クラス M

東門 大

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第二章 森 聖喜の場合

第14話 おもちゃ

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 ぼくは「ちんちん」したまま、クルクル回り続けた。

「なんかこいつ臭くない?」

 右耳にピアスをつけたショートカットの子が、にやけた顔つきで言った。

「洗ってやろうか」

 その声に反応した輝が、庭のホースを取り出して、僕に向けた。

 大量の水が背中にとんできた。

「ほら、おまえの臭いケツ洗ってやるから、突き出しな」

 春とは言え、夕方である。水の冷たさに僕の体も心も震えた。

 だが、電撃の恐ろしさもあって、言われたとおりお尻を突き出した。

 輝は僕の肛門に挿入してある尻尾を引き抜いた。

「うわ! おまえ、うんこついてるじゃねえか。きったねえなあ」

「くせえ。……輝、しっかり洗ってやれよ」

 女子達がはやし立てた。

「ほら、もっと足開けよ。穴が見えねえだろ」

 僕は屈辱に耐えながら、脚を開き、お尻を輝に向けた。

「汚えけつの穴だなあ」

 女子たちが大笑いする中、僕の肛門に水がかけられた。冷たかったが、恥ずかしさでますます勃起してしまった。

「今度は前だよ。ほら、手は頭の上!」

 今度はペニスに水がかけられた。水圧で刺激されたペニスは、自分でも信じられないくらいすぐに反応し、射精してしまった。

「いやあ、なにこいつ! キモーい」
「もうー、信じらんない!」
「キモーい」

「何を許可なく射精してるのよ」

 輝は怒っていた。僕は悲しくて情けなくて、声に出して泣いた。吠える声や鳴き声で、電撃は起きないようだ。

「ほら、キモイの見せた罰だよ」

 僕は背中を蹴られ、四つん這いにさせられた。その後4人に何度も棒でお尻を叩かれた。ホースで射精をさせられたあげく、お尻が赤くなるまで叩かれた僕は、その理不尽さに腹が立ったが、反抗することも逃げることも許されないのだった。

 それからこのようなことが毎日続いた。



 僕が清水家の飼い犬になってから二ヶ月が過ぎた頃、ある一つのチャンスが訪ずれた。

 ドッグトレーニングの仕上がりを競うコンテストが催されるというのだ。このトレーニングの出来次第では、クラスをMまで戻すことができると暁が告げてきた。つまり学校に戻れるのだ。
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