交通量調査物語

がしげげ

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18、男なら誰しも夢見るシチュエーション

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「ごぶさた(笑)。峯岸グループだったんですね。よろしく。」

篠田さんは僕が来ることを知らなかったようだ。
チームこそ違うが、同じ峯岸グループに僕がいることも。
当然そんなことはどうでもよく、とにかく何か言葉を発したい。

「よ、よろしく。ビックリして言葉が出んかった…。」

車の最後尾列には、小柄な年配男性調査員が3
名。
真ん中にあたる2列目には、僕が開けたドアの反対側から、年配の女性調査員、篠田さん、空席となっていた。

念のため、助手席を確認。
おそらく山本さんの私物であろうものが置かれ、誰かが座る気配はない。

ということは…

篠田さんの…隣…?

あからさまに喜んでいると最後尾列の男性陣に恨まれそうなので、なんとか平静を装っていたが、心の中では特大のガッツポーズを決めていた。
これは…
小学校の席替えで、隣が好きな子になったときの喜びを思い出す。
僕は違和感を出さないように、出来るだけ自然にその空席に乗り込んでドアを閉めた。

僕以外が女性の列だからだろう。
先日の高橋チーム車とは違い、狭さはあんまり感じなかった。
ただ、隣は隣。
篠田さんの肩や腕は、ちょっとした揺れでも触れそうな距離だ。
そして、ほのかに香る甘い香り。
香水?シャンプー?
車内でそこだけがマイナスイオンを放っているようだった。

バタン!

「そろそろ行きますか。」
 
山本氏が運転席に乗り込んで来た。

「和歌山の南の方やから、3時間ぐらいかな。みんなしっかり寝といて下さいね~。」

3時間か…

この状況なら何時間でもウェルカム。
むしろもっと長くして欲しいぐらいだ。

「んじゃ、行きますね。よろしくお願いします。」

ブルルン。

エンジンがかかるとともに、クーラーの冷たさを感じた。

しかし、暑い日だ。

6月ということもあり、篠田さん以外は既に夏服。
クーラーの程よい冷たさが心地よい車内になった。



出発から5分。

早速高速道路の入り口を通過した。
最後尾列からは既に寝息も聞こえる。 

早いな…

しかし、大半がまだ起きている。
いずれにしても密室の車内でコソコソ話をするのは難しそうだ。
篠田さんと色々話がしたいのに…

彼氏との状況はどうなのか、夜の仕事は続けているのか…
食事に誘えないか…

さすがに理性による制御が入り、僕は沈黙に徹した。
一方、篠田さんは反対側の年配女性と親しげに話をしている。
そして、最後尾の男性達は3人とも寝たのか、寝息の音が複数パターンとなっていた。

コツン、コツン。

予想通りちょっとした揺れで篠田さんの肩や腕が触れる。
恐らく性的?の興奮がある中で、寝れる心情ではなかったが、とりあえず僕は目を閉じた。



30分ぐらいたった頃だろうか。

僕は半寝のような状態で、目を閉じ続けていた。
もはや篠田さん達の会話の内容は頭に入って来ておらず、意識が飛んだり戻ったりを繰り返していた。

その時。

「そろそろ私も寝るわ。おやすみ。」

年配女性の方から就寝宣言があったようだ。

「おやすみなさい。」

篠田さんが返答したようだ。

僕は目を閉じてるのが心地よいぐらいまで半寝状態になっていた。



そこから少し時間も経ち、ついには夢を見るぐらいまで半寝が深くなっていた。

ドサッ。

ん?

何が起こった?

眠気に逆らい、僕はゆっくりと目を開いた。

車内が暗いことと、山本さんが運転していること。
そして、カーナビの時計を見ることで、出発から1時間程度が経過したことを一瞬で理解した。

しかし…

ん…?

右肩に少し重みを感じる。

とっさに左手で右肩を触ろうとしたその時だ。

ファサ…

手にあたる繊維状の柔らかい感触。
目を向けると、それはなんと篠田さんの髪の毛だった。

彼女が僕の肩にもたれ掛かっていたのだ。

当然、僕は一気に覚醒した。
どれだけ耳を澄ませても彼女の寝息は聞こえず、僕の心臓の鼓動だけが聞こえる。

神様、ありがとう(涙)








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