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間章 旅のまにまに
第7話 神聖なる巫女
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「巫女様巫女様~」
帝国からの使節団が来て9ヶ月。大過なく過ごし、帝国の新技術で、国が発展し始めていた。そんな中、国主催のパーティー会場で、テロは起こった。帝国使節団、我が神聖王国幹部、各国大使達が勢揃いした、年始のパーティーだ。会場である中央神殿は崩壊し、殆どの参加者が亡くなっただろう事は容易に想像出来る状態だった。手段は爆発性の魔法、しかも同時にこれだけ強力なものを用意できる組織は殆ど無い。国で言えば。帝国か魔法王国で知られるベルーフ王国程度。組織ではハクランドギルドと、反神殿組織ベイア。今回は、ベイアだろう。ベイアは、邪神信奉者の集団と聞く。そんなもの達が暗躍していることを把握できなかった我が国の不甲斐なさもあるが、帝国からも再三安全性についての確認が来ていたのに、非常に惜しまれる結果となった。
爆発から、約3分。我々が急行した時には、幾つかの部隊が救助を始めていた。そこを指揮していたのはリーゼンハルト殿下と、その護衛騎士隊長であるジェシカ准将。二人は、被害者でありながら、次々と、救助している。瓦礫を軽々とどかし、周りの救助している部隊に指示を出し、テキパキと誰が生きているか分かっているかのように救助していく。そこには貴賎の差はなく、生きている人を端からって感じだ。
「ジェシカ殿、巫女様をご覧になりませんでしたか?」
「巫女様か・・・・。」
ジェシカ殿は、考えた後、何故か鑑定板を眺め・・。
「救助された中には居なかったはず。確か、あの時・・・・。あのあたりか。」
そう言うと、急いでその場に行って、巨大な瓦礫を次々と退かしていき、神官長らしき服が出てきた。
「ベルボックス殿か・・・。」
「いや、彼は巫女様を守って・・・。」
そう言って丁寧に周りの瓦礫を退かし、ベルボックス神官長を動かすと、巫女様が倒れていた・・・。私達は駆け寄った。
「巫女様・・・。」
「まって・・・。」
ジェシカ殿は達をを制止した。何?と思ってている間に、何人かが巫女様を助けようとゆっくり持ち上げると、赤い液体がポタポタと落ちてきた。崩壊時に大きな岩が腹に刺さり、持ち上げたことでそれが抜け傷口が開き、出血を招いた。
「何やってるの。傷口を押さえて。」
ジェシカ殿の叫びに、部下達は傷口を抑えに入った。
「治癒魔法をかけるから、手伝って、治癒魔法の使い手は」
当然治癒魔法の使い手はいない。治癒魔法がまともに使えれば、この国では、司祭等の神官になっている。そう言って、ジェシカ殿は、連続して治癒魔法を掛け何とか傷口を塞いだ。
「何とかなったけど、血が圧倒的に足りなくなっているわね。王国で現状の最高位は?」
「巫女様、」
「じゃなくて、判断できる人で、」
「私になります。」
「じゃよく聞いて、このままだと、すぐに巫女様は亡くなるわ。でも、コストは莫大に掛かりますが、膨大な魔力を流し続ければ生きながらえさせることが出来る方法はあります。そこで時間を稼いでる間に、何とか解決手段は考えて、と言う判断なさいますか?それとも、莫大なコストをかけるのを判断出来ずにあきらめますか?」
私は、どれだけ重い判断を迫られているか想像も出来ないくらいの状況に追い込まれた。助かる保証は無い中で巫女様の命と、想像出来ないレベルのコスト。その判断を伝える相手が、世界圧倒的な最強軍事力を持つ帝国軍の将校。巫女様は、我が神聖王国の象徴にして、神より加護を頂き、神聖魔法のスペシャリストとして、この国を導き、30年前に神の降臨を得た、この国になくてはならない方。決意は決まった。
「どんなにコストが掛かっても、巫女様のお命を守らせて下さい。」
「殿下よろしいですか?」
ジェシカ殿が言うと、後ろにリーゼンハルト殿下がいらっしゃった。
「うーん。帝国としては、神聖神殿の最高位である巫女様が変わられると面倒だし、貸しを作っとくのも良いんじゃない。」
「はい。」
そう言って、巨大な魔石を3つ取り出した。
「この魔石1つで1週間は保ちます。2つは予備としてお渡しします。魔導具は、こちらになります。」
続いて帽子の様な魔導具を取り出した。
「ここの窪みにこうやって魔石を入れて、このゲージがこの線を切らない様に、魔力をを加え続けて下さい。魔力を込め続ける間は、巫女様の身体は、時間が止まった状況になります。」
「ありがとうございます。」
私は、深々と頭を下げた。
「良かったわ。回復を拒否されたら、私が攫っていたものの。で、どうやって回復させるかだ。」
そうやって、ジェシカ殿は悩み出していた。そう言えば、ジェシカ殿は、使節団としてきて以降、巫女様と、毎日のようにあってお茶をしていた。親子まで行かなくても、親戚くらいの親しさで接していた。年齢的には、孫と祖母くらいの歳。巫女様は、この国の地方領主の家に生まれ。生家はまだ健在であるはず。悩んでるジェシカ殿に聞いてみた。
「ジェシカ殿、ありがとうございます。ところで、拐うって、ジェシカ殿と、巫女様の関係って。」
「あぁ、母の叔母さんです。うちの母方の祖母が、神聖王国リバーゼン伯爵の7女で、帝国子爵の次男、今は帝国宮廷魔導師を引退して騎士爵で年金生活者に嫁いで、旅行三昧のはずです。母は、その5女で、父と恋愛結婚だったはずです。なんで、権力を利用できるだけの親戚では無いけど、一応親戚って感じ。って喋りながら整理したけど、助ける方法は2つ、エリクサーか賢者の石のどちらかが有れば何とかなります。」
「エリクサーと、賢者の石って、伝説上の物で、現実に精製なんて。」
「できるわよ。材料さえ有れば。」
「材料って、」
「この国に無いから、世界中を回ることになるわ。」
「ジェシカちゃん、頼めるか?」
「はい、殿下。でもお役目は?」
「あぁ、後、3ヶ月で軍役終了だから、何とかしておく。」
「ありがとうございます。」
「軍役より外交上は重要だからな。で、巫女様の妹君が帝国にいるなんて知らなかったぞ。」
「あぁ。私も神聖王国に行くと、決まるまで知りませんでした、帝国では、祖父母と、母兄弟の他には、ハーバードお兄ちゃんと私しか知りません。祖母は結婚の時に勘当されて、神聖王国の貴族籍を失って、平民籍しか持ってませんし。」
「言って大丈夫だったか?」
「多分、リーゼンハルト殿下はそれを知っても何もなさらないでしょうし。」
そんなやりとりがあり、ジェシカ殿は旅立って行った。私達は懸命に巫女様をお守りし、犯人を追った。神聖王国の主要幹部がほぼ死亡した中だったが、帝国出資の商会が、神聖王国復興に利益度返しでの協力をしてくれたことで、何とか国民の生活を守れたが、圧倒的に人が足りず、犯人を追い切れなかった。もう無理かと諦め掛けていた時、リーゼンハルト殿下のご指示で、帝国の傭兵部隊が2部隊ほど無償に近い条件で協力を得られ、何とか犯人達を捕まえた。犯人は、神聖王国の温故派と呼ばれる原理主義者達を中心とした組織だった。今回のテロ実施に、人物金の殆どを使い切り、一気に捕縛できた。実行犯は、正規のパーティー出席者であり、残っていたのは小者揃いだったのが印象的だった。反神殿組織ベイアの関与は、直接的には発見出来なかったが、資金や、魔法知識等は、温故派ではカバーし切れない部分があり、出所不明の魔法書や、資金が見つかっており、ベイアが裏で関与していた様だ。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------
そして、2年が経ち、皆んなが疲れ切った頃、ジェシカ殿は、帰ってきた。
「巫女様元気?」
「いや、まだあの状態ですよ。」
「そう。」
2年経って、ジェシカ殿は、大人びてきて、美少女度合いが数倍増していた。14歳の少女のあどけなさと、
「とっとと起こしに行きますか?」
ジェシカ殿は、そのまま神殿に向かい、巫女様の眠る部屋に向かった。
「皆さんご苦労様でした。もうすぐ起こすので、目の前で文句を言っときたい人は今のうちに。」
何を言い出すんだこの人は。とみんな目をギョッとさせた。
「良いのね。じゃあ回復させるわね。ます、魔導具を外してっと」
そう言って、ジェシカ殿は魔導具を外し、巫女様に、エリクサーを飲ませた。
処置が終わって20秒だっただろうか、
「うっ、痛ーい。」
と言って、巫女様が飛び起きた。
「起きたわね。」
「あっジェシカちゃん。あれ?」
巫女様は、キョロキョロしている。
「どうしたの?爆破は?」
「もう2年前です。」
「そうなの。詳しくはわからないけど、皆んなが頑張ってくれたのね。ありがとう。」
そう言って頭を下げた。
「巫女様の復活じゃ。」
「巫女様、」
「巫女様~」
「奇跡じゃ~」
そう言って騒ぎまくるのを見て、
「やめんか!」
と、怒られていた。
「でだ、2年間何があったか説明してくれんか?」
「はっ」
私は、事件のあらましを含め、2年間起きたことを説明した。
「ありがとう。ところで、犯人多分間違ってるけどどうする?」
「うーん。捕縛権くれます。」
「良いわよ。私絶対的権力者だから。」
そう言って、ジェシカ殿は今流行の携帯通信機を取り出し、話始めた。
「ビネガーズ将軍?ジェシカです。」
「そうそう、あの件だけど、えーとね。ルンシャ通りのバリウス神殿に今日集まってるかみたいだから、捕まえちゃって。捕縛権貰ったから。」
「あっそうそう。あっこっちにいるから、と構えとくね。よろしく。」
そう言うと、ジェシカ殿は物凄いスピードで移動して、部屋集まって来ていた幹部の内、大臣3人と、将軍2人を手刀で意識を奪った。皆、若手エリート集団賢者の石のメンバーだ。
「あの財務大臣が、2年前、国費を横領していて、それが当時の財務大臣にバレて、それを隠す為に、周りを焚きつけてって感じね。当時財務大臣からの泣きを聞かなきゃよかったわね」
「じゃあ、連れて行って。」
その後、神聖王国幹部は刷新され、この2年にわたる神聖王国史上最悪の事件は幕を閉じた。
帝国からの使節団が来て9ヶ月。大過なく過ごし、帝国の新技術で、国が発展し始めていた。そんな中、国主催のパーティー会場で、テロは起こった。帝国使節団、我が神聖王国幹部、各国大使達が勢揃いした、年始のパーティーだ。会場である中央神殿は崩壊し、殆どの参加者が亡くなっただろう事は容易に想像出来る状態だった。手段は爆発性の魔法、しかも同時にこれだけ強力なものを用意できる組織は殆ど無い。国で言えば。帝国か魔法王国で知られるベルーフ王国程度。組織ではハクランドギルドと、反神殿組織ベイア。今回は、ベイアだろう。ベイアは、邪神信奉者の集団と聞く。そんなもの達が暗躍していることを把握できなかった我が国の不甲斐なさもあるが、帝国からも再三安全性についての確認が来ていたのに、非常に惜しまれる結果となった。
爆発から、約3分。我々が急行した時には、幾つかの部隊が救助を始めていた。そこを指揮していたのはリーゼンハルト殿下と、その護衛騎士隊長であるジェシカ准将。二人は、被害者でありながら、次々と、救助している。瓦礫を軽々とどかし、周りの救助している部隊に指示を出し、テキパキと誰が生きているか分かっているかのように救助していく。そこには貴賎の差はなく、生きている人を端からって感じだ。
「ジェシカ殿、巫女様をご覧になりませんでしたか?」
「巫女様か・・・・。」
ジェシカ殿は、考えた後、何故か鑑定板を眺め・・。
「救助された中には居なかったはず。確か、あの時・・・・。あのあたりか。」
そう言うと、急いでその場に行って、巨大な瓦礫を次々と退かしていき、神官長らしき服が出てきた。
「ベルボックス殿か・・・。」
「いや、彼は巫女様を守って・・・。」
そう言って丁寧に周りの瓦礫を退かし、ベルボックス神官長を動かすと、巫女様が倒れていた・・・。私達は駆け寄った。
「巫女様・・・。」
「まって・・・。」
ジェシカ殿は達をを制止した。何?と思ってている間に、何人かが巫女様を助けようとゆっくり持ち上げると、赤い液体がポタポタと落ちてきた。崩壊時に大きな岩が腹に刺さり、持ち上げたことでそれが抜け傷口が開き、出血を招いた。
「何やってるの。傷口を押さえて。」
ジェシカ殿の叫びに、部下達は傷口を抑えに入った。
「治癒魔法をかけるから、手伝って、治癒魔法の使い手は」
当然治癒魔法の使い手はいない。治癒魔法がまともに使えれば、この国では、司祭等の神官になっている。そう言って、ジェシカ殿は、連続して治癒魔法を掛け何とか傷口を塞いだ。
「何とかなったけど、血が圧倒的に足りなくなっているわね。王国で現状の最高位は?」
「巫女様、」
「じゃなくて、判断できる人で、」
「私になります。」
「じゃよく聞いて、このままだと、すぐに巫女様は亡くなるわ。でも、コストは莫大に掛かりますが、膨大な魔力を流し続ければ生きながらえさせることが出来る方法はあります。そこで時間を稼いでる間に、何とか解決手段は考えて、と言う判断なさいますか?それとも、莫大なコストをかけるのを判断出来ずにあきらめますか?」
私は、どれだけ重い判断を迫られているか想像も出来ないくらいの状況に追い込まれた。助かる保証は無い中で巫女様の命と、想像出来ないレベルのコスト。その判断を伝える相手が、世界圧倒的な最強軍事力を持つ帝国軍の将校。巫女様は、我が神聖王国の象徴にして、神より加護を頂き、神聖魔法のスペシャリストとして、この国を導き、30年前に神の降臨を得た、この国になくてはならない方。決意は決まった。
「どんなにコストが掛かっても、巫女様のお命を守らせて下さい。」
「殿下よろしいですか?」
ジェシカ殿が言うと、後ろにリーゼンハルト殿下がいらっしゃった。
「うーん。帝国としては、神聖神殿の最高位である巫女様が変わられると面倒だし、貸しを作っとくのも良いんじゃない。」
「はい。」
そう言って、巨大な魔石を3つ取り出した。
「この魔石1つで1週間は保ちます。2つは予備としてお渡しします。魔導具は、こちらになります。」
続いて帽子の様な魔導具を取り出した。
「ここの窪みにこうやって魔石を入れて、このゲージがこの線を切らない様に、魔力をを加え続けて下さい。魔力を込め続ける間は、巫女様の身体は、時間が止まった状況になります。」
「ありがとうございます。」
私は、深々と頭を下げた。
「良かったわ。回復を拒否されたら、私が攫っていたものの。で、どうやって回復させるかだ。」
そうやって、ジェシカ殿は悩み出していた。そう言えば、ジェシカ殿は、使節団としてきて以降、巫女様と、毎日のようにあってお茶をしていた。親子まで行かなくても、親戚くらいの親しさで接していた。年齢的には、孫と祖母くらいの歳。巫女様は、この国の地方領主の家に生まれ。生家はまだ健在であるはず。悩んでるジェシカ殿に聞いてみた。
「ジェシカ殿、ありがとうございます。ところで、拐うって、ジェシカ殿と、巫女様の関係って。」
「あぁ、母の叔母さんです。うちの母方の祖母が、神聖王国リバーゼン伯爵の7女で、帝国子爵の次男、今は帝国宮廷魔導師を引退して騎士爵で年金生活者に嫁いで、旅行三昧のはずです。母は、その5女で、父と恋愛結婚だったはずです。なんで、権力を利用できるだけの親戚では無いけど、一応親戚って感じ。って喋りながら整理したけど、助ける方法は2つ、エリクサーか賢者の石のどちらかが有れば何とかなります。」
「エリクサーと、賢者の石って、伝説上の物で、現実に精製なんて。」
「できるわよ。材料さえ有れば。」
「材料って、」
「この国に無いから、世界中を回ることになるわ。」
「ジェシカちゃん、頼めるか?」
「はい、殿下。でもお役目は?」
「あぁ、後、3ヶ月で軍役終了だから、何とかしておく。」
「ありがとうございます。」
「軍役より外交上は重要だからな。で、巫女様の妹君が帝国にいるなんて知らなかったぞ。」
「あぁ。私も神聖王国に行くと、決まるまで知りませんでした、帝国では、祖父母と、母兄弟の他には、ハーバードお兄ちゃんと私しか知りません。祖母は結婚の時に勘当されて、神聖王国の貴族籍を失って、平民籍しか持ってませんし。」
「言って大丈夫だったか?」
「多分、リーゼンハルト殿下はそれを知っても何もなさらないでしょうし。」
そんなやりとりがあり、ジェシカ殿は旅立って行った。私達は懸命に巫女様をお守りし、犯人を追った。神聖王国の主要幹部がほぼ死亡した中だったが、帝国出資の商会が、神聖王国復興に利益度返しでの協力をしてくれたことで、何とか国民の生活を守れたが、圧倒的に人が足りず、犯人を追い切れなかった。もう無理かと諦め掛けていた時、リーゼンハルト殿下のご指示で、帝国の傭兵部隊が2部隊ほど無償に近い条件で協力を得られ、何とか犯人達を捕まえた。犯人は、神聖王国の温故派と呼ばれる原理主義者達を中心とした組織だった。今回のテロ実施に、人物金の殆どを使い切り、一気に捕縛できた。実行犯は、正規のパーティー出席者であり、残っていたのは小者揃いだったのが印象的だった。反神殿組織ベイアの関与は、直接的には発見出来なかったが、資金や、魔法知識等は、温故派ではカバーし切れない部分があり、出所不明の魔法書や、資金が見つかっており、ベイアが裏で関与していた様だ。
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そして、2年が経ち、皆んなが疲れ切った頃、ジェシカ殿は、帰ってきた。
「巫女様元気?」
「いや、まだあの状態ですよ。」
「そう。」
2年経って、ジェシカ殿は、大人びてきて、美少女度合いが数倍増していた。14歳の少女のあどけなさと、
「とっとと起こしに行きますか?」
ジェシカ殿は、そのまま神殿に向かい、巫女様の眠る部屋に向かった。
「皆さんご苦労様でした。もうすぐ起こすので、目の前で文句を言っときたい人は今のうちに。」
何を言い出すんだこの人は。とみんな目をギョッとさせた。
「良いのね。じゃあ回復させるわね。ます、魔導具を外してっと」
そう言って、ジェシカ殿は魔導具を外し、巫女様に、エリクサーを飲ませた。
処置が終わって20秒だっただろうか、
「うっ、痛ーい。」
と言って、巫女様が飛び起きた。
「起きたわね。」
「あっジェシカちゃん。あれ?」
巫女様は、キョロキョロしている。
「どうしたの?爆破は?」
「もう2年前です。」
「そうなの。詳しくはわからないけど、皆んなが頑張ってくれたのね。ありがとう。」
そう言って頭を下げた。
「巫女様の復活じゃ。」
「巫女様、」
「巫女様~」
「奇跡じゃ~」
そう言って騒ぎまくるのを見て、
「やめんか!」
と、怒られていた。
「でだ、2年間何があったか説明してくれんか?」
「はっ」
私は、事件のあらましを含め、2年間起きたことを説明した。
「ありがとう。ところで、犯人多分間違ってるけどどうする?」
「うーん。捕縛権くれます。」
「良いわよ。私絶対的権力者だから。」
そう言って、ジェシカ殿は今流行の携帯通信機を取り出し、話始めた。
「ビネガーズ将軍?ジェシカです。」
「そうそう、あの件だけど、えーとね。ルンシャ通りのバリウス神殿に今日集まってるかみたいだから、捕まえちゃって。捕縛権貰ったから。」
「あっそうそう。あっこっちにいるから、と構えとくね。よろしく。」
そう言うと、ジェシカ殿は物凄いスピードで移動して、部屋集まって来ていた幹部の内、大臣3人と、将軍2人を手刀で意識を奪った。皆、若手エリート集団賢者の石のメンバーだ。
「あの財務大臣が、2年前、国費を横領していて、それが当時の財務大臣にバレて、それを隠す為に、周りを焚きつけてって感じね。当時財務大臣からの泣きを聞かなきゃよかったわね」
「じゃあ、連れて行って。」
その後、神聖王国幹部は刷新され、この2年にわたる神聖王国史上最悪の事件は幕を閉じた。
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