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latest episode Z . シモンの場合 / old beauty 伝説の性奴隷
Simon 008. the last road
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だが、
長年の館勤めという悪習が、私を急速に堕落させたのだろうか。イヤ、元来私はそうした虚栄心の芽のあった男ではある。
「あぁん…ぉぉ、ぉぉ…そこ、感じてしまいます…アヌスが…おまんこにされてしまうッ」
「この猛々しい男根…あぁん…あぁん、愛に対する愛の報酬…これがなくては、私は誰のことも愛することができませぬ」
シモンの声が錆びた刃物のように響く。穿たれたペニスが激しくアヌスを揺すっていた。
頭上のどこかで、官能が思考ごとうねっている。
高い笑い声が、耳の端から端まで駆け抜けてゆく。
これほどのエロスまで登りつめて、なお、プライドにしがみついている性奴隷を、若造が嘲笑する。
「ウワァぁぁ…、大きい、固い…ああ」
内部で、何頭もの巨獣が駆け回り、アヌスの敏感な肉の上方で、うねっているのがわかる。
「来い。来い」
「アァー!!」
全身に汗が吹き出た滑る身体を、筋骨たくましい腕が強く抱き締めてくれる。
「おいで」
柔らかいおまんこに熱いスペルマを注がれる。
「おい、震えてるぜ」
座っている若い旦那さまが声をかけてきた。
シモン自身もすっかり心神耗弱とはきっとこのこと、と妙に納得していたが、
若い旦那さまが急に優しい声色で
「性奴隷というものは、たいていの場合に特殊なものであるが、シモンは格別だ」
と耳を擽ってきたものだから、シモンはため息をつくしかない。
あと、三人もいる。
「われ 天命を受け入れる」
館の外はすっかり夜となり、都会特有のカラッ風が吹いている。建物の周辺に洋燈をカッカと灯しはじめても、館内には多くの人が残っていた。
性奴隷のシモンは、大勢の人を待たせていることに罪悪感等覚えないから、
館の地下に設けられている性奴隷専用のカビひとつはえていない清潔なバスルームで
「こうなのよ。何でも人間の身体に附属したものは、爪であろうが、垢であろうが、要らないものは一つもないとね、」と唄いながら、
たっぷりの泡風呂の浴槽に身を沈め、腕捲りをした職員に体を洗わせている。
バスピローに首を預けゆったり寛ぎながら、浴槽から小麦色の両腕をしなやかに伸ばすシモン。
泡泡のトロトロに輝く右腕は、職員がスポンジで丁寧に洗っている。
左手は、傍らの椅子に座っている百姓旦那さまの膨れた手を握りしめていた。
館の前の四角い広場では霧がますます濃くなり、うっすらと街灯に照らされていた。
シモンの熱狂的なファンである旦那さま方は、上着が湿ろうと、電車の時間に遅れようと、立ちっぱなしの足が痺れようと、構いもせずに、最後の見送りを諦めずに
ずっと待っておられた。
館の扉が開き、
ようやく現れたシモンは歩く一本のマグノリアの樹のようで、旦那さま方の目にはそれ自体が光源のように見えた。
シモンは奇妙な体の軽さを感じた。ずっと背負っていたものを降ろしたような浮き足だつ印象に自然と顔が綻んだ。
グロスをたっぷり塗った唇輝き、
そのあまりのチャーミングさに、
旦那さま方は見とれ、また別れを惜しんで涙をこぼすのだった。
ある時は性奴隷として、またある時には肉便器として、幾度も通った
館の前庭のこの小道。
霧に濡れた深緑色の門の前で、館のエンブレムが輝くリムジンがシモンを待っている。
遂に、遂に、最後の一歩を踏んだそのとき
「シモン、大勝利万歳!!」
「伝説の性奴隷さま、さよなら!!」
「万歳!!万歳!!」
旦那さま方の合唱が響き、夜露に吸い込まれていった。
振り向けば、来客は皆、帽を脱して、恭しく一礼していたが、
シモンは手も振らずに車に乗り込んだ。
長年の館勤めという悪習が、私を急速に堕落させたのだろうか。イヤ、元来私はそうした虚栄心の芽のあった男ではある。
「あぁん…ぉぉ、ぉぉ…そこ、感じてしまいます…アヌスが…おまんこにされてしまうッ」
「この猛々しい男根…あぁん…あぁん、愛に対する愛の報酬…これがなくては、私は誰のことも愛することができませぬ」
シモンの声が錆びた刃物のように響く。穿たれたペニスが激しくアヌスを揺すっていた。
頭上のどこかで、官能が思考ごとうねっている。
高い笑い声が、耳の端から端まで駆け抜けてゆく。
これほどのエロスまで登りつめて、なお、プライドにしがみついている性奴隷を、若造が嘲笑する。
「ウワァぁぁ…、大きい、固い…ああ」
内部で、何頭もの巨獣が駆け回り、アヌスの敏感な肉の上方で、うねっているのがわかる。
「来い。来い」
「アァー!!」
全身に汗が吹き出た滑る身体を、筋骨たくましい腕が強く抱き締めてくれる。
「おいで」
柔らかいおまんこに熱いスペルマを注がれる。
「おい、震えてるぜ」
座っている若い旦那さまが声をかけてきた。
シモン自身もすっかり心神耗弱とはきっとこのこと、と妙に納得していたが、
若い旦那さまが急に優しい声色で
「性奴隷というものは、たいていの場合に特殊なものであるが、シモンは格別だ」
と耳を擽ってきたものだから、シモンはため息をつくしかない。
あと、三人もいる。
「われ 天命を受け入れる」
館の外はすっかり夜となり、都会特有のカラッ風が吹いている。建物の周辺に洋燈をカッカと灯しはじめても、館内には多くの人が残っていた。
性奴隷のシモンは、大勢の人を待たせていることに罪悪感等覚えないから、
館の地下に設けられている性奴隷専用のカビひとつはえていない清潔なバスルームで
「こうなのよ。何でも人間の身体に附属したものは、爪であろうが、垢であろうが、要らないものは一つもないとね、」と唄いながら、
たっぷりの泡風呂の浴槽に身を沈め、腕捲りをした職員に体を洗わせている。
バスピローに首を預けゆったり寛ぎながら、浴槽から小麦色の両腕をしなやかに伸ばすシモン。
泡泡のトロトロに輝く右腕は、職員がスポンジで丁寧に洗っている。
左手は、傍らの椅子に座っている百姓旦那さまの膨れた手を握りしめていた。
館の前の四角い広場では霧がますます濃くなり、うっすらと街灯に照らされていた。
シモンの熱狂的なファンである旦那さま方は、上着が湿ろうと、電車の時間に遅れようと、立ちっぱなしの足が痺れようと、構いもせずに、最後の見送りを諦めずに
ずっと待っておられた。
館の扉が開き、
ようやく現れたシモンは歩く一本のマグノリアの樹のようで、旦那さま方の目にはそれ自体が光源のように見えた。
シモンは奇妙な体の軽さを感じた。ずっと背負っていたものを降ろしたような浮き足だつ印象に自然と顔が綻んだ。
グロスをたっぷり塗った唇輝き、
そのあまりのチャーミングさに、
旦那さま方は見とれ、また別れを惜しんで涙をこぼすのだった。
ある時は性奴隷として、またある時には肉便器として、幾度も通った
館の前庭のこの小道。
霧に濡れた深緑色の門の前で、館のエンブレムが輝くリムジンがシモンを待っている。
遂に、遂に、最後の一歩を踏んだそのとき
「シモン、大勝利万歳!!」
「伝説の性奴隷さま、さよなら!!」
「万歳!!万歳!!」
旦那さま方の合唱が響き、夜露に吸い込まれていった。
振り向けば、来客は皆、帽を脱して、恭しく一礼していたが、
シモンは手も振らずに車に乗り込んだ。
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