ひきこもりがいくぅ

東門 大

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第二章 アップデート

第十四話 企み

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 ケイは、僕を呼ばなくなったが、それ以外の生活や僕との接し方は何も変わらなかった。

 なぜ遊んでくれないのか聞いてみたかったが、聞くと嫌われそうで、恐ろしくて聞けなかった。

 僕がベッドで悶々としていると、ケイがカーテンを開ける音が聞こえた。

 ケイの入浴タイムだった。

 僕も知永世の時も、お風呂にカーテンなど付いていなかったのだが、ケイは特別だった。

 ケイのお風呂はカーテンで覆われ、外からは遮断されていた。

 結果、僕はケイの裸は一度も見たことはなかった。僕自身はずっと裸で暮らしているのに……

 この日の僕は、ケイの入浴姿を覗きたいという衝動を抑えられなかった。

 なにしろ一週間くらい溜まっていて、発狂してしまいそうなくらいなのだ。自分でヌクことも考えたが、もしかするとケイから声がかかるかもしれないと思うと、勿体無くてできなかった。

 だから、今日こそ覗いて、一人でイッてしまおう。そう決意した。

 カーテンから影は見えるから、ケイに気づかれず後ろから見ることは可能に思えた。

 ケイがシャワーを浴び始めるのを確認できたので、ゆっくりとお風呂に近づいた。そして震える手でカーテンの隙間をほんの少しだけ広げた。

 だが残念なことに、シャワーを浴びる姿は拝めなかった。ケイはすでに浴槽に浸かっていたからだ。

 ガッカリするのも束の間、ケイがチラッと後ろを振り向いた。

 僕は気づかれたのではと思い、あわててベッドに戻った。

 気づかれてしまったのではないかとビクビクしていたが、浴槽から出たケイからは、何も言われず肩をなでおろした。
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