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33 最初の一矢
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レキシントン、サラトガの攻撃隊を退けた第一航空艦隊が新たな敵機の来襲を受けたのは、〇六一八時(現地時間:四日〇九一八時)のことであった。
重巡筑摩の見張り員が、距離三万五〇〇〇メートルで敵機来襲を告げたのである。
この時、第一航空艦隊を捉えたのはホーネット第八雷撃隊のジョン・ウォルドロン少佐率いるTBF隊十五機であった。
ホーネットを発進した攻撃隊で第一航空艦隊を捕捉出来たのは、実はこのウォルドロン少佐率いる第八雷撃隊のみであった。
ホーネット攻撃隊はリング飛行長から指示されていた針路を飛んでいたのであるが、発艦直前にエイカーズ航海長から日本艦隊の針路を聞いていたウォルドロンだけは、飛行長は針路の計算を間違えているのではないかと感じていた。そして発艦後に改めてウォルドロンが針路の計算をしてみると、当初の予定針路よりも十五度ほど南寄りに日本艦隊が存在していることに気付いたのである。
そのため、ウォルドロンは戦闘機隊、艦爆隊に「我に続け」と指示を出して針路を変更したのであるが、どちらの部隊もこの指示にも、あるいはウォルドロン隊が針路を変更したことにも気付いていなかった。
当時、攻撃隊の周囲に存在していた雲の所為で、ウォルドロンの指示を見落としてしまったのである。そのために、ウォルドロンの側も自分たちが単独で飛行していることに気付いていなかった。
しかし、アメリカ先住民族スー族の血を引くこの雷撃隊長の判断は正しかった。日本艦隊は、確かに彼の導き出した針路上に存在していたのである。
このため、ホーネット攻撃隊の中で唯一、ウォルドロン隊のみが日本艦隊の捕捉に成功したのである。残りの機体は会敵予定時刻になっても日本艦隊を発見出来ず、そのまま飛び続けて燃料不足に陥りミッドウェー島に不時着してその一部は失われることになる。
一方、筑摩が敵機来襲を告げた時点において、第一航空艦隊は針路を第十七任務部隊の方に向けて東進を開始していた。第一次、第二次攻撃隊を出来るだけ早く収容し、その北方に存在すると思われる新たな米機動部隊への攻撃隊を編成するためである。
また、〇六一八時はちょうど第五航空戦隊がミッドウェー攻撃隊の収容を完了させた時刻とも重なっていた。
この結果、レキシントン、サラトガ両攻撃隊による空襲、第十七任務部隊に向けた針路変更、五航戦の攻撃隊収容などの要素が重なり、第一航空艦隊の陣形はかなり乱れることとなった。
特に嶋崎重和少佐率いるミッドウェー攻撃隊を収容することとなった翔鶴、瑞鶴は針路を変更した一航艦主力部隊から落伍気味であった。
周囲に存在するのは戦艦榛名に第五戦隊の重巡妙高、羽黒、それと第十六駆逐隊の駆逐艦雪風、初風、天津風、時津風の七隻であり、一航戦、二航戦の四空母からは五浬ほど引き離されていた。
そのためウォルドロンが発見したのは、実際には五航戦に先行する一航戦、二航戦の四空母のみであった。
一航戦、二航戦の上空にはこの時、三〇機あまりの零戦が存在していた。レキシントン、サラトガ攻撃隊による空襲後、母艦にて燃料と弾薬の補給を受けた機体や、本来であればミッドウェー占領後に同島に進出させる予定であった第六航空隊の機体の混合である。
一方、ウォルドロン隊には戦闘機の護衛が付いていなかった。彼らはこれに最後まで気付かず、零戦の発見と共に救援を求める通信を送っているほどであった。
実はこの時、進撃途中でウォルドロン隊を視認して、その後ろに付いていったエンタープライズのジム・グレイ大尉率いる第六戦闘機隊が付近に存在していた。
しかし、母艦が違うためにウォルドロン隊が発した通信には気付かず、さらには海面付近にあった雲のためにウォルドロン隊が零戦隊に襲われていることにも気付いていなかった。グレイ大尉はエンタープライズ攻撃隊の到着までウォルドロン隊も攻撃を控えているだろうと思っていたため、一航艦東方の空域高度六七〇〇メートルで延々と待機を続けていたのである。
こうして、スプルーアンスの放った攻撃隊最初の一手は、戦闘機の護衛なく第一航空艦隊への攻撃を開始することとなってしまったのだ。
重巡筑摩の見張り員が、距離三万五〇〇〇メートルで敵機来襲を告げたのである。
この時、第一航空艦隊を捉えたのはホーネット第八雷撃隊のジョン・ウォルドロン少佐率いるTBF隊十五機であった。
ホーネットを発進した攻撃隊で第一航空艦隊を捕捉出来たのは、実はこのウォルドロン少佐率いる第八雷撃隊のみであった。
ホーネット攻撃隊はリング飛行長から指示されていた針路を飛んでいたのであるが、発艦直前にエイカーズ航海長から日本艦隊の針路を聞いていたウォルドロンだけは、飛行長は針路の計算を間違えているのではないかと感じていた。そして発艦後に改めてウォルドロンが針路の計算をしてみると、当初の予定針路よりも十五度ほど南寄りに日本艦隊が存在していることに気付いたのである。
そのため、ウォルドロンは戦闘機隊、艦爆隊に「我に続け」と指示を出して針路を変更したのであるが、どちらの部隊もこの指示にも、あるいはウォルドロン隊が針路を変更したことにも気付いていなかった。
当時、攻撃隊の周囲に存在していた雲の所為で、ウォルドロンの指示を見落としてしまったのである。そのために、ウォルドロンの側も自分たちが単独で飛行していることに気付いていなかった。
しかし、アメリカ先住民族スー族の血を引くこの雷撃隊長の判断は正しかった。日本艦隊は、確かに彼の導き出した針路上に存在していたのである。
このため、ホーネット攻撃隊の中で唯一、ウォルドロン隊のみが日本艦隊の捕捉に成功したのである。残りの機体は会敵予定時刻になっても日本艦隊を発見出来ず、そのまま飛び続けて燃料不足に陥りミッドウェー島に不時着してその一部は失われることになる。
一方、筑摩が敵機来襲を告げた時点において、第一航空艦隊は針路を第十七任務部隊の方に向けて東進を開始していた。第一次、第二次攻撃隊を出来るだけ早く収容し、その北方に存在すると思われる新たな米機動部隊への攻撃隊を編成するためである。
また、〇六一八時はちょうど第五航空戦隊がミッドウェー攻撃隊の収容を完了させた時刻とも重なっていた。
この結果、レキシントン、サラトガ両攻撃隊による空襲、第十七任務部隊に向けた針路変更、五航戦の攻撃隊収容などの要素が重なり、第一航空艦隊の陣形はかなり乱れることとなった。
特に嶋崎重和少佐率いるミッドウェー攻撃隊を収容することとなった翔鶴、瑞鶴は針路を変更した一航艦主力部隊から落伍気味であった。
周囲に存在するのは戦艦榛名に第五戦隊の重巡妙高、羽黒、それと第十六駆逐隊の駆逐艦雪風、初風、天津風、時津風の七隻であり、一航戦、二航戦の四空母からは五浬ほど引き離されていた。
そのためウォルドロンが発見したのは、実際には五航戦に先行する一航戦、二航戦の四空母のみであった。
一航戦、二航戦の上空にはこの時、三〇機あまりの零戦が存在していた。レキシントン、サラトガ攻撃隊による空襲後、母艦にて燃料と弾薬の補給を受けた機体や、本来であればミッドウェー占領後に同島に進出させる予定であった第六航空隊の機体の混合である。
一方、ウォルドロン隊には戦闘機の護衛が付いていなかった。彼らはこれに最後まで気付かず、零戦の発見と共に救援を求める通信を送っているほどであった。
実はこの時、進撃途中でウォルドロン隊を視認して、その後ろに付いていったエンタープライズのジム・グレイ大尉率いる第六戦闘機隊が付近に存在していた。
しかし、母艦が違うためにウォルドロン隊が発した通信には気付かず、さらには海面付近にあった雲のためにウォルドロン隊が零戦隊に襲われていることにも気付いていなかった。グレイ大尉はエンタープライズ攻撃隊の到着までウォルドロン隊も攻撃を控えているだろうと思っていたため、一航艦東方の空域高度六七〇〇メートルで延々と待機を続けていたのである。
こうして、スプルーアンスの放った攻撃隊最初の一手は、戦闘機の護衛なく第一航空艦隊への攻撃を開始することとなってしまったのだ。
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