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少女編
第4話 平穏な?日々
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「「「「「おはようございます。」」」」」
「はい、おはようございます。では、授業をはじめます。」
中央学院予科では、朝のホームルームは無く、そのまま授業が始まる。午前中は、必修授業で午後は選択授業だ。
翌日、朝一は神聖学の授業だった。これは神に関する授業で、新課程になって導入されたものだ。
正直、自分の作ったテキストを修正無く使った授業は、つまらないの一点だが、所謂中学生時代を冒険に明け暮れてきた私には、学校生活が実に楽しい。そう思っていると
「えっと、このマジョルカ神様について説明して貰おうかな。そう、神聖王国からの転校生のジェシカさん。神聖王国出身であれば、説明出来るでしょう。」
と、女の先生に指されてしまった。面倒くさいから、
「テキストは、明日頂く予定ですが。」
と答えたのだが、先生が嫌らしい顔をして
「まあ、神聖王国の常識として知る限り教えて。」
「はぁ。」
この先生、絶対嫌がらせだ。いるよねー。私みたいな美少女に嫌がらせする女教師。と思いつつ、仕返しモードで答えた。
「マジョルカ神は、大神カグラ様傘下の神様で、蛙人族の形をしています。船大工を司る神であり、泳ぎのスキル等も持っています。また、スキルとして、昆虫採取や、虫型モンスターに対し効果持つスキルでも有名です。帝都では、区画神殿では、1個所にも祀られておらず、大神殿にあるのみです。帝国内では、42箇所で祀られて・・・」
と、マジョルカ神について、とうとうと20分ほど語った。すると、女教師は、
「ジェシカさん、後どれくらい話せるの?」
「マジョルカ神様は、よく知らないので、後20分位です。」(ニコッ)
そう、マジョルカ神様は、2度ほどしか会ったことが無い。船を作る時に、参考に色々教えて貰ったけど、雑談好きで無く、寡黙な蛙なので、他の神様ほどでは無い。
「よく知らなくて?」
「はい。1番よく知ってるカグラ神様とかでは、1日話続けられますよ。」(ニコッ)
「へ。ジェシカさんは、神官のお勉強されたの?」
「いえ、親戚に神官はおりましたが。」(ニコッ)
「神聖王国って凄いわね。」
勝った!。あれ、女教師~。あなたもしかして、素直に聞いただけなの?え~。
そんな感じで、神学の授業は終わり、次は、魔導学の授業。属性魔法の理論を学ぶ授業だが、その前に、女教師に呼ばれた。
「ジェシカさん。」
「はい。」
と、先生や所に行くと、小声で
「さっきはごめんなさいね。」
「えっ」
「公爵閣下のご指示で、貴方の神に対する知識を確認したの。私をゆうに超えていたわ。」
「それ程でも。」
「私は、唯一予科で中央学院の講師なの、貴方の授業楽しみにしているわね。」
次の授業は、魔導学。ご高齢の先生だ。
「ジェシカさんじゃったか。わしゃは、君の実力を知らんで、君が知っている1番難易度の高い魔法詠唱をしてくれないか?」
また、面倒くさいオーダーだ。
「私、基本無詠唱なんですけど。」
「覚えているので良い。」
「はい。」
しょうがない。攻撃系は男の子に嫌われそうだから、
「フライドライドバルザンゼーフ、リンターラアドルマイドリベークドバーモス、ザリクモーリスセリマントソールジャッド。顕在せよファントム。」
すると、私がもう1人現れた。この魔法は、水の属性魔法で、自分の幻影を表すものだ。
「あっ、あのジェシカさん。」
「何でしょう、先生。」
「今の魔法は?」
「水属性のファントム。詠唱は、神聖言語バージョンです。もっと難易度が高くないとだめでしょうか?」
先生は、目が点になってる。やり過ぎたかな?
「あの、ジェシカさん。何処で教わりました?」
「いや~帝国中央図書館に載ってる本がありましたよ。題名忘れましたが。」
「すみません。ジェシカさん。テキストには、神聖言語の詠唱方法も、ファントムの詠唱も載ってないですから、難易度的によくわからないですが、私よりよくご存知なのは、よくわかります。授業にで無くても、単位は差し上げますがらどうされますか?」
クラスメイトがざわつき、先生は震えいてる。
「いやですわ。学校は、知識を得るためだけに来るものではないですよ。知識だけなら、家で勉強すれば良いだけの話、知識以外を含めて学にきてますから。」
こんなんで良いかな?
「要は、知識は要らず、遊びに来てるだけど言うこと?」
「いーやー。」
ヤバイ。ばれてる。
「わかりました。好きになさい。」
次の数学の授業から酷かった。先生方がスクラムを組んだように、学院最終学年レベルの問題を私にぶつけてくる様になった。しかし、そこはテキストの範囲である。自分で書いた内容であれば簡単に解けるし、それを逸脱しても、知った内容である。先生方とのバトルは、毎回の授業を楽しくしていった。途中から訳が分からなくなってきた。
「ジェシカさん。カグラ神様のお顔を描きなさい。」
「ジェシカさん。ウォーターの魔法で、フレアの魔法陣を描きなさい。」
「ジェシカさん。先週発表された、ミスJの論文の要旨を説明しなさい。」
「ジェシカさん。…」
「ジェシカさん。…」
と、半月程続いて、パッタリとこの戦いは終わった。後で聞いたら、学院長からのお説教があったらしい。流石にである。
その頃から、私の週3本の講義がスタートした。本科3年生の生徒、講師以上の先生、共同研究所の研究者だけである。いつも大講堂で満員で、立ち見も出てる盛況ぶりである。
「はーい。今から講義を始めます。私が担当教官のジェシカです。私は、予科の生徒もやってるので、生徒の時は、生徒として扱って下さい。でないと、次回以降講義を辞めますからね。」(ニコッ×10)
で、始めるもので、上期は、神聖言語序論、属性魔法陣の魔導具への応用序論、物性物理学序論の三つ、授業は、毎回論文を書いてきて、2時間解説していく形式。アイルお兄ちゃんを助手として使い、リーディング殿下、アレックス子爵、ベルベット嬢、クレス嬢には、授業後に、ポイント説明を30分補講としてやって貰っている。授業後にクジで選ぶので、1週間前に論文を渡して、簡単に説明しているが、毎回死ぬ気で勉強してくる。その為知識の定着率が高く、ゼミ生達の評判もうなぎ登りだ。
午後は基本的にゼミに時間を使っているので、選択授業は受けていない。ゼミで教えて、論文や、魔導具を開発し、気分転換に鍛治をしている。
「こんにちは~。」
「工房長お疲れ様です~。」
そう、私は帝国中央学院鍛治工房の工房長となった。理由は簡単。鍛治工房は、帝国中央総合研究所と学院との合同研究の為に建てたものであり、帝国中央総合研究所の鍛治部門はルーベック鍛治商会が仕切っていて、私はルーベック鍛治商会歴代売上高ナンバーワンマイスター。しかも、帝国中央総合研究所で旧共同研究所時代から上席研究員。ここまでうってつけの人間はいない。私は、毎日膨大に高まった魔力を使い尽くす為に、夕方工房でノルマ分の鍛治と、色々な資源の採掘を行なっている。資源採掘は工房の弟子達は知らないが、ノルマ分を毎日一月分こなしているので、怪しむ子はいない。
神像や、魔導具等も工房でいそいそ作っている。
「リーダンスさん。」
「はい、工房長。」
副工房長として、ルーベック鍛治商会から来ているドワーフのリーダンスさんに、
「ペンダントのデザイナーで、センスが良い人知ってる。」
「さっぱりです。バーバリア装飾商会あたりで相談してみたら良いんじゃないですかね。商会と取引ありますし。」
「バーバリア装飾商会か、確か、宝石商グレーグスもあの商会のブランドだったよね。」
そう、バーバリア装飾商会は、宝石商グレーグス、衣服商プリンセンスの2つの顔を持っている。
「ブランド?そのブランドってものはしりやへんが、宝石商グレーグスですよ。」
「そうか、今日お兄ちゃんが来るから、紹介状書いてもらおーっと。」
「そうですかい。ところで今日のは?」
「ここよ。」
と、作った武器の山を見て、リーダンスさんがギョッとした顔をした。
「規格通り完璧ですね。この時間で、この量、工房の子達は、ノルマに追われなくて済んでありがたいですが、素材は何処から?って聞かない方が良さそうですね。後、このペンダントは?」
「あっ、これ?プレゼントとして作った試作品。私、センス微妙だから、こんな感じになっちゃうの。まだ、魔導具にはしてないわよ。何をつけて欲しい?」
「素材は良いし、十分売れるものですけど、付与は、暖房でお願いします。女学生によく売れますから。」
「了解。」
そう、私のデザインでも、普通に売れる。ただ、贈る相手が王と王妃になる人達なので、最高のデザインのものを送りたい。お兄ちゃんに商会状を貰って、機会を見て行くことにした。
「工房長、チェックお願いします。」
「はーい。」
私は、一応工房長なので、職人達の指導を行う。私は毎日出来上がったものをチェックし、指導するスタイルを取る。
「まず、リーダンス副工房長、昨日より、仕上が甘いよ。多分集中力が切れてるから、明日休んで奥さんとゆっくり過ごしなさい。実に羨ましい。」
「はい。」
「次、ブブザーさん。癖付いた仕上の歪みが治ってきてます。うーんと、毎日の左手腕立てをもう少し増やして下さい。」
「はい。畏まりました。」
「自称天才セリムントさん。全然ダメ、鋼と鉄の打ち分けができてない。鉄は上手いんだから、鋼は、もう少し丁寧に力を入れて打つこと。鋼棒で練習して、誤差が出なくなったら次持ってきて。」
「はい。」
「ロードハレィさん。日に日に上手くなってるよ。次から打つ本数を倍に増やして。」
「えー。辛いです。」
「そこガンバレ。」
「ボットン。うーんと、ダメ。冷却が早すぎて、中にヒビが入ってる。やり直し。」
「ビビって。」
ボキッ
私は折って見せた。
「はい、持ってって。」
「セリーヌ。これ蛙?」
「いえ、バリーム神です。」
「えっ、バリーム神って、」
私はさくっと鉄の塊を取り出し、さささっとバリーム神の神像を、作って見せた。
「バリーム神はこんな感じね。あげるわ。」
「ありがとうございます。」
こうやって、平日毎日順番に指導していき、徹底的に鍛えていった。各工房から努力してるが伸び悩んでいる子が送られてきて、約3カ月で昇格して戻っていく、別名リブート工房と呼ばれるようになった。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------
今日もいつもの様に、朝から眠たい授業を受けながら、次の魔導具を考えていると、
キーンゴーンガーンコーン
授業終了のチャイムが鳴った。
「では、今日の午前中の授業はここまでです。」
「「「「「ありがとうございました。」」」」」
授業終了直後、バルバロッサ様が近づいて来た。
「ジェ、ジェシカさん。」
「なんですの?」(ニコッ)
営業スマイル、営業スマイル。バルバロッサ様って、確かゲームでは、婚約者のバネットさんの尻に敷かれまくりの、主体性無し男で、一応皇弟リッチモンド殿下の一人息子で、甘やかされて育ってきたはず。頭はそこまで良くなかった印象だったけど、アーサー殿下より良いクラスだし、本当は、頭良いのかな?まぁ、帝室のイケメン軍団の1人なので、お顔は申し分ない。
「あっ、あの、知り合いの宝石商グレーグスの商会主代理ロミオさんと話をした時に、」
「ロミオさん、商会主代理になられたのね。」
オドオドして、私怖いのかしら。それにしてもロミオさん商会主代理になられたのね。
「で、1度、グレーグスに、」
「一度お会いしたいわね。ご相談したいこともありますし。」
ロミオさんなら、話は早いし、お会いしに行かなければ。
「では、僕が予定を、いつが空いてますか?」
「放課後ならいつでも空いてるわよ。」
「そうですか、では今日の放課後にお迎えに行きます。」
バルバロッサ様って、ロミオさんに頼まれて、私を連れて行って頂けるなんて、良い方ね。
「ところで、…」
バルバロッサ様行ってしまった。何処で待ち合わせだ?玄関に居れば良いかな?
「あっアーサー殿下。」
「ジェシカさん。今日もランチ行きますか?」
「いつもの場所で、」
私達は、研究室に行き皆んなでランチを囲んだ。
「ジェシカ、それってデートじゃないか?」
「お兄ちゃん、デートって、バルバロッサ様よ、な無い無い。」
私の中では無しなので、即答した。
「ジェシカさん。バルバロッサが、ジェシカさんに恋してたらどうしますか?」
「えっ?バルバロッサ様よく知らないし、婚約者のいやっしゃるのでは?」
アーサー殿下が聞いてきたけど、バルバロッサ様ってよく知らないし、バネットさんの尻敷かれだろうから、面倒くさいことこの上ない。
「婚約者候補はいるけど、決まってない筈だよ。」
「まぁ、婚約者候補の方々に恨まれるのやなので、パス。今回は、ロミオさんに頼み事をしにいくただけだし。」
どう考えても、恨まれまくるから。
「ロミオって、」
「宝石商グレーグスの商会主の息子さん。今商会主代理らしいよ。」
クレス様と、ベルベット様の目がキラキラしてる。
「ジェシカさんってなんでロミオさんと?」
「いや、昔うちも出ている市場と、同じ市場にグレーグスがあって、そこで何度か取引をしたんですよ。後、ルーベック鍛治商会とグレーグスを繋いであげた事くらいかな?」
「ジェシカさん、小さい頃から色々やってたんだね。」
「まぁね。えっへん。」
クレス様が、私の前にさーっと出てきて、いやらしそうな顔で、言ってきた。
「でさあ、ジェシカ先生。」
「何何?」
「先生が作ったペンダント下さい。」
「えっ。」
ペンダントくれって、あげても良いけど、
「私、あれだから、宝飾品殆ど持ってないの。」
「そうなの?お姉ちゃんになれば、いくら」
「ジェシカ、おい。」
お姉ちゃんになったら、いくらでもあげるのに。お兄ちゃんを弄ると怖いんだよね。しょうがない。
「ごめんなさい。お兄ちゃん。じゃ、週末ピクニックに行かない?そこで取れた物で、アクセサリー作ってあげるから。」
「へ?ピクニック?」
そう、ピクニック~うふふふふ。
「ジェシカさん。もしかして、」
「そうよ。あそこよ。」
ベルベット様はすぐ分かった様だ。
「ベルベット、彼氏と一緒に参加しま~す。アレックス、ドンドンとってね。」
「えっ、おっおう。任せとけ。」
アレックス様も分かった様だ。
「公務がなければ、僕も参加するよ。」
と、アーサー殿下が言うと、
「アーサーが参加するなら、僕も、」
リーディング殿下も言った。リーディング殿下は、武闘派では無いので、危険な気がする。
「リーディング殿下、大丈夫ですか。」
「よくわからんが、大丈夫だ。」
本当に、大丈夫か?とりあえず、武具は用意するか。
「じゃあ、私もアイル先生と参加します。」
「えっ、僕も?」
「では皆んな参加ね。道具は私が用意するから、金曜日の放課後研究室に集合して、日曜日の午後に帰って来るなら、親御さんに連絡が有ればしておいて下さい。」
「「「「はーい。」」」」
お兄ちゃん以外がいい返事をした。
「アイルお兄ちゃんは、」
「荷物持ちだろ。」
「正解。では、ちょっと採寸するね。」
そう言って、アーサー殿下の後ろに回って抱きついた。
「えっ、」
アーサー殿下は顔を真っ赤にして、固まった。私の成長中の胸が背中に当たり、その感触で硬直したのだ。
「えっ、あー、ジェシカさん?」
「何何?」
そう言って、より強く抱きつくと、顔がより赤くなる。からかうのが、楽しくなって、顔を寄せてみた。
「あーわー。」
「ジェシカ、アーサー殿下をおちょくるのは辞めなさい。」
「はーい。お兄ちゃん。」
そう言って、腕を解いた。アーサー殿下は、固まったママなので、後の人達は、体をポンポン叩いて終わらせた。
「ところで、ジェシカ先生。何処にいくんですか?」
「クレスさん。それはもちろん迷宮よ。」(ウフッ)
続いてクレスさんが固まったので、
「あっ、そろそろ午後の授業よ~。」
と言って、授業に行かせた。私は、今日は講義が無く、来月分まで論文を書き上げてるので、工房でみんなの武具を用意する事にしてから、学院の校門に向かう事にした。
「はい、おはようございます。では、授業をはじめます。」
中央学院予科では、朝のホームルームは無く、そのまま授業が始まる。午前中は、必修授業で午後は選択授業だ。
翌日、朝一は神聖学の授業だった。これは神に関する授業で、新課程になって導入されたものだ。
正直、自分の作ったテキストを修正無く使った授業は、つまらないの一点だが、所謂中学生時代を冒険に明け暮れてきた私には、学校生活が実に楽しい。そう思っていると
「えっと、このマジョルカ神様について説明して貰おうかな。そう、神聖王国からの転校生のジェシカさん。神聖王国出身であれば、説明出来るでしょう。」
と、女の先生に指されてしまった。面倒くさいから、
「テキストは、明日頂く予定ですが。」
と答えたのだが、先生が嫌らしい顔をして
「まあ、神聖王国の常識として知る限り教えて。」
「はぁ。」
この先生、絶対嫌がらせだ。いるよねー。私みたいな美少女に嫌がらせする女教師。と思いつつ、仕返しモードで答えた。
「マジョルカ神は、大神カグラ様傘下の神様で、蛙人族の形をしています。船大工を司る神であり、泳ぎのスキル等も持っています。また、スキルとして、昆虫採取や、虫型モンスターに対し効果持つスキルでも有名です。帝都では、区画神殿では、1個所にも祀られておらず、大神殿にあるのみです。帝国内では、42箇所で祀られて・・・」
と、マジョルカ神について、とうとうと20分ほど語った。すると、女教師は、
「ジェシカさん、後どれくらい話せるの?」
「マジョルカ神様は、よく知らないので、後20分位です。」(ニコッ)
そう、マジョルカ神様は、2度ほどしか会ったことが無い。船を作る時に、参考に色々教えて貰ったけど、雑談好きで無く、寡黙な蛙なので、他の神様ほどでは無い。
「よく知らなくて?」
「はい。1番よく知ってるカグラ神様とかでは、1日話続けられますよ。」(ニコッ)
「へ。ジェシカさんは、神官のお勉強されたの?」
「いえ、親戚に神官はおりましたが。」(ニコッ)
「神聖王国って凄いわね。」
勝った!。あれ、女教師~。あなたもしかして、素直に聞いただけなの?え~。
そんな感じで、神学の授業は終わり、次は、魔導学の授業。属性魔法の理論を学ぶ授業だが、その前に、女教師に呼ばれた。
「ジェシカさん。」
「はい。」
と、先生や所に行くと、小声で
「さっきはごめんなさいね。」
「えっ」
「公爵閣下のご指示で、貴方の神に対する知識を確認したの。私をゆうに超えていたわ。」
「それ程でも。」
「私は、唯一予科で中央学院の講師なの、貴方の授業楽しみにしているわね。」
次の授業は、魔導学。ご高齢の先生だ。
「ジェシカさんじゃったか。わしゃは、君の実力を知らんで、君が知っている1番難易度の高い魔法詠唱をしてくれないか?」
また、面倒くさいオーダーだ。
「私、基本無詠唱なんですけど。」
「覚えているので良い。」
「はい。」
しょうがない。攻撃系は男の子に嫌われそうだから、
「フライドライドバルザンゼーフ、リンターラアドルマイドリベークドバーモス、ザリクモーリスセリマントソールジャッド。顕在せよファントム。」
すると、私がもう1人現れた。この魔法は、水の属性魔法で、自分の幻影を表すものだ。
「あっ、あのジェシカさん。」
「何でしょう、先生。」
「今の魔法は?」
「水属性のファントム。詠唱は、神聖言語バージョンです。もっと難易度が高くないとだめでしょうか?」
先生は、目が点になってる。やり過ぎたかな?
「あの、ジェシカさん。何処で教わりました?」
「いや~帝国中央図書館に載ってる本がありましたよ。題名忘れましたが。」
「すみません。ジェシカさん。テキストには、神聖言語の詠唱方法も、ファントムの詠唱も載ってないですから、難易度的によくわからないですが、私よりよくご存知なのは、よくわかります。授業にで無くても、単位は差し上げますがらどうされますか?」
クラスメイトがざわつき、先生は震えいてる。
「いやですわ。学校は、知識を得るためだけに来るものではないですよ。知識だけなら、家で勉強すれば良いだけの話、知識以外を含めて学にきてますから。」
こんなんで良いかな?
「要は、知識は要らず、遊びに来てるだけど言うこと?」
「いーやー。」
ヤバイ。ばれてる。
「わかりました。好きになさい。」
次の数学の授業から酷かった。先生方がスクラムを組んだように、学院最終学年レベルの問題を私にぶつけてくる様になった。しかし、そこはテキストの範囲である。自分で書いた内容であれば簡単に解けるし、それを逸脱しても、知った内容である。先生方とのバトルは、毎回の授業を楽しくしていった。途中から訳が分からなくなってきた。
「ジェシカさん。カグラ神様のお顔を描きなさい。」
「ジェシカさん。ウォーターの魔法で、フレアの魔法陣を描きなさい。」
「ジェシカさん。先週発表された、ミスJの論文の要旨を説明しなさい。」
「ジェシカさん。…」
「ジェシカさん。…」
と、半月程続いて、パッタリとこの戦いは終わった。後で聞いたら、学院長からのお説教があったらしい。流石にである。
その頃から、私の週3本の講義がスタートした。本科3年生の生徒、講師以上の先生、共同研究所の研究者だけである。いつも大講堂で満員で、立ち見も出てる盛況ぶりである。
「はーい。今から講義を始めます。私が担当教官のジェシカです。私は、予科の生徒もやってるので、生徒の時は、生徒として扱って下さい。でないと、次回以降講義を辞めますからね。」(ニコッ×10)
で、始めるもので、上期は、神聖言語序論、属性魔法陣の魔導具への応用序論、物性物理学序論の三つ、授業は、毎回論文を書いてきて、2時間解説していく形式。アイルお兄ちゃんを助手として使い、リーディング殿下、アレックス子爵、ベルベット嬢、クレス嬢には、授業後に、ポイント説明を30分補講としてやって貰っている。授業後にクジで選ぶので、1週間前に論文を渡して、簡単に説明しているが、毎回死ぬ気で勉強してくる。その為知識の定着率が高く、ゼミ生達の評判もうなぎ登りだ。
午後は基本的にゼミに時間を使っているので、選択授業は受けていない。ゼミで教えて、論文や、魔導具を開発し、気分転換に鍛治をしている。
「こんにちは~。」
「工房長お疲れ様です~。」
そう、私は帝国中央学院鍛治工房の工房長となった。理由は簡単。鍛治工房は、帝国中央総合研究所と学院との合同研究の為に建てたものであり、帝国中央総合研究所の鍛治部門はルーベック鍛治商会が仕切っていて、私はルーベック鍛治商会歴代売上高ナンバーワンマイスター。しかも、帝国中央総合研究所で旧共同研究所時代から上席研究員。ここまでうってつけの人間はいない。私は、毎日膨大に高まった魔力を使い尽くす為に、夕方工房でノルマ分の鍛治と、色々な資源の採掘を行なっている。資源採掘は工房の弟子達は知らないが、ノルマ分を毎日一月分こなしているので、怪しむ子はいない。
神像や、魔導具等も工房でいそいそ作っている。
「リーダンスさん。」
「はい、工房長。」
副工房長として、ルーベック鍛治商会から来ているドワーフのリーダンスさんに、
「ペンダントのデザイナーで、センスが良い人知ってる。」
「さっぱりです。バーバリア装飾商会あたりで相談してみたら良いんじゃないですかね。商会と取引ありますし。」
「バーバリア装飾商会か、確か、宝石商グレーグスもあの商会のブランドだったよね。」
そう、バーバリア装飾商会は、宝石商グレーグス、衣服商プリンセンスの2つの顔を持っている。
「ブランド?そのブランドってものはしりやへんが、宝石商グレーグスですよ。」
「そうか、今日お兄ちゃんが来るから、紹介状書いてもらおーっと。」
「そうですかい。ところで今日のは?」
「ここよ。」
と、作った武器の山を見て、リーダンスさんがギョッとした顔をした。
「規格通り完璧ですね。この時間で、この量、工房の子達は、ノルマに追われなくて済んでありがたいですが、素材は何処から?って聞かない方が良さそうですね。後、このペンダントは?」
「あっ、これ?プレゼントとして作った試作品。私、センス微妙だから、こんな感じになっちゃうの。まだ、魔導具にはしてないわよ。何をつけて欲しい?」
「素材は良いし、十分売れるものですけど、付与は、暖房でお願いします。女学生によく売れますから。」
「了解。」
そう、私のデザインでも、普通に売れる。ただ、贈る相手が王と王妃になる人達なので、最高のデザインのものを送りたい。お兄ちゃんに商会状を貰って、機会を見て行くことにした。
「工房長、チェックお願いします。」
「はーい。」
私は、一応工房長なので、職人達の指導を行う。私は毎日出来上がったものをチェックし、指導するスタイルを取る。
「まず、リーダンス副工房長、昨日より、仕上が甘いよ。多分集中力が切れてるから、明日休んで奥さんとゆっくり過ごしなさい。実に羨ましい。」
「はい。」
「次、ブブザーさん。癖付いた仕上の歪みが治ってきてます。うーんと、毎日の左手腕立てをもう少し増やして下さい。」
「はい。畏まりました。」
「自称天才セリムントさん。全然ダメ、鋼と鉄の打ち分けができてない。鉄は上手いんだから、鋼は、もう少し丁寧に力を入れて打つこと。鋼棒で練習して、誤差が出なくなったら次持ってきて。」
「はい。」
「ロードハレィさん。日に日に上手くなってるよ。次から打つ本数を倍に増やして。」
「えー。辛いです。」
「そこガンバレ。」
「ボットン。うーんと、ダメ。冷却が早すぎて、中にヒビが入ってる。やり直し。」
「ビビって。」
ボキッ
私は折って見せた。
「はい、持ってって。」
「セリーヌ。これ蛙?」
「いえ、バリーム神です。」
「えっ、バリーム神って、」
私はさくっと鉄の塊を取り出し、さささっとバリーム神の神像を、作って見せた。
「バリーム神はこんな感じね。あげるわ。」
「ありがとうございます。」
こうやって、平日毎日順番に指導していき、徹底的に鍛えていった。各工房から努力してるが伸び悩んでいる子が送られてきて、約3カ月で昇格して戻っていく、別名リブート工房と呼ばれるようになった。
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今日もいつもの様に、朝から眠たい授業を受けながら、次の魔導具を考えていると、
キーンゴーンガーンコーン
授業終了のチャイムが鳴った。
「では、今日の午前中の授業はここまでです。」
「「「「「ありがとうございました。」」」」」
授業終了直後、バルバロッサ様が近づいて来た。
「ジェ、ジェシカさん。」
「なんですの?」(ニコッ)
営業スマイル、営業スマイル。バルバロッサ様って、確かゲームでは、婚約者のバネットさんの尻に敷かれまくりの、主体性無し男で、一応皇弟リッチモンド殿下の一人息子で、甘やかされて育ってきたはず。頭はそこまで良くなかった印象だったけど、アーサー殿下より良いクラスだし、本当は、頭良いのかな?まぁ、帝室のイケメン軍団の1人なので、お顔は申し分ない。
「あっ、あの、知り合いの宝石商グレーグスの商会主代理ロミオさんと話をした時に、」
「ロミオさん、商会主代理になられたのね。」
オドオドして、私怖いのかしら。それにしてもロミオさん商会主代理になられたのね。
「で、1度、グレーグスに、」
「一度お会いしたいわね。ご相談したいこともありますし。」
ロミオさんなら、話は早いし、お会いしに行かなければ。
「では、僕が予定を、いつが空いてますか?」
「放課後ならいつでも空いてるわよ。」
「そうですか、では今日の放課後にお迎えに行きます。」
バルバロッサ様って、ロミオさんに頼まれて、私を連れて行って頂けるなんて、良い方ね。
「ところで、…」
バルバロッサ様行ってしまった。何処で待ち合わせだ?玄関に居れば良いかな?
「あっアーサー殿下。」
「ジェシカさん。今日もランチ行きますか?」
「いつもの場所で、」
私達は、研究室に行き皆んなでランチを囲んだ。
「ジェシカ、それってデートじゃないか?」
「お兄ちゃん、デートって、バルバロッサ様よ、な無い無い。」
私の中では無しなので、即答した。
「ジェシカさん。バルバロッサが、ジェシカさんに恋してたらどうしますか?」
「えっ?バルバロッサ様よく知らないし、婚約者のいやっしゃるのでは?」
アーサー殿下が聞いてきたけど、バルバロッサ様ってよく知らないし、バネットさんの尻敷かれだろうから、面倒くさいことこの上ない。
「婚約者候補はいるけど、決まってない筈だよ。」
「まぁ、婚約者候補の方々に恨まれるのやなので、パス。今回は、ロミオさんに頼み事をしにいくただけだし。」
どう考えても、恨まれまくるから。
「ロミオって、」
「宝石商グレーグスの商会主の息子さん。今商会主代理らしいよ。」
クレス様と、ベルベット様の目がキラキラしてる。
「ジェシカさんってなんでロミオさんと?」
「いや、昔うちも出ている市場と、同じ市場にグレーグスがあって、そこで何度か取引をしたんですよ。後、ルーベック鍛治商会とグレーグスを繋いであげた事くらいかな?」
「ジェシカさん、小さい頃から色々やってたんだね。」
「まぁね。えっへん。」
クレス様が、私の前にさーっと出てきて、いやらしそうな顔で、言ってきた。
「でさあ、ジェシカ先生。」
「何何?」
「先生が作ったペンダント下さい。」
「えっ。」
ペンダントくれって、あげても良いけど、
「私、あれだから、宝飾品殆ど持ってないの。」
「そうなの?お姉ちゃんになれば、いくら」
「ジェシカ、おい。」
お姉ちゃんになったら、いくらでもあげるのに。お兄ちゃんを弄ると怖いんだよね。しょうがない。
「ごめんなさい。お兄ちゃん。じゃ、週末ピクニックに行かない?そこで取れた物で、アクセサリー作ってあげるから。」
「へ?ピクニック?」
そう、ピクニック~うふふふふ。
「ジェシカさん。もしかして、」
「そうよ。あそこよ。」
ベルベット様はすぐ分かった様だ。
「ベルベット、彼氏と一緒に参加しま~す。アレックス、ドンドンとってね。」
「えっ、おっおう。任せとけ。」
アレックス様も分かった様だ。
「公務がなければ、僕も参加するよ。」
と、アーサー殿下が言うと、
「アーサーが参加するなら、僕も、」
リーディング殿下も言った。リーディング殿下は、武闘派では無いので、危険な気がする。
「リーディング殿下、大丈夫ですか。」
「よくわからんが、大丈夫だ。」
本当に、大丈夫か?とりあえず、武具は用意するか。
「じゃあ、私もアイル先生と参加します。」
「えっ、僕も?」
「では皆んな参加ね。道具は私が用意するから、金曜日の放課後研究室に集合して、日曜日の午後に帰って来るなら、親御さんに連絡が有ればしておいて下さい。」
「「「「はーい。」」」」
お兄ちゃん以外がいい返事をした。
「アイルお兄ちゃんは、」
「荷物持ちだろ。」
「正解。では、ちょっと採寸するね。」
そう言って、アーサー殿下の後ろに回って抱きついた。
「えっ、」
アーサー殿下は顔を真っ赤にして、固まった。私の成長中の胸が背中に当たり、その感触で硬直したのだ。
「えっ、あー、ジェシカさん?」
「何何?」
そう言って、より強く抱きつくと、顔がより赤くなる。からかうのが、楽しくなって、顔を寄せてみた。
「あーわー。」
「ジェシカ、アーサー殿下をおちょくるのは辞めなさい。」
「はーい。お兄ちゃん。」
そう言って、腕を解いた。アーサー殿下は、固まったママなので、後の人達は、体をポンポン叩いて終わらせた。
「ところで、ジェシカ先生。何処にいくんですか?」
「クレスさん。それはもちろん迷宮よ。」(ウフッ)
続いてクレスさんが固まったので、
「あっ、そろそろ午後の授業よ~。」
と言って、授業に行かせた。私は、今日は講義が無く、来月分まで論文を書き上げてるので、工房でみんなの武具を用意する事にしてから、学院の校門に向かう事にした。
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