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エドヴァルドの眠る場所 1

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 カティは火山を訪れ絶望した。
 見渡す限りの広大な範囲が火山灰、土砂でうまり果てしなく黒々とした景色が広がっていた。
 レオもエンヤでさえも元の地形がわからず、どのあたりにエドヴァルドが埋まっているのか見当もつかなかった。
「とう様・・・とう様・・・どこにいるの?会いたいの・・・会いたい・・・とう様・・・」
 聞くものの胸が痛む悲壮な声にレオもミンミも涙した。

 地響きがしたと思うと、周囲の地面が震えはじめてパラパラと音を立てながら土が浮きはじめた。
 カティが慎重に、しかし大量の土を魔法で移動し始めたのだ。エンヤも、その他魔力のある者も、バートランドの国民でさえみんな手を貸してくれた。
 それは第一王子がこの国を落ち着かせるために滞在する一カ月もの間続いた。

 それでもエドヴァルドを発見することは出来なかった。

 帰らないというカティをエンヤとレオで諭し、無理やり連れて帰った。
 エドヴァルドが戻ってくるまで公爵邸の主人はカティになる、カティが成人するまで王家が後ろ盾となることに決まった。
 カティもさすがに馬車で一週間かかる遠い場所への転移は片道が限度。こっそり行って、捜索しまた戻ってくることは出来ず、周囲の助言に従うしかなかった。

 宰相には、宰相補佐のマティアスが任命された。執務室の主もマティアスに代わり王宮にエドヴァルドの居場所はなくなった。
 ローベンス国に氷の宰相ありと言われていたエドヴァルドの不在は次第にまわりに受け入れられていった。

 エドヴァルドが国を守るために殉職したことで、国葬をという声が多く出た。しかしカティは断った。認めることが出来なかった。エドヴァルドをこの国に連れて帰ってくることが出来たら、区切りをつける、それまでは葬儀をしたくないと国王に駄々をこねた。
 泣きつかれて国王の腕の中で眠ってしまったカティを抱いて、国王もうなだれてしまう。
「陛下、それでもカティ様がこうして泣けるようになったのです。エドヴァルド様が湖に沈んだと聞いたあの時以来、カティ様は泣けなかったのです。あの国で辛い目に合いましたが、仇を打って泣けるように・・・前に進んでいけると思います。どうか・・・カティ様をよろしくお願いいたします。」
 レオは涙を浮かべながら国王に礼をとった。
「・・・しかと承った。」

 公爵家を維持するための人材は、国王が派遣してくれた。
 しかし、カティはエドヴァルドの執務室に他の誰かが座っているのが耐えられなかった。
「じいじのとこ行ってくる。」
「かしこまりました。」
 レオとミンミは転移が出来るカティをある程度自由にしてくれる。
 厩舎にいた元ハハト子爵はカティを見つけるとぎゅっと抱き上げて抱きしめてくれる。
「カティ、待ってたよ。」
「うん。」
 エドヴァルドの件以降、祖父には孫として接してほしいとお願いをした。
 元子爵も、他に誰もいない時だけならと承知してくれた。
「今日は王宮に行かないのかい?」
「うん。じいじといる。おしごとじゃま?」
「大丈夫だよ。」
 王宮に行けば国王夫妻も王子も、他の皆も優しくしてくれる。でもどこか腫れ物に触るようで、エドヴァルドの居場所はどこにもなくて・・・。
 ただの子供として可愛がってくれる祖父にあやされ、何も考えずに甘える。一緒におやつを食べて、馬を見て、空を見て過ごす。日暮れまでに元子爵が屋敷に送ってくれる。

 そのようにまわりの皆に守られてカティは成長していった。




*ついにカティ成長します!
 成長したカティもよろしくお願いします(*´▽`*)
(悩んだのですが・・・でも最初に考えていた最終話に向かって進みたいと思います(*- -)(*_ _)ペコリ)

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