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第一章 健太の視点
第九話 支配の飽和とブタの懇願
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裕二が頻繁に家を訪れるようになり、僕は「家具」として、あるいは「見世物」として、完璧にその役割をこなしていた。
美沙様が別の男に抱かれ、その傍らで僕が屈辱を舐める……その歪んだ日常が、僕にとってのすべてになっていた。
しかし、ある日、裕二が帰った後のことだ。ケージに戻された僕を、美沙様は今まで見たこともないような、ひどく冷めた目で見下ろした。
「健太」
久しぶりに名前を呼ばれた気がした。けれど、その声には支配の熱も、嗜虐の愉悦もこもっていなかった。
「あなた、もういいわ。……飽きちゃった」
心臓が凍りつくような感覚に陥った。美沙様は、まるで古びた置物を処分するかのような淡々とした口調で続けた。
「あなたに、人間の暮らしに戻りたいか、聞いているの。どうしたい? もう解放してあげてもいいかなって思ってるのよ」
解放? そんなことは考えたこともなかった。そして、今の僕にとって、それは「死」よりも恐ろしい宣告だった。今日この状態が僕の日常なのだ。
美沙様の手でマスクを剥ぎ取られ、久しぶりに彼女と視線を合わせた。彼女の瞳には、僕という存在への執着がほとんど残っていなかった。
裕二との新しい生活、そこには僕という「豚」の居場所はない。そんな残酷な事実を突きつけられたのだ。
(捨てられる……。美沙様がいなくなったら、僕は、誰の所有物にもなれない、ただの醜い中年のデブに戻ってしまう……)
僕は頭を床に叩きつけ、必死に声を絞り出した。家畜の鳴き声ではない、剥き出しの人間の言葉で。
「……美沙様、捨てないでください! お願いです。」
涙と鼻水が溢れ、床を汚していく。かつて持っていたわずかな自尊心も、夫としての面影も、もうどこにもない。僕は、彼女に踏みにじられることでしか、自分の価値を感じることができなくなっていたのだ。
「一生、どんなに辱められてもいい。何にでも従います。だから、そばに置いてください……!」
僕の魂からの、醜い、けれど真実の叫びだった。
しばらくの沈黙の後、僕の背中に、再び美沙様の足の感触が戻ってきた。冷たく、けれど力強い、支配の重み。
「あなたはそう言うと思っていたわ。でもね、言葉だけでは確信が持てないの」
彼女は部屋の隅から、見慣れない小箱を取り出した。中には、精巧に作られた金属製の「焼き印」が入っていた。
「これがなんだか分かる? あなたが本当にこの生活を続けると言うのなら、あなたのその醜い胸と背中に、私の所有としての印を刻んであげる」
「一度入れれば、二度と人間には戻れない。社会からも、普通の幸せからも永遠に追放される『奴隷の刻印』よ。その覚悟はある? それとも、ここで私に捨てられて、一人の人間に戻る?」
焼き印。一生消えない隷属の証。その重い問いかけに、僕の全身は震えた。しかし、迷いはなかった。美沙様から切り捨てられること、それだけが僕にとって唯一の絶望だったからだ。
「……お願いです。美沙様。僕の体に、あなたの印を刻んでください。たとえ肌を焼かれても構わないので、どうか捨てないでください……!」
魂を削り出すような僕の懇願を聞き、美沙様はしばらく無言で僕を見下ろしていた。
やがて、彼女の瞳にサディスティックな満足感が戻ってくるのがわかった。
「いいわ、ブタ。そこまで言うなら、一生飼ってあげる。永遠に、醜い豚奴隷として、私と裕二の快楽のために生きなさい。その刻印にふさわしい絶望を、たっぷり与えてあげるわ」
その言葉を聞いた瞬間、僕は絶頂に似た安堵感に包まれた。
僕は一生、この人の足元で、自らを恥じ、辱められながら生きていく。美沙様という絶対的な支配者に永遠に囚われたことに、僕は心底からの歓喜を覚えていた。 「ブヒッ……ブヒィイ……!」 僕は感謝を込めて、彼女の足をなめ尽くした。
その日、僕は美沙様の奴隷としての刻印を背中と胸に押された。
こうして美沙様は永遠のご主人様となった。
僕は心底からの歓喜を覚えた。
END
美沙様が別の男に抱かれ、その傍らで僕が屈辱を舐める……その歪んだ日常が、僕にとってのすべてになっていた。
しかし、ある日、裕二が帰った後のことだ。ケージに戻された僕を、美沙様は今まで見たこともないような、ひどく冷めた目で見下ろした。
「健太」
久しぶりに名前を呼ばれた気がした。けれど、その声には支配の熱も、嗜虐の愉悦もこもっていなかった。
「あなた、もういいわ。……飽きちゃった」
心臓が凍りつくような感覚に陥った。美沙様は、まるで古びた置物を処分するかのような淡々とした口調で続けた。
「あなたに、人間の暮らしに戻りたいか、聞いているの。どうしたい? もう解放してあげてもいいかなって思ってるのよ」
解放? そんなことは考えたこともなかった。そして、今の僕にとって、それは「死」よりも恐ろしい宣告だった。今日この状態が僕の日常なのだ。
美沙様の手でマスクを剥ぎ取られ、久しぶりに彼女と視線を合わせた。彼女の瞳には、僕という存在への執着がほとんど残っていなかった。
裕二との新しい生活、そこには僕という「豚」の居場所はない。そんな残酷な事実を突きつけられたのだ。
(捨てられる……。美沙様がいなくなったら、僕は、誰の所有物にもなれない、ただの醜い中年のデブに戻ってしまう……)
僕は頭を床に叩きつけ、必死に声を絞り出した。家畜の鳴き声ではない、剥き出しの人間の言葉で。
「……美沙様、捨てないでください! お願いです。」
涙と鼻水が溢れ、床を汚していく。かつて持っていたわずかな自尊心も、夫としての面影も、もうどこにもない。僕は、彼女に踏みにじられることでしか、自分の価値を感じることができなくなっていたのだ。
「一生、どんなに辱められてもいい。何にでも従います。だから、そばに置いてください……!」
僕の魂からの、醜い、けれど真実の叫びだった。
しばらくの沈黙の後、僕の背中に、再び美沙様の足の感触が戻ってきた。冷たく、けれど力強い、支配の重み。
「あなたはそう言うと思っていたわ。でもね、言葉だけでは確信が持てないの」
彼女は部屋の隅から、見慣れない小箱を取り出した。中には、精巧に作られた金属製の「焼き印」が入っていた。
「これがなんだか分かる? あなたが本当にこの生活を続けると言うのなら、あなたのその醜い胸と背中に、私の所有としての印を刻んであげる」
「一度入れれば、二度と人間には戻れない。社会からも、普通の幸せからも永遠に追放される『奴隷の刻印』よ。その覚悟はある? それとも、ここで私に捨てられて、一人の人間に戻る?」
焼き印。一生消えない隷属の証。その重い問いかけに、僕の全身は震えた。しかし、迷いはなかった。美沙様から切り捨てられること、それだけが僕にとって唯一の絶望だったからだ。
「……お願いです。美沙様。僕の体に、あなたの印を刻んでください。たとえ肌を焼かれても構わないので、どうか捨てないでください……!」
魂を削り出すような僕の懇願を聞き、美沙様はしばらく無言で僕を見下ろしていた。
やがて、彼女の瞳にサディスティックな満足感が戻ってくるのがわかった。
「いいわ、ブタ。そこまで言うなら、一生飼ってあげる。永遠に、醜い豚奴隷として、私と裕二の快楽のために生きなさい。その刻印にふさわしい絶望を、たっぷり与えてあげるわ」
その言葉を聞いた瞬間、僕は絶頂に似た安堵感に包まれた。
僕は一生、この人の足元で、自らを恥じ、辱められながら生きていく。美沙様という絶対的な支配者に永遠に囚われたことに、僕は心底からの歓喜を覚えていた。 「ブヒッ……ブヒィイ……!」 僕は感謝を込めて、彼女の足をなめ尽くした。
その日、僕は美沙様の奴隷としての刻印を背中と胸に押された。
こうして美沙様は永遠のご主人様となった。
僕は心底からの歓喜を覚えた。
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