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2話
しおりを挟む頭に角の生えているイケメンの名前はベルトルト、魔王様とやらをグーパンで殴ったイケメンの名前はクラウスというらしいです。
何でも幼馴染みであると同時に主従なのだとか・・・。
幼馴染み・・・
主従・・・
この二人を腐女子仲間にしてプロのBL漫画家の聖羅先生に紹介したら、異世界を舞台にしたBLを描いてくれるかも知れません。
王道で主人×従者?
それとも下剋上で従者×主人?
・自分達が住む世界はフラワーライトで、地球から見たらフラワーライトという世界は異世界になる
・自分達は魔族と呼ばれる種族で、人間と比べたら身体が頑丈で膨大な魔力を有しているので高度な魔法文明を築いている
・但し全てを魔法に頼っているが故なのか、人間の住む世界と比べたら食文化が恐ろしいレベルで低い
私の妄想はどうでもいいとして・・・・・・二人の話を簡単に纏めるとこんな感じでした。
「我ら魔族よりも食文化が発展しているらしいという噂を耳にした余は角を隠して人間の世界へと赴いたのだ」
「確かに人間の世界の食文化は我等魔族よりも発展していました・・・」
肉や魚に火を通してたっぷりの塩と胡椒で味付けする辺り「やるな、人間」と思ったくらいだそうです。
魔族の食事ってどんな感じなのか?
疑問を抱いた私はベルトルトさんとクラウスさんに聞いてみたのですが・・・想像以上に酷いものでした。
素焼きしたカエルやトカゲを煮込んでスープにするとか、炙った肉や魚に何の味付けもしないでそのまま食べるとか・・・。
話を聞く限り魔族の食文化はゲテモノなのかも知れないですね。
だったらフラワーライトの人間に料理人になってくれるように頼んだらいいじゃないと言った私に、最初はそうするつもりだったのだが、自分達が信仰する魔族の神に「地球の食文化はフラワーライトより遥かに進んでいるからスカウトするんだったら地球人がいいよ。でも地球人の肉体は君達と比べてヤワだからね~。スカウトするのは諦めるしかないんじゃない?でも屈強な肉体を持つ君達魔族だったら異世界間の移動が出来るから地球に行ってみる?(意訳)」と神託がベルトルトさんに下ったのだそう。
神の言葉に従いベルトルトさんが地球を覗いてみると神の仰る通り、地球の食文化はフラワーライトより進んでいたのだそうです。
最初は見ているだけで満足していたらしいのですが、美味しそうな料理を食べる事が出来ないのは拷問に等しい行為だ!
遂に我慢出来なくなったベルトルトさんは地球まで料理を食べに行ったのだとか。
地球の料理の美味しさに感動したベルトルトさんは度々クラウスさんの目を盗んで料理を食べに行っており、その事が側近のクラウスさんにばれてしまったので先程の喧嘩になったらしいです。
喧嘩!?
どう考えてもさっきのあれは喧嘩ではなくバトルのような気がするのですけど!?
魔族って高度な魔法文明を築いているのですよね!?
何で食文化が発展していないのでしょう?
草木の一本が生えないような不毛な土地だから?
疑問に思っていた事が顔に出ていたのでしょう。
魔族というのは魔力と戦闘力に秀でているが人間のように手先が器用ではなく、料理や裁縫といった繊細で根気のいる作業が苦手なのだそうです。
・・・・・・魔族って野菜人みたいな種族だと思っていいのかと考えれば何となく納得出来ました。
ぐぅ~っ
「「お、お腹が空いた・・・」」
ベルトルトさんとクラウスさんがお腹を押さえながら私に訴えてきました。
「贅沢は言わないけどハンバーグステーキが食べたい」
ハンバーグの作り置きが冷凍庫にないのでハンバーグステーキは無理だと言ったらベルトルトさんはショックを受けていました。
今のベルトルトさんは肉を食べたい心境だったのでしょうね。
そんなベルトルトさんの為に私は肉を使った料理を用意する事にしました。
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