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第一章 健太の視点
第六話 新たな観客(1)
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美沙様の「家畜」としての日々は、僕にとって抗いようのない日常になっていた。
黒革のマスクで顔を覆い、貞操帯で欲望を封じられ、彼女の足元で鳴き声を上げる。それが、醜い肉塊である僕が望んだ居場所だった。
しかしある日、美沙様から下された命令は、これまでの支配を一変させるほど残酷なものだった。
「ブタ。今日は私のお客様が来るわ。あなたはリビングのケージの中で、四つん這いで待機しなさい。決して人間の言葉を発してはいけないわ」
お客様? 僕以外の誰かが、この家に来る。そして、この無様な姿を晒さなければならない。
恐怖で心臓が激しく脈打つ。けれど、美沙様の命令は絶対だ。
僕はリビングの一角に置かれた犬用の大きなケージの中に這い入り、四つん這いでその時を待った。
夕方、玄関先から若い男の声が聞こえてきた。美沙様が連れてきたのは、裕二という名の、僕とは正反対の若くて健康的な男性だった。
リビングのドアが開いた瞬間、裕二の息を呑む音が聞こえた。
ケージの中で、全裸にマスク姿の巨漢が、家畜として鎮座している。その異常な光景に、彼は言葉を失っていた。
マスクの穴から見える彼の視線。それは、かつて「人間」だった頃の僕が最も恐れていた、底知れない嫌悪と嘲笑に満ちていた。
(ああ、見られている……。見知らぬ男に、美沙様の奴隷としての僕を……)
死ぬほどの恥辱が全身を焼き尽くす。しかし、その恥辱こそが、僕の股間の枷を内側から押し広げるほどの、凄まじい興奮へと変わっていく。
「言ったでしょ? 私の可愛いペットよ」
美沙様は事も無げに言い、裕二をソファへと誘った。
裕二はやがて、僕という存在を「人間」ではなく「ただの奇妙なペット」として受け入れたようだった。
その変化が、僕をさらに惨めな、しかし甘美な奈落へと突き落とした。
「ブタ。出てきなさい。裕二さんのオットマンになりなさい。あなたの醜い背中を、彼に差し出すのよ」
美沙様の冷酷な声がリビングに響いた瞬間、僕の全身は拒絶反応で激しく震えた。
ケージの冷たい床にへばりつき、僕は無意識に体を丸めた。
見られたくない。
自分とは正反対の若く健康的な裕二という「人間」の前に、この120kgの脂ぎった肉塊を、全裸で、しかも家具として晒すことなど、到底耐えられるはずがなかった。
「嫌だ、それだけは……」という言葉が喉まで出かかった。
美沙様一人の前であれば、どれほど辱められてもそれは二人の「秘密」だった。 けれど、見知らぬ男の視線にさらされ、その足を支える道具に成り下がるという事実は、僕の中に残っていた「男」としての最後の自尊心を激しく掻き乱した。
僕はケージの中で丸まって動かず、必死に抵抗を試みた。
しかし、その精一杯の抵抗は、美沙様の冷ややかな視線ひとつで無残に打ち砕かれた。
「そんなに言うことが聞けないのなら、裕二さんの前で鞭打ちね」
「そうだ。裕二さんにも手伝ってもらおうかな」
その脅しは、僕の思考を真っ白にするのに十分な破壊力を持っていた。
逆らえるはずもない。逆らえば、救いのない処罰が待っている。 僕は嗚咽を漏らしながら、死刑台へ向かう罪人のような足取りでケージから這い出した。
肉を揺らし、裕二の足元まで這いつくばった時、僕を支配していたのは「死ぬほどの恥辱」だった。
そして背中にドサリと、重い衝撃が背中に走った。裕二が躊躇なく、僕の背中に足を乗せたのだ。
「マジで……これ、最高に柔らかいっすね」
裕二の嘲笑混じりの声が、僕の背中越しに響く。
美沙様が愛する男性の足を支える、ただの足置き台。
かつての夫が、妻の目の前で別の男の踏み台にされている。
マスクの下で、僕は「ブヒィ……ッ」と、もはや絶頂に近い嗚咽を漏らした。
美沙様は満足げに裕二に微笑みかけ、僕という「家具」の上で、楽しげにカクテルを飲み始めた。
黒革のマスクで顔を覆い、貞操帯で欲望を封じられ、彼女の足元で鳴き声を上げる。それが、醜い肉塊である僕が望んだ居場所だった。
しかしある日、美沙様から下された命令は、これまでの支配を一変させるほど残酷なものだった。
「ブタ。今日は私のお客様が来るわ。あなたはリビングのケージの中で、四つん這いで待機しなさい。決して人間の言葉を発してはいけないわ」
お客様? 僕以外の誰かが、この家に来る。そして、この無様な姿を晒さなければならない。
恐怖で心臓が激しく脈打つ。けれど、美沙様の命令は絶対だ。
僕はリビングの一角に置かれた犬用の大きなケージの中に這い入り、四つん這いでその時を待った。
夕方、玄関先から若い男の声が聞こえてきた。美沙様が連れてきたのは、裕二という名の、僕とは正反対の若くて健康的な男性だった。
リビングのドアが開いた瞬間、裕二の息を呑む音が聞こえた。
ケージの中で、全裸にマスク姿の巨漢が、家畜として鎮座している。その異常な光景に、彼は言葉を失っていた。
マスクの穴から見える彼の視線。それは、かつて「人間」だった頃の僕が最も恐れていた、底知れない嫌悪と嘲笑に満ちていた。
(ああ、見られている……。見知らぬ男に、美沙様の奴隷としての僕を……)
死ぬほどの恥辱が全身を焼き尽くす。しかし、その恥辱こそが、僕の股間の枷を内側から押し広げるほどの、凄まじい興奮へと変わっていく。
「言ったでしょ? 私の可愛いペットよ」
美沙様は事も無げに言い、裕二をソファへと誘った。
裕二はやがて、僕という存在を「人間」ではなく「ただの奇妙なペット」として受け入れたようだった。
その変化が、僕をさらに惨めな、しかし甘美な奈落へと突き落とした。
「ブタ。出てきなさい。裕二さんのオットマンになりなさい。あなたの醜い背中を、彼に差し出すのよ」
美沙様の冷酷な声がリビングに響いた瞬間、僕の全身は拒絶反応で激しく震えた。
ケージの冷たい床にへばりつき、僕は無意識に体を丸めた。
見られたくない。
自分とは正反対の若く健康的な裕二という「人間」の前に、この120kgの脂ぎった肉塊を、全裸で、しかも家具として晒すことなど、到底耐えられるはずがなかった。
「嫌だ、それだけは……」という言葉が喉まで出かかった。
美沙様一人の前であれば、どれほど辱められてもそれは二人の「秘密」だった。 けれど、見知らぬ男の視線にさらされ、その足を支える道具に成り下がるという事実は、僕の中に残っていた「男」としての最後の自尊心を激しく掻き乱した。
僕はケージの中で丸まって動かず、必死に抵抗を試みた。
しかし、その精一杯の抵抗は、美沙様の冷ややかな視線ひとつで無残に打ち砕かれた。
「そんなに言うことが聞けないのなら、裕二さんの前で鞭打ちね」
「そうだ。裕二さんにも手伝ってもらおうかな」
その脅しは、僕の思考を真っ白にするのに十分な破壊力を持っていた。
逆らえるはずもない。逆らえば、救いのない処罰が待っている。 僕は嗚咽を漏らしながら、死刑台へ向かう罪人のような足取りでケージから這い出した。
肉を揺らし、裕二の足元まで這いつくばった時、僕を支配していたのは「死ぬほどの恥辱」だった。
そして背中にドサリと、重い衝撃が背中に走った。裕二が躊躇なく、僕の背中に足を乗せたのだ。
「マジで……これ、最高に柔らかいっすね」
裕二の嘲笑混じりの声が、僕の背中越しに響く。
美沙様が愛する男性の足を支える、ただの足置き台。
かつての夫が、妻の目の前で別の男の踏み台にされている。
マスクの下で、僕は「ブヒィ……ッ」と、もはや絶頂に近い嗚咽を漏らした。
美沙様は満足げに裕二に微笑みかけ、僕という「家具」の上で、楽しげにカクテルを飲み始めた。
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