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1話
しおりを挟む私、水沢 蓮花(25)は家族と一緒に古民家でカフェを経営しています。
周囲の人達からは「蓮花さんって清楚系美人だよな~」と言われていますが母の薫陶を受けているからなのか、立派な腐女子です。
そんな私が住んでいる自宅の扉の前に・・・・・・コスプレイヤーが倒れていました。
頭に生まれつき生えているかのような山羊の角といい、ファンタジーものに出てくる凝ったデザインの衣装といい、アクセサリーといい、最近のコスプレ衣装は非常にクオリティーが高いです。
この人・・・どこから来たのでしょうね?
警察に電話しようとしたその時、倒れているイケメンコスプレイヤーさんと同じくらいにクオリティーの高いイケメンコスプレイヤーが現れました。
「魔王様!」
魔王様?
コスプレイヤーがコスプレをしている時は役になりきっていると聞いた事がありますが・・・イベント会場でならまだしも、このような場所でそのキャラクターを演じているのは恥ずかしくないのでしょうか?
「ベルトルト!飯が不味いからって異世界に逃げんじゃねぇぞ!ゴラァ!!」
倒れている魔王様(?)とやらの胸元を掴んだ男性は・・・思いっきりグーパンで殴りました。
「クラウス!魔族の頂点に立つ魔王である俺を殴るとは・・・・・・いい度胸しているじゃねぇか!!」
クラウスのくせに生意気なんだよ!!!
殴られた事で目を覚ましたらしい魔王様(?)ことベルトルトという男性は、自分をグーパンで殴った男性ことクラウスという男性の鳩尾を蹴っていました。
ボキッ
・・・・・・肋骨の何本か折れた音がしたはずですが、不思議な事に蹴られたクラウスさんとやらはケロッとしています。
・・・・・・この人達、何とかという漫画に出てくる野菜人みたいに肉体が頑丈なのですかね~?
某格闘漫画を思わせる壮絶な死闘がどれくらい続いたのでしょうか。
ボロボロになった二人はようやく私の存在に気が付いてくれました。
「「あんた誰?」」
・・・・・・それはこっちのセリフです!
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