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1章
第14話 馬車を走らせ、自然を満喫
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馬車を借りて、俺は王都を離れた。
といっても、大きく外れた辺境ではなく、王都の北側に続く緑豊かな地域を目指している。
昔、地理の授業で習った限り、あちら方面には小川や湖、草原が点在しているらしい。
馬車で半日か一日ほど進めば、人気の少ない原野へ出られるはず。
「……おお、凄い。王都周辺も立派な景色だったけど、こっちはより自然が鮮やかだな」
窓を開けて顔を出すと、青々とした木々が目に飛び込む。
道こそ舗装はされていないものの、多少の砂利道を馬車はガタガタと進んでくれる。
前世の日本とは違い、木々の種類もややファンタジー的な雰囲気を感じるが、それがまた新鮮だ。
時折、見たことのない鳥が羽ばたいていたり、カラフルな蝶が群れをなしていたりする。
馬車を操縦するのはもちろん俺自身……と言いたいところだが、正直まったく経験がない。
そこで簡単な馬の扱いだけ習ってきた。
あとは魔法でほんの少し馬を制御する術を教わったので、それを使いながらゆっくり移動するイメージ。
目的の森に着いたら馬車を停めて、徒歩で少し散策してみよう。
テント代わりの簡易的な寝具もあるし、何なら最悪“絶対快眠”さえあれば地べたに寝転んでも快適には眠れる。
「よーし、さっそくだけど、あの辺りで一回休憩しようかな。森の入口っぽいし……」
俺は道の脇に馬車を寄せ、木陰に停車させる。
馬に水をやり、そして自分も一息つくため、地面に腰を下ろした。
夏の終わりごろ……か、この世界に四季の概念がどこまであるのかは曖昧だけど、暑すぎず寒すぎず。
湿度は割と低く、爽やかな風が吹き抜けていく。
まるで高原に来たみたいな気分だ。
前世では経験できなかったことが次々と目に入り、新鮮な感動がある。
「はは、いいな……。何も考えずボーッとしてるだけで楽しい。ミオ達と一緒なら、もっと楽しかったんだろうけど……いや、今回は一人がいいんだ」
自分に言い聞かせる。
みんなとはまた別の機会に一緒に来ればいい。
とりあえず今日は、一人きりでこの自由をかみしめたい。
俺は木の根元に背を預け、目を閉じる。数
分だけ“絶対快眠”を発動して仮眠を取ると、心身がさらに軽くなった。
といっても、大きく外れた辺境ではなく、王都の北側に続く緑豊かな地域を目指している。
昔、地理の授業で習った限り、あちら方面には小川や湖、草原が点在しているらしい。
馬車で半日か一日ほど進めば、人気の少ない原野へ出られるはず。
「……おお、凄い。王都周辺も立派な景色だったけど、こっちはより自然が鮮やかだな」
窓を開けて顔を出すと、青々とした木々が目に飛び込む。
道こそ舗装はされていないものの、多少の砂利道を馬車はガタガタと進んでくれる。
前世の日本とは違い、木々の種類もややファンタジー的な雰囲気を感じるが、それがまた新鮮だ。
時折、見たことのない鳥が羽ばたいていたり、カラフルな蝶が群れをなしていたりする。
馬車を操縦するのはもちろん俺自身……と言いたいところだが、正直まったく経験がない。
そこで簡単な馬の扱いだけ習ってきた。
あとは魔法でほんの少し馬を制御する術を教わったので、それを使いながらゆっくり移動するイメージ。
目的の森に着いたら馬車を停めて、徒歩で少し散策してみよう。
テント代わりの簡易的な寝具もあるし、何なら最悪“絶対快眠”さえあれば地べたに寝転んでも快適には眠れる。
「よーし、さっそくだけど、あの辺りで一回休憩しようかな。森の入口っぽいし……」
俺は道の脇に馬車を寄せ、木陰に停車させる。
馬に水をやり、そして自分も一息つくため、地面に腰を下ろした。
夏の終わりごろ……か、この世界に四季の概念がどこまであるのかは曖昧だけど、暑すぎず寒すぎず。
湿度は割と低く、爽やかな風が吹き抜けていく。
まるで高原に来たみたいな気分だ。
前世では経験できなかったことが次々と目に入り、新鮮な感動がある。
「はは、いいな……。何も考えずボーッとしてるだけで楽しい。ミオ達と一緒なら、もっと楽しかったんだろうけど……いや、今回は一人がいいんだ」
自分に言い聞かせる。
みんなとはまた別の機会に一緒に来ればいい。
とりあえず今日は、一人きりでこの自由をかみしめたい。
俺は木の根元に背を預け、目を閉じる。数
分だけ“絶対快眠”を発動して仮眠を取ると、心身がさらに軽くなった。
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