子、中学生の狼人族の族長の息子とジルベール先輩がいた。

「あっ、セルビー君、君もパーティに参加しにきたのか?うへ。」

 ジルベール先輩の嫌な笑みだ。兎人族は、他の種族より弱く、虐げられてきた。獣神レイガー様が10大氏族にランクをつけて、狐人族を1位、兎人族を10位にした事も大きく影響し、兎人族は、不遇な生活を強いられている。私が、ジェシカちゃんの方を向くと、ジェシカちゃんは、ニコッと笑い、私に勇気をくれた。私は死を覚悟して、言ってやった。

「いや、うちの氏族に手を出すことは許さない。」

「そうか、カッコいいね、セルビー君。最近来た転校生ちゃん、気になってなんだよ。君の目の目の前で、その子もやってやるよ。ヒャヒャヒャヒャー。」

 と言って、ジルベール先輩は、私に殴りかかってきた。

 その時、ジェシカちゃんが、片手でそのパンチを受け止めた。

「ほう、先輩方は、私に喧嘩を売った、そう捉えてよろしいですか?」

「うっ、お前は私が無茶苦茶にしてあげるからな。うっ。」

「わかりました、ではご覚悟を。」

 ジェシカちゃんは、そう言った瞬間に、ジルベール先輩に足に蹴りを入れ、持っていた先輩の腕と、蹴られた足は曲がってはいけない方向に曲がり、ジルベール先輩は痛みで気絶したようだ。
 虎人族と、熊人族、狼人族の3人は一斉に襲いかかった。ジェシカちゃんは、一瞬で3人を倒した。私には早すぎて何が起きたか見えなかった。

「皆んな大丈夫?」

 ジェシカちゃんは、4人を放置して、囚われていた女生徒達を解放させた。

「セルビー君、女生徒4人は任せたわ。この4人はこっちで絞めとくから。」

 そう言って、ジェシカちゃんは、4人を引っ張っていった。私は女生徒達を保健室に連れて行き、我が家の保護下に置いた。

 あの4人は裸にされて、大学の校門に「私達は、女生徒を誘拐した犯罪者です。」と貼り紙をされた、十字架に張り付けにされていたらしい。翌日から、4人は学校に来ていなかった。

-----------------------------------------------------------------------------------------------------

 事件の1週間後、突然新たな事件が起こった。

「ジェシカといつものはいるか?」

 怒鳴り込んできたのは、熊人族の族長だ。数十人の子分を従えている。

「私ですが。」

 ジェシカちゃんがそう答えると、怒り狂った様に、

「息子に、いや熊人族に喧嘩を売ってくれたな、生きて居られると思うな。」
「いや、喧嘩を売られたのはそちらですよ。」

 と飄々とジェシカちゃんが返すと、怒り狂って

「そんなの、関係ない。ぶち殺してやる。」

 そう言って、そばにあった机を壊した。

「あらあら、国家としての宣戦布告と言う事で良いのですか?」
「は?」
「そちらにいる、虎人族、狐人族、狼人族の族長さん達も。」
「ん?」

そう言われて、3人が出てきて、

「どうでもいい、ぶち殺すだけだ。」

 虎人族の族長が叫ぶと、

「わかりました。貴国としての宣戦布告ですね。表でやりましょう。」

 そう言うと、ジェシカちゃんは、窓に向かって走り、飛び降りた。

「「「「な?」」」」

 4族長は、一瞬固まったが、

「追えー。」

 と叫び、100人以上の我が国最強クラスの戦士達が追って行った。

 私が恐る恐る窓の外を覗くと、そこには想像を絶する光景が広がっていた。

 一応、9才の少女が、はじから武器を持った戦士達を順番に倒して行く、武器を奪い、殺さない程度にボコボコにして行く。

「よわー。面倒くさい。」

 は?ジェシカちゃんの声が、残っている獣人達を怒らせ、戦闘を激化させていく。

「馬鹿じゃないの。組織戦をすればまだ戦えるのに、連携無しの攻撃じゃ勝てるわけないじゃん。」

 そう言うと、ジェシカちゃんは、より加速し、次々とのしていった。その中には、4人の族長が入っており、30分足らずで全員気絶させた。

 戦闘が終わった頃おっとり刀で連合騎士団が入ってきた。

「戦闘や?」
 
 目が点になっている。元々、族長達と申し合わせた上で、もみ消しに来たんだろう。今の現状を理解できない様だ。

「バミーダの騎士団ですか?団長は誰ですの?」

 ジェシカちゃんは、騎士団に笑顔を振りまいている。先程の光景をみているので、周りの生徒や先生達は、怯えている。

「ワシじゃ。お嬢ちゃん。」

 髭を囃した、老齢の虎人族の騎士が前に出た。

「このまま、戦争を続けますか?」
「戦争じゃと?」

 皆んな、耳を疑った。戦争?

「私は、リーゼンハルト帝国皇子の護衛騎士長ジェシカ中佐です。リーゼンハルト帝国皇子について、貴国に逗留してます。交流を兼ねて当小学校に短期留学していたんですが、先日4つの主要氏族の族長のお子さん達から、喧嘩を売られちゃいました。そして、今日は主要氏族の族長さん達から、宣戦布告されちゃったので、今は帝国とバミーダは戦争状態となります。とりあえずは、世界軍事協定にしたがって、帝国の捕虜さんになってもらってます。私は今、バミーダにいる部隊の中ではえらいので、エッヘン。48時間までなら休戦に応じることが出来ちゃいます。帝国本国の軍が来るまでなら、リーゼンハルト帝国皇子が停戦することが出来ますけど、本国の軍が来ちゃったら、帝国本国の了解が必要となるので、めんどくさいです。どうします?もしもですよ、誰か1人でも、剣を抜いたり、捕虜を助けようとしちゃうと、全面戦争になって、帝国本国に侵攻要請しないといけないんですけど。」

 ジェシカちゃんの澄んだ声が無駄に響き、学校全体が凍りついた。よく考えれば、リーゼンハルト帝国皇子殿下が来ると同時に来たから、当然リーゼンハルト帝国皇子殿下の関係者であることは推測出来る。それなのに、何も考えず、喧嘩を売ってしまった。元々歴史的には、帝国黎明期の皇帝が結んだ条約に従い、帝国は、バミーダに侵攻してないものの、帝国の差別主義者達は、バミーダを支配し、安い労働力として酷使したいはずだ。先人達が守ってきたものを、あの族長達は、自ら破りにいったのだ。仮に彼女を殺して、揉み消そうとしても、100人からの猛者達を無傷で殲滅した猛将。逃げられるのが落ちだろう。周りには悲嘆にくれて泣き出してる者すらいる。虎人族の老将ベリモンがどう答えかで、我が国の存亡が決まる。
 数分悩み、ベリモンは、馬から降りて、膝を折り、頭を下げた。

「ジェシカ中佐には、我が国の一部分子が誤解を招く振る舞いをし、申し訳ございません。彼の族長達は、氏族、貴国で言う所領としての戦争権限はあっても、バミーダ全体が含まれる戦争の開戦権限はございません。」
「なーんだ。バミーダでなく、4領が帝国に宣戦布告をしたと言うことね。じゃ、バミーダは全く関係ないと言うことかな?」
「戦争についてはそうですが、そもそも、当国にいらした外交使に国の関係者が危害を加えようとするなどあってはならないこと。小官に全く権限はございませんが、この場は陳謝させて頂き、後日国として正式に謝罪させて頂ければと存じます。」
「わかりました。では、バミーダの仲介で休戦とし、あの族長4人とえーと副族長2人以外は解放しますね。6人は大使館に連行してください。えっと。」

 そう言って、その場で便箋セットをどこからともなく取り出して、書き、

「リーゼンハルト帝国皇子に、これを渡して下さいね。授業の続きがあるので、また。」

 その後、授業は再開し、ジェシカちゃんは、普通だったが、その日は、静かに終わり、翌日から、3日間休校となった。

-----------------------------------------------------------------------------------------------------

 私は父の代理で緊急氏族族長会に出席した。


「それで、リーゼンハルト殿下の要求はどうだった?」
「えー、まず、連合に対しては、賠償金5億ゴールドです。ですが、賠償金のかわりに、帝国資本の商会設立の解放と、バミーダ大学でのジェシカ中佐のモフ権だそうです。」
「賠償金の代わりにそれでは安過ぎないか?」
「はい。リーゼンハルト殿下も本音は、事を荒立てたくない。ジェシカ中佐が納得すれば、連合に要求はする気はないらしいです。そこで、130年程前に帝国が要求し叶わなかった資本解放と、ジェシカ中佐が求めたモフ権で手を打とうと。帝国では、被害者が限定的な場合の損害要求の場合、被害者に8割程度渡すのが慣しとの事なので、帝国的には、これで良いらしいです。」
「で、モフ権って何なんだ?」
「さあ?」

 モフ権で議論になっている。私が説明しないと、いけないか?

「あの?」
「なんだ、兎の息子?」
「ジェシカ中佐は同級生でして、モフ権とは多分、」

 と言って、モフモフについて説明すると、皆んなが顔を顰めた。

「学生達には、涙を飲んで貰おう。」
「そうだな?」

「鬼~」
「マジか~」

 大人達は、目を背け、代理出席の学生達はクレームを言うも、採決された。本当の意図が資本解放と気づかずに。4氏族達との交渉は、帝国に圧倒され、以下の条件に決まった。
1.族長の身代金は、20億。副族長は5億。
2.族長家は、親族以外の家と交代させる。
3.今回の戦闘に関わった者の、公職永久追放。
4.今回の戦闘に関わった者の家族には一切非難を含めて、不利益な行為を氏族全員が行わない。
5.領内の帝国軍及び帝国皇貴族臣民の自由往来を認める。
6.領内の帝国資本(一部を含む)商会の自由貿易を認める。
7.領内の神殿建立自由化。
 この休戦条約は、ジェシカ条約と呼ばれ、将来4氏族の繁栄に繋がるきっかけとなったと言われる。

 因みに、私は今モフ権を行使されて、こうやってモフモフされている。週一位でモフられているが、他10氏族の次世代を担う者達もモフられているらしい。モフられながら、我が氏族や系列の氏族の話をしている。悩みや、不満等を言う度に、ジェシカちゃんのモフ商会(本当の商会名)が、解決していってくれる。情報を漏らし過ぎて、モフ商会が領内を席巻しているらしいが、他の氏族も似たりよったりで、地元の商会とも上手くやってくれているので、不満に思ってる人は少ないらしい。
 先日は、バミーダにモフ商会が神殿を建立した時、神の奇跡がおきて、レイガー神が降臨した。今まで獣神と呼ばれていたレイガー様は実は書籍の神で、獣人を治める神でなく、狐人系の神で、獣人に上下が無いことが説明された。今までの事は狐人族の嘘で、長年騙されていたが、神から許してやって欲しいと頼まれたと言う事件が起きた。神の降臨も世界的に数十年ぶりだし、狐人族の嘘も大事件だったが、最近大事件が多すぎて、皆んな麻痺して、しゃーないかとなっている。
 我が国は、この一年で大きく変わった。これも、ジェシカちゃんと、リーゼンハルト殿下のおかげだ、もうすぐ留学が終わるが、モフモフされている者達で結成した、我らモフ会は永遠にジェシカちゃんに忠誠を誓うだろう。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!

ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。 ※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。

前世では地味なOLだった私が、異世界転生したので今度こそ恋愛して結婚して見せます

ヤオサカ
恋愛
この物語は完結しました。 異世界の伯爵令嬢として生まれたフィオーレ・アメリア。美しい容姿と温かな家族に恵まれ、何不自由なく過ごしていた。しかし、十歳のある日——彼女は突然、前世の記憶を取り戻す。 「私……交通事故で亡くなったはず……。」 前世では地味な容姿と控えめな性格のため、人付き合いを苦手とし、恋愛を経験することなく人生を終えた。しかし、今世では違う。ここでは幸せな人生を歩むために、彼女は決意する。 幼い頃から勉学に励み、運動にも力を入れるフィオーレ。社交界デビューを目指し、誰からも称賛される女性へと成長していく。そして迎えた初めての舞踏会——。 煌めく広間の中、彼女は一人の男に視線を奪われる。 漆黒の短髪、深いネイビーの瞳。凛とした立ち姿と鋭い眼差し——騎士団長、レオナード・ヴェルシウス。 その瞬間、世界が静止したように思えた。 彼の瞳もまた、フィオーレを捉えて離さない。 まるで、お互いが何かに気付いたかのように——。 これは運命なのか、それとも偶然か。 孤独な前世とは違い、今度こそ本当の愛を掴むことができるのか。 騎士団長との恋、社交界での人間関係、そして自ら切り開く未来——フィオーレの物語が、今始まる。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

処理中です...