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5.荷物持ちだと思っていたのに荷物持ちではなかった-3-
しおりを挟む「翠耀様、今日は本当にありがとうございました」
飯店で食事を終えた後、私と翠耀さんは竹林を歩いていて、その時に食事だけではなく服も奢ってくれたお礼を言ったの。
「──・・・」
翠耀さんが何か言ったような気がするのだけど・・・聞き取れなかったわ。
翠耀さんの顔、赤くなっている?
何で?
「ホクト。鳳凰州での暮らしは慣れたか?」
「は、はい・・・」
自分の故郷とは習慣は違うし、料理の味付けは似ているようでいてどこか違いがあるから戸惑いはあったけど今では慣れたと答えたわ。
「そうか。それは良かった」
どうやら今日の外出は翠耀さんなりに考えてくれた、慣れない土地で働いている私に対する息抜きのようなものだったみたいね。
「ホクト、そなたは強いな・・・」
「僕が、強い・・・?」
「ああ。両親の死が切っ掛けであるとはいえ、故郷を離れて異国の地で生きている。様々な思い出がある故郷を離れて生きていくという道を選び、それを実行しているという事が、そなたの強さを証明している・・・」
両親・・・
(お父さん・・・お母さん・・・)
翠耀さんの言葉で二度と会う事が出来ない家族と友人達、コスプレ仲間達を思い出してしまった私は自分でも知らないうちに涙を流していたの。
「お父さん・・・お母さん・・・優・・・」
「ホクト・・・?」
「会いたい・・・帰りたい・・・日本に、帰りたい・・・」
「──・・・」
声を押し殺して泣いている私が感じたのは、この世の苦しみと辛さから護るかのように、悲しみを癒すかのように触れる翠耀さんの掌と温もりだった──・・・。
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