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第25話 見つけた居場所
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隣国ガルディアに来てから、季節は巡り、首都ヴァルテンシュタットの街路樹も、鮮やかな緑から、少しずつ黄金色へと変わり始めていた。公爵邸の私の部屋の窓から見える景色も、日々その彩りを変え、時間の流れの速さを感じさせる。
(もう、こんなに時が経ったのね……)
エスタードを離れたあの日、私の心は不安と絶望でいっぱいだった。未来なんて、どこにも見えないと思っていた。けれど、今の私はどうだろう。
毎朝、小鳥のさえずりで目を覚まし、ライオネル公爵と共にガルディアの未来を考えるという、刺激的で充実した日々を送っている。私のささやかな知識や経験が、この国の人々の役に立っているという実感は、何物にも代えがたい喜びだ。
公爵邸の使用人たちは、今では私を心から敬い、慕ってくれている。街に出れば、多くの人々が温かい笑顔と感謝の言葉を向けてくれる。エスタードでは決して得られなかった、人との確かな繋がりと、自分自身の存在価値を、私はこの国で見つけることができたのだ。
そして何よりも……私の隣には、ライオネル公爵がいる。
彼は、私の才能を見出し、私に新しい生きる道を与えてくれた人。厳しさの中に深い優しさを秘め、その強靭な精神力で国を導く、真の為政者。そして……不器用ながらも、私に特別な感情を向けてくれる、かけがえのない人。
あの日、マーサが言ってくれた言葉を思い出す。
『お嬢様の価値を理解してくださる方が必ずいらっしゃいます。私は、そう信じておりますとも』
その言葉は、現実のものとなったのだ。マーサ、私は今、とても幸せよ。心の中で、遠い故郷にいる唯一の味方に語りかける。
ここが、私の本当の居場所なのだ。そう、確信できる。エスタードの息苦しい王宮や、冷たい家族の元ではなく、この自由で、活気に満ちたガルディアで、ライオネル公爵の隣こそが、私が心から安らげる場所なのだと。
先日、公爵から正式に、結婚式の日取りについて相談があった。それは、決して政略的な形式だけの話ではなく、私たちの未来を共に築いていくための、大切な一歩だと感じられた。
もちろん、不安が全くないわけではない。ヴァルテンベルク公爵夫人となることの重圧。そして、これから先、私たちを待ち受けているかもしれない様々な困難。けれど、今の私には、それらを乗り越えていけるだけの勇気と希望がある。
だって、私には、ライオネル様がいるのだから。
彼の深い愛情と信頼を感じるたびに、私の心は温かい光で満たされていく。この人のためなら、どんなことでもできる。この人と共にいるなら、どんな未来も怖くない。
私は、窓辺に立ち、黄金色に輝くヴァルテンシュタットの街並みを見下ろした。この美しい国で、愛する人の隣で、私は新しい人生を歩んでいく。手放したのは、エスタードの王子。そして、私が掴んだのは、それよりもずっと大きくて、温かい、本物の幸せ。
胸いっぱいに初秋の澄んだ空気を吸い込み、私は晴れやかな気持ちで、未来へと視線を向けた。私の物語は、まだ始まったばかりなのだから。
(もう、こんなに時が経ったのね……)
エスタードを離れたあの日、私の心は不安と絶望でいっぱいだった。未来なんて、どこにも見えないと思っていた。けれど、今の私はどうだろう。
毎朝、小鳥のさえずりで目を覚まし、ライオネル公爵と共にガルディアの未来を考えるという、刺激的で充実した日々を送っている。私のささやかな知識や経験が、この国の人々の役に立っているという実感は、何物にも代えがたい喜びだ。
公爵邸の使用人たちは、今では私を心から敬い、慕ってくれている。街に出れば、多くの人々が温かい笑顔と感謝の言葉を向けてくれる。エスタードでは決して得られなかった、人との確かな繋がりと、自分自身の存在価値を、私はこの国で見つけることができたのだ。
そして何よりも……私の隣には、ライオネル公爵がいる。
彼は、私の才能を見出し、私に新しい生きる道を与えてくれた人。厳しさの中に深い優しさを秘め、その強靭な精神力で国を導く、真の為政者。そして……不器用ながらも、私に特別な感情を向けてくれる、かけがえのない人。
あの日、マーサが言ってくれた言葉を思い出す。
『お嬢様の価値を理解してくださる方が必ずいらっしゃいます。私は、そう信じておりますとも』
その言葉は、現実のものとなったのだ。マーサ、私は今、とても幸せよ。心の中で、遠い故郷にいる唯一の味方に語りかける。
ここが、私の本当の居場所なのだ。そう、確信できる。エスタードの息苦しい王宮や、冷たい家族の元ではなく、この自由で、活気に満ちたガルディアで、ライオネル公爵の隣こそが、私が心から安らげる場所なのだと。
先日、公爵から正式に、結婚式の日取りについて相談があった。それは、決して政略的な形式だけの話ではなく、私たちの未来を共に築いていくための、大切な一歩だと感じられた。
もちろん、不安が全くないわけではない。ヴァルテンベルク公爵夫人となることの重圧。そして、これから先、私たちを待ち受けているかもしれない様々な困難。けれど、今の私には、それらを乗り越えていけるだけの勇気と希望がある。
だって、私には、ライオネル様がいるのだから。
彼の深い愛情と信頼を感じるたびに、私の心は温かい光で満たされていく。この人のためなら、どんなことでもできる。この人と共にいるなら、どんな未来も怖くない。
私は、窓辺に立ち、黄金色に輝くヴァルテンシュタットの街並みを見下ろした。この美しい国で、愛する人の隣で、私は新しい人生を歩んでいく。手放したのは、エスタードの王子。そして、私が掴んだのは、それよりもずっと大きくて、温かい、本物の幸せ。
胸いっぱいに初秋の澄んだ空気を吸い込み、私は晴れやかな気持ちで、未来へと視線を向けた。私の物語は、まだ始まったばかりなのだから。
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