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瓢箪から駒
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屋敷に帰るとエドヴァルドは大切な話があるとカティを向かいに座らせた。
いつもなら黙っていても膝にのせてくれるのに。
「レオ、頼む。」
レオがカティの前に4枚の書類を並べる。心なしかレオの顔がこわばっている。
「この書類に署名をしてくれるか?」
エドヴァルドがそう言い、カティは何の書類か確認もせずさらさらと名前を書いた。
「はい、とう様。」
エドヴァルドは満足そうにうなづいた。
「エドヴァルド様!まさかと思いましたが何の説明もなしですか?!」
レオが慌てて書類を回収する。
「後でゆっくり説明するつもりだ。早く提出してこい。」
「何を言っているんですか!カティ様に承諾も得ないでありえません!カティ様も良く読まないで署名はしてはいけないと教えられたはずです!」
「でもとう様だから大丈夫に決まってるよ。」
「カティ様の一生に関わる重要な事でございます!エドヴァルド様!」
エドヴァルドは溜息をついて
「夜にでもゆっくりと説明しようと思っていたのだが。カティは陛下の養女になる、陛下はいたくお喜びだ。」
カティはショックのあまり意味がよく理解できなかった。
幼女になる?うん、昔はね。
妖女になる?隠しきれない色気が漏れたのかしら。
ようじょ・・・養女?養女?!陛下の養女?
目を見開いて固まるカティ。
「一部はその養子縁組の書類だ。もう一部は婚約許可願だ。」
コンヤクキョカネガイダ
何言ってるのかさっぱりわからない。
「この書類が受理されれば私とお前は正式な婚約者となる。」
十三年間の人工冬眠はエドヴァルドの脳に変異を起こしたのか。
それとも私はエドヴァルドの死を受け入れられずまだ夢を見ているのかな。
うん、きっとそうだ。長い夢を見てるんだ。
「カティ様、しっかりしてください!エドヴァルド様、カティ様が混乱されております。何よりも、きちんとカティ様にプロポーズをして返事をいただいてください!」
「聞かなくともわかっている。カティの結婚相手に望む三つの条件に当てはまるうえに、私と結婚したいと言い、私の側にずっといたいと女神に願うと他ならぬ女神自身が言ったのだ。」
そして本人があの時言っていたように言葉の綾ではないかと、日頃のカティの言動を確認した上で今回、敢行した。
「・・・あのとう様。お話が・・・良くわかりません。」
エドヴァルドはカティの横に座ると
「私はお前の幸せを願っている。私が一人でいるとお前を貶めたり攻撃する者が後を絶たん。どう対処するか考えていた時に老師の話を聞いたのだ。」
「うっ!まさか・・・あの時・・・聞こえてた?」
「戯言をと聞捨てたのだが・・・よくよく考えるとそうすれば全てにおさまりが良いと腑に落ちたのだ。老師にはあとで礼をせねばならんな。」
「いや・・・だからといって・・・なぜ・・」
「なぜ?私が父でなければ結婚しても良いと聞いたが。」
「そ、それは・・・」
「お前は雑音を気にすることなく私の側で安心出来るし、私もお前を守ることができる。さらに私は伴侶を得ることが出来る上に、愚か者たちを寄せつけずにすみ、評判を落とすこともない。何か問題があるか?」
「あれ?そういわれれば・・・え?いいことばっかり?」
なるほど、と簡単に丸め込まれるカティ。
「カティ様!すぐに詐欺にあいますよ!大事なのはカティ様の気持ちです。エドヴァルド様を婚約者として想えますか?お二方の関係性が変わるのですよ。」
カティはエドヴァルドを見る。
これまでとう様と慕っていたエドヴァルド。急に婚約者と言われても戸惑ってしまう。でも・・・
考え込んでしまったカティを見て
「悪かった。勝手に話を進めすぎたようだ。この話はなかった事にする。」
エドヴァルドは書類を手に取ると燃やそうと火を出した。
「駄目!!」
頭で考えるよりも体が動いてカティはその書類を奪い取って大事そうに胸に抱えた。
「駄目!燃やさないで!」
「カティ様・・・」
レオは嬉しそうにその姿を見る。
「あの・・・と、とう様とずっと一緒にいたいから・・・お、お受けしたいです!」
顔を真っ赤にしていうカティの頭にエドヴァルドはキスをすると書類をレオに渡した。レオは頭を下げて大急ぎで出て行った。
レオは王宮に向かう途中であふれる涙をぬぐった。
二人の幸せを心から喜んでいる。
この十数年間は、悲しく辛い時間だった。しかし、あのまま親子としての時間をはぐくんでいれば、どれだけ深い愛情で結ばれようともおそらく肉親の情の域を越えなかったはずだ。
離れていた時間が長かったからこそ、そして再会した時のカティが成長していたからこそこのような縁が結ばれたのだと思う。
苦しすぎた時間だったが、これからは二人とも幸せになって欲しい。そう思い、レオは馬を走らせた。
*国王が退位してからカティを養女にした方がいいのかなと思いましたが、話が長くなりそうなのでそのまま国王の養女にしました。国王が養女にできるのか??とか、よくわからないまま・・・ごめんなさい(*´▽`*)
いつもなら黙っていても膝にのせてくれるのに。
「レオ、頼む。」
レオがカティの前に4枚の書類を並べる。心なしかレオの顔がこわばっている。
「この書類に署名をしてくれるか?」
エドヴァルドがそう言い、カティは何の書類か確認もせずさらさらと名前を書いた。
「はい、とう様。」
エドヴァルドは満足そうにうなづいた。
「エドヴァルド様!まさかと思いましたが何の説明もなしですか?!」
レオが慌てて書類を回収する。
「後でゆっくり説明するつもりだ。早く提出してこい。」
「何を言っているんですか!カティ様に承諾も得ないでありえません!カティ様も良く読まないで署名はしてはいけないと教えられたはずです!」
「でもとう様だから大丈夫に決まってるよ。」
「カティ様の一生に関わる重要な事でございます!エドヴァルド様!」
エドヴァルドは溜息をついて
「夜にでもゆっくりと説明しようと思っていたのだが。カティは陛下の養女になる、陛下はいたくお喜びだ。」
カティはショックのあまり意味がよく理解できなかった。
幼女になる?うん、昔はね。
妖女になる?隠しきれない色気が漏れたのかしら。
ようじょ・・・養女?養女?!陛下の養女?
目を見開いて固まるカティ。
「一部はその養子縁組の書類だ。もう一部は婚約許可願だ。」
コンヤクキョカネガイダ
何言ってるのかさっぱりわからない。
「この書類が受理されれば私とお前は正式な婚約者となる。」
十三年間の人工冬眠はエドヴァルドの脳に変異を起こしたのか。
それとも私はエドヴァルドの死を受け入れられずまだ夢を見ているのかな。
うん、きっとそうだ。長い夢を見てるんだ。
「カティ様、しっかりしてください!エドヴァルド様、カティ様が混乱されております。何よりも、きちんとカティ様にプロポーズをして返事をいただいてください!」
「聞かなくともわかっている。カティの結婚相手に望む三つの条件に当てはまるうえに、私と結婚したいと言い、私の側にずっといたいと女神に願うと他ならぬ女神自身が言ったのだ。」
そして本人があの時言っていたように言葉の綾ではないかと、日頃のカティの言動を確認した上で今回、敢行した。
「・・・あのとう様。お話が・・・良くわかりません。」
エドヴァルドはカティの横に座ると
「私はお前の幸せを願っている。私が一人でいるとお前を貶めたり攻撃する者が後を絶たん。どう対処するか考えていた時に老師の話を聞いたのだ。」
「うっ!まさか・・・あの時・・・聞こえてた?」
「戯言をと聞捨てたのだが・・・よくよく考えるとそうすれば全てにおさまりが良いと腑に落ちたのだ。老師にはあとで礼をせねばならんな。」
「いや・・・だからといって・・・なぜ・・」
「なぜ?私が父でなければ結婚しても良いと聞いたが。」
「そ、それは・・・」
「お前は雑音を気にすることなく私の側で安心出来るし、私もお前を守ることができる。さらに私は伴侶を得ることが出来る上に、愚か者たちを寄せつけずにすみ、評判を落とすこともない。何か問題があるか?」
「あれ?そういわれれば・・・え?いいことばっかり?」
なるほど、と簡単に丸め込まれるカティ。
「カティ様!すぐに詐欺にあいますよ!大事なのはカティ様の気持ちです。エドヴァルド様を婚約者として想えますか?お二方の関係性が変わるのですよ。」
カティはエドヴァルドを見る。
これまでとう様と慕っていたエドヴァルド。急に婚約者と言われても戸惑ってしまう。でも・・・
考え込んでしまったカティを見て
「悪かった。勝手に話を進めすぎたようだ。この話はなかった事にする。」
エドヴァルドは書類を手に取ると燃やそうと火を出した。
「駄目!!」
頭で考えるよりも体が動いてカティはその書類を奪い取って大事そうに胸に抱えた。
「駄目!燃やさないで!」
「カティ様・・・」
レオは嬉しそうにその姿を見る。
「あの・・・と、とう様とずっと一緒にいたいから・・・お、お受けしたいです!」
顔を真っ赤にしていうカティの頭にエドヴァルドはキスをすると書類をレオに渡した。レオは頭を下げて大急ぎで出て行った。
レオは王宮に向かう途中であふれる涙をぬぐった。
二人の幸せを心から喜んでいる。
この十数年間は、悲しく辛い時間だった。しかし、あのまま親子としての時間をはぐくんでいれば、どれだけ深い愛情で結ばれようともおそらく肉親の情の域を越えなかったはずだ。
離れていた時間が長かったからこそ、そして再会した時のカティが成長していたからこそこのような縁が結ばれたのだと思う。
苦しすぎた時間だったが、これからは二人とも幸せになって欲しい。そう思い、レオは馬を走らせた。
*国王が退位してからカティを養女にした方がいいのかなと思いましたが、話が長くなりそうなのでそのまま国王の養女にしました。国王が養女にできるのか??とか、よくわからないまま・・・ごめんなさい(*´▽`*)
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