悪役貴族に転生した俺、前世のスキルが残っているため、勇者よりも強くなってしまう

空月そらら

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序章

第13話 冒険者ギルド

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「ここが……ギルドか」

 俺は今、王都にある冒険者ギルドに来ている。

 この前レッドストーンを貰う代わりに、ユキからある条件を提示された。

 その条件の内容は、俺がユキの冒険者パーティーに入るという事。

 かなり無茶苦茶な話だが、レッドストーンを貰わないと王都で事件が多発しそうだからな。

 俺はその条件を呑むことにした。

「取り敢えず、ユキ達が来るまで中に入ってるか」
 
 まだユキ達はギルドに居ないようなので、俺は先に冒険者ギルドの門を潜っていく。
 
 中に入り周辺を見ると、かなり筋肉質な冒険者や、可愛い女の子もいる。

 ギルドの中って賑やかで楽しそうな雰囲気だな。

 俺は少し感動しながら、座る席を探す。

「おい、お前新人か?」

「ああ、俺は今日初めてギルドに来たんだが……」

 突然知らない男から俺は声を掛けられる。

 片手にはジョッキを持っているようで、顔も真っ赤だ。

 酒臭いし、もしかして酔っ払いだろうか。

「新人が座って良い席なんてねえんだよ、分かってんのかお前?」

「別に、誰が座っても問題ないだろう? 新人が座ってはいけない理由があるのなら、聞かせて欲しいな」

「何だと? お前舐めたこと言ってると、どうなるか分かってんのか?」

「さあな」

「なら、分からせてやるよ」

 そう言うと男は拳を握りしめて、俺の顔面に向けて拳を放ってくる。

「ちょっ! ちょっと待ってえええ!」

 するとギルドの扉が強く開き、ユキの声がギルド内に響く。

 男は瞬時に手を止めて、ユキの方を見た。

「ユ、ユキさん!?」

「その人は私の仲間よ! 私のメンバーに手を出すのは許さないわ!」

「こ、こいつがか!? す、すみませんでしたぁぁぁぁ!」

 そう言うと、男は俺に頭を下げてすぐに走り去っていく。
 
「アレンごめんね、あいつちょっと前に入った新人なんだけど……」

「あいつも新人だったのかよ……まあ、助かったよユキ」

 俺がユキに感謝を伝えると、嬉しそうに微笑んで口を開く。

「もう少しでゴウ達も来るはずだから、そこら辺の椅子に座って待ちましょう!」
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