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25.属性
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情けないほどの自虐である。
(うん。生活魔法がすべての魔法の基本だと分かっているようね。ヤスオが魔法を使えなかったのは、手の平から魔力が放出されることを知らなかったからよ。これは、この世界では誰でも知っている当たり前のことだから、セメレも教え忘れたのね。)
「魔力は、手の平から・・?俺は、魔法は呪文を唱えればできるものだと思っていました。魔法とは魔力を体外に放出して発動するものだったのですか。」
(そのとおりよ。魔力を手の平に集めて、呪文で放出する。流れが分かれば、ヤスオにでもできるわ。ただし属性が合えば、の話だけど。)
属性、孤児院でもよく聞く言葉だ。
確か一人に一つの属性しか持てず、無、赤、緑、青の4種類の属性がある。
無属性は、生活魔法のみ。赤属性はそれに攻撃魔法が加わり、緑属性は回復魔法、青属性は補助魔法が加わるとか。
(おそらくヤスオは、緑属性だと思うけど、まだ分からないから青属性の魔法から練習してみましょう。呪文は覚えている?)
「覚えていません。諦めていましたから。」
(でしょうね。では、あなたの荷物にわたしの覚書があるから、出してちょうだい。)
荷物袋をあさり覚書を探すが、なかなか見つからない。
「とりあえず、呪文を教えてくださいよ。」
早く試したくて、探すのが面倒に思えてきた。
(いい。呪文と言うのは魔法の種類とタイミングを取るものであって、魔法を発動するのに絶対に必要なものではないの。)
何が言いたいのかよく分からないし、答えにもなっていない。
「言いたいことが、よく分かりません。」
(ようは、慣れてくれば詠唱の必要がなくなるということ。収納魔法の呪文なんて百何年と使ってないから、覚えてないわ。)
──素直に忘れたと言えばいいのに。
そう思ったが、口に出せば怒られるので、言わないことにする。
ほかにも忘れていることがあるのではないかと気になり、本当に魔法が使えるようになるのか心配になってきた。
そんなことを考えていたら、荷物の中から、メモ帳を見つけた。
「アリ姉様。覚書とはこれのことですか?」
(そう、それ。その中に呪文が書いてあるはずよ。探してみて。)
手帳のページをめくっていき、呪文らしき記載を探す。
この時、アリアドネの字の美しさにヤスオは感動した。
しかし素直に褒めるのが悔しいので、黙っていることにした。
「あった。うわー、これどういう意味ですか。発音とかあるのですか?」
(ないわ。そのまま読んで。)
右手に手帳を持ち、目の前にある薬草に左手をかざした。
──手に意識を集中して
「くれね らっごん。」
…何も起こらない。
「あー、属性が合わなかったのですね。ということは薬が作れませんね。・・俺、まさかの無属性ですかね?」
上を向いて、こぼれ落ちそうな涙を止めていた。
(変ねー。今、魔法を発動しようとしたから、間違いなく青属性のはず。だけど、途中で止まった?なぜかしら。)
「青属性なのに魔法が発動しない?それ、才能がないってことですか?」
ヤスオは、ふて腐れて、体育座りで手帳を読み進めた。
「そういえば、収納した物はどうやってだすのですか?」
(あぁ、それは開放魔法でイメージした物がだせるわ。)
「開放魔法。あぁこれですか。この間に書いてある登録って何ですか?」
(登録魔法?あぁそれは、・・・・!それだわ。ヤスオ、荷物袋の中に青玉模様の巾着袋と赤玉模様の巾着袋があるから、出してちょうだい。)
手帳を探した時、見かけていたので簡単に見つけることができた。
言われたとおり荷物から巾着袋を出す。
「これですか?うわー、こんなに固結びにして。これじゃ、開けるのに時間がかかりますよ。」
(開けなくていいの。というか、開けちゃあダメだから。それは、収納袋。収納魔法を使った品物は、その袋の中に転送されると言われているわ。)
「この袋に、ですか?随分小さいようですが」
(縮小されて転送されるのかな?開けて見たことないから分からないわ。ただ、袋を開けると中身が一気に放出され爆発するとか、逆に吸い込まれて二度と出られないとか。色々な説があるわ。まぁ、いい事は起きそうにないから、誰も開けないけど。)
「わかりました。絶対に開けません。二つあるのは、なぜですか。」
(収納袋は何個でも持てるのよ。わたしの場合、青玉は道具や装備品などを入れて、赤玉は薬草など換金する物を入れているわ。ヤスオが失敗したのは、収納袋の登録をしてなかったから。転送先が無いのだからそりゃ失敗するわね。)
「それも、長いこと登録魔法を使ってないから忘れていたのですか?」
(テヘ、ペロ。)
──この方は本当にこの世界の人なのか。色々突っ込みたいが、まずは魔法だ。
「では俺も、収納袋を用意して登録すればいいのですね。」
(わたしの収納袋を使って。)
「いいのですか。アリ姉様が困りませんか?」
(たぶん。大丈夫。・・わたしがヤスオの中にいるのは、わたしの旦那様のせい。わたしが、この世界に留まれるように色々した結果だと思うのよ。今は、わたしの新しい身体を用意していると思う。でも、天界とこの世界では時間の流れが違うわ。新しい身体は、早くて50年。最悪100年後ね。その頃には、ほとんどの物が使い物にならないわ。だから家賃代わりに、わたしの物はすべてヤスオに引き継いでほしいのよ。)
「それは、ありがたい話ですけど、本当にそんなに時間がかかるのですか。奥様のためですよね。」
(旦那様は人の身体を作ったことがないのよ。だから、経験豊富な鍛冶の神様に依頼していると思う。鍛冶の神様は、お忙しいので時間がかかると想定できるわ。ちなみに、前の身体は鍛冶の神様がお作りになった物よ。)
「わかりました。ありがとうございます。アリ姉様の私物、使わせていただきます。それで、登録の解除はどうしたらよいのですか?」
(必要ない。上書きすればいいの。ただし、収納袋は空でないと登録できないから、一度すべてだす必要があるわ。収納袋から物をだすのは登録者以外でもできるから、まず開放の魔法を使って。)
「えー。それじゃ、収納しても取られ放題じゃないですか。」
(うん。生活魔法がすべての魔法の基本だと分かっているようね。ヤスオが魔法を使えなかったのは、手の平から魔力が放出されることを知らなかったからよ。これは、この世界では誰でも知っている当たり前のことだから、セメレも教え忘れたのね。)
「魔力は、手の平から・・?俺は、魔法は呪文を唱えればできるものだと思っていました。魔法とは魔力を体外に放出して発動するものだったのですか。」
(そのとおりよ。魔力を手の平に集めて、呪文で放出する。流れが分かれば、ヤスオにでもできるわ。ただし属性が合えば、の話だけど。)
属性、孤児院でもよく聞く言葉だ。
確か一人に一つの属性しか持てず、無、赤、緑、青の4種類の属性がある。
無属性は、生活魔法のみ。赤属性はそれに攻撃魔法が加わり、緑属性は回復魔法、青属性は補助魔法が加わるとか。
(おそらくヤスオは、緑属性だと思うけど、まだ分からないから青属性の魔法から練習してみましょう。呪文は覚えている?)
「覚えていません。諦めていましたから。」
(でしょうね。では、あなたの荷物にわたしの覚書があるから、出してちょうだい。)
荷物袋をあさり覚書を探すが、なかなか見つからない。
「とりあえず、呪文を教えてくださいよ。」
早く試したくて、探すのが面倒に思えてきた。
(いい。呪文と言うのは魔法の種類とタイミングを取るものであって、魔法を発動するのに絶対に必要なものではないの。)
何が言いたいのかよく分からないし、答えにもなっていない。
「言いたいことが、よく分かりません。」
(ようは、慣れてくれば詠唱の必要がなくなるということ。収納魔法の呪文なんて百何年と使ってないから、覚えてないわ。)
──素直に忘れたと言えばいいのに。
そう思ったが、口に出せば怒られるので、言わないことにする。
ほかにも忘れていることがあるのではないかと気になり、本当に魔法が使えるようになるのか心配になってきた。
そんなことを考えていたら、荷物の中から、メモ帳を見つけた。
「アリ姉様。覚書とはこれのことですか?」
(そう、それ。その中に呪文が書いてあるはずよ。探してみて。)
手帳のページをめくっていき、呪文らしき記載を探す。
この時、アリアドネの字の美しさにヤスオは感動した。
しかし素直に褒めるのが悔しいので、黙っていることにした。
「あった。うわー、これどういう意味ですか。発音とかあるのですか?」
(ないわ。そのまま読んで。)
右手に手帳を持ち、目の前にある薬草に左手をかざした。
──手に意識を集中して
「くれね らっごん。」
…何も起こらない。
「あー、属性が合わなかったのですね。ということは薬が作れませんね。・・俺、まさかの無属性ですかね?」
上を向いて、こぼれ落ちそうな涙を止めていた。
(変ねー。今、魔法を発動しようとしたから、間違いなく青属性のはず。だけど、途中で止まった?なぜかしら。)
「青属性なのに魔法が発動しない?それ、才能がないってことですか?」
ヤスオは、ふて腐れて、体育座りで手帳を読み進めた。
「そういえば、収納した物はどうやってだすのですか?」
(あぁ、それは開放魔法でイメージした物がだせるわ。)
「開放魔法。あぁこれですか。この間に書いてある登録って何ですか?」
(登録魔法?あぁそれは、・・・・!それだわ。ヤスオ、荷物袋の中に青玉模様の巾着袋と赤玉模様の巾着袋があるから、出してちょうだい。)
手帳を探した時、見かけていたので簡単に見つけることができた。
言われたとおり荷物から巾着袋を出す。
「これですか?うわー、こんなに固結びにして。これじゃ、開けるのに時間がかかりますよ。」
(開けなくていいの。というか、開けちゃあダメだから。それは、収納袋。収納魔法を使った品物は、その袋の中に転送されると言われているわ。)
「この袋に、ですか?随分小さいようですが」
(縮小されて転送されるのかな?開けて見たことないから分からないわ。ただ、袋を開けると中身が一気に放出され爆発するとか、逆に吸い込まれて二度と出られないとか。色々な説があるわ。まぁ、いい事は起きそうにないから、誰も開けないけど。)
「わかりました。絶対に開けません。二つあるのは、なぜですか。」
(収納袋は何個でも持てるのよ。わたしの場合、青玉は道具や装備品などを入れて、赤玉は薬草など換金する物を入れているわ。ヤスオが失敗したのは、収納袋の登録をしてなかったから。転送先が無いのだからそりゃ失敗するわね。)
「それも、長いこと登録魔法を使ってないから忘れていたのですか?」
(テヘ、ペロ。)
──この方は本当にこの世界の人なのか。色々突っ込みたいが、まずは魔法だ。
「では俺も、収納袋を用意して登録すればいいのですね。」
(わたしの収納袋を使って。)
「いいのですか。アリ姉様が困りませんか?」
(たぶん。大丈夫。・・わたしがヤスオの中にいるのは、わたしの旦那様のせい。わたしが、この世界に留まれるように色々した結果だと思うのよ。今は、わたしの新しい身体を用意していると思う。でも、天界とこの世界では時間の流れが違うわ。新しい身体は、早くて50年。最悪100年後ね。その頃には、ほとんどの物が使い物にならないわ。だから家賃代わりに、わたしの物はすべてヤスオに引き継いでほしいのよ。)
「それは、ありがたい話ですけど、本当にそんなに時間がかかるのですか。奥様のためですよね。」
(旦那様は人の身体を作ったことがないのよ。だから、経験豊富な鍛冶の神様に依頼していると思う。鍛冶の神様は、お忙しいので時間がかかると想定できるわ。ちなみに、前の身体は鍛冶の神様がお作りになった物よ。)
「わかりました。ありがとうございます。アリ姉様の私物、使わせていただきます。それで、登録の解除はどうしたらよいのですか?」
(必要ない。上書きすればいいの。ただし、収納袋は空でないと登録できないから、一度すべてだす必要があるわ。収納袋から物をだすのは登録者以外でもできるから、まず開放の魔法を使って。)
「えー。それじゃ、収納しても取られ放題じゃないですか。」
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