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3話
しおりを挟む私が二人の為に作ったのは牛肉の細切れを使ったロコモコ丼です。
付け合わせは人参のポタージュスープにしました。
「美味!」
「これならば魔王様が地球まで食べに行っているのも納得します!」
欠食児童のように平らげているのに食べる時の仕種が綺麗だと感じるのは、やはり魔王様とその側近だからなのかも知れません。
ロコモコ丼と人参のポタージュスープを二皿ずつ、食後のデザートとして用意したショートケーキとアイスカフェオレを食べた事で落ち着いたのでしょう。
クラウスさんがある事を提案してきました。
一つのメニューにつき銀貨一枚(日本円にして二~三千円くらい)払うから、私が作った料理を魔界に届けて欲しいと・・・
私を異世界に連れて行った方が手っ取り早いような気がするのですが、ベルトルトさんの話によると『人間の肉体は魔族のように頑丈ではないので異世界間の移動に耐えられず上半身と下半身が引き裂かれてしまう』のだとか。
世の中は金です!!!
金のある者こそが勝者なのです!!!
金こそ全て!!!
金!
金!
金!
お金が欲しい私と美味しい料理が食べたい魔族側の利害が一致したので契約する事にしました。
「白身魚のフライプレート、鶏のつくね御膳、ステーキ丼、抹茶ロール、アイスティー、二種類のピザプレートの注文が五十皿ずつ入ったわ!」
私が魔族側のオーダーを伝えると家族が一丸となって作る→作った料理を魔族側が開いたゲート(?)のようなもので受け渡す→その時に代金(金貨や銀貨)を受け取る→受け取った代金は金や貴金属等を買い取ってもらう店に行って換金する
こんな感じで一生遊んで暮らせるだけの金を稼いでいるのですが働いていないと精神的に落ち着かないのか、今でも店で作った料理を異世界にデリバリーしています。
注文が多いので忙しいけれど魔族側の「美味しかった」という言葉に励まされながら充実した日々を送っています。
余談ではありますが──・・・
ベルトルトさんとクラウスさんを見た聖羅先生は作家としての妄想を掻き立てられたのか、二人をモデルに〇奥や古代中国の後宮を舞台にしたドロドロな修羅場+ハードな濡れ場もあるBLを描きまくっています。
応援ありがとうございます!
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