奥様はご主人様

東門 大

文字の大きさ
12 / 20
第二章 美沙の視点

第三話 支配の快感と裏切りへの罰

しおりを挟む
 性管理のために装着させた貞操帯だったが、どうしても私の支配が及ばない空白の領域が存在した。排泄だ。

 衛生上の理由から、私は一日に数回、彼に数分間の猶予を与え、自らの手で貞操帯の鍵を外してトイレへ向かわせていた。

 ある日の夕方、いつものように鍵を外し、四つん這いでトイレへと向かわせたが、数分経っても彼が出てくる気配がない。

 不審に思いドアに耳を寄せると、密閉された空間から、みっともない喘ぎ声と、肺を震わせるような荒い息遣いが漏れ聞こえてきた。

 その瞬間、私の中で冷たい怒りが炎となって燃え上がった。 

 この卑しい豚め。私の慈悲を、あろうことか自分の浅ましい欲望を満たすために悪用したのだ。 

 私は勢いよくドアを蹴開けた。そこには、便座に座り込み、醜く重い体を小刻みに震わせながら、腹の肉に埋もれた哀れな性器を必死にしごいている健太の姿があった。 

 彼は私の視線に気づくと、全身を震わせた。豚マスクの穴から覗く瞳には、底知れぬ恐怖と、隠しきれない淫靡インビな悦びが混濁していた。

「やっぱりー! 勝手にオナニーしちゃダメでしょう! こそこそとお! うす汚いマゾ豚が」

 私はリビングから、黒革のしなやかな調教鞭を掴み取ってきた。 

「もう……お仕置きだからね。お尻を出しなさい」

 健太は便器に額を擦り付け、許しを請うように「ブヒ、ブヒィ」と必死に鳴いていた。しかし、オナニーの絶頂の間際だったのか、下半身は私の意志を無視してプルプルと震え、ペニスの先から白いものが垂れているのが見えた。

「どこまでもだらしないやつ」

 私は容赦なく、ツルツルに剃り上げられた彼の分厚い臀部と背中に向けて、鞭を振り下ろした。 

 パシッ! パシッ! 硬質な音と共に、鞭が重厚な脂肪の層に食い込み、瞬時に赤い筋を刻んでいく。 

「グヒャア! ブ、ブヒィイイイイッ!」 

 健太の口から漏れるのは、もはや言葉ではなく、獣の断末魔のような叫びだった。 

「わかった? あなたの体も、その卑しい欲望も、すべては私の所有物なの」

 懲罰が終わると、私は冷徹に言い放った。 

「さあ、自分で貞操帯をつけなさい」 

 健太は鞭で赤く腫れ上がった体を震わせながら、自らの手で忌々しい金属の枷を装着した。

 物理的な痛みと、欲望を封じ込められる屈辱——その二重の苦しみに、彼の体はなおもヒクヒクと痙攣していたが、それこそがこのズル賢い豚にふさわしい報いだった。

 その日を境に、彼は私の目の前で排泄することを義務付けられた。 

 私にはそちらの趣味はなかったが、冬の凍てつく空気の中、ベランダで四つん這いになり、私の冷ややかな視線に晒されながら排便する健太の姿を窓越しに眺めるのは、奇妙な征服感を私に与えた。 

 これほどまでの恥辱的な行為さえ、彼は自身の性的な興奮へと変換しているようだった。 

「本当に、救いようのないマゾね」 

 白い息を吐きながら震えるその肉塊に対し、私は心底からの軽蔑と、抗いようのない支配の快楽を同時に噛みしめていた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...