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⑧ハーネット王国の滅亡-5-
しおりを挟む「こうして、ハーネット王国は焼け野原の廃墟と化しました・・・」
イビルゲイザーが記録している映像はここで終わっていた。
「レオパルド、私の甥達は命を落としたのよね?自分の事を獅子だと勘違いしている雑種の犬はどうなったの?」
財産を持って逃亡したと言っていたが、パリスがどうなったのかを知らないクリュライムネストラは、雌犬とその子供が夫とインフェル王国に戻ったという事に腑に落ちないと思いながらも尋ねる。
「それは」
ふぁ~っ・・・
レオパルドがパリスの事を話そうとしていた時、気持ちよさそうに眠っていたヴェルナードが目を覚ます。
「かあさま、おはなしはまだなのでしょ?」
自分も聞くと言っているヴェルナードに、ハーネット王国の話はもう終わってしまったのだと教える。
ぷぅ~っ
自分だけ仲間外れにしたと頬を膨らませるヴェルナードに、もう少し大きくなったら話してあげると言えば納得したような納得してないような表情を浮かべたその時──・・・。
くぅ~っ・・・
ヴェルナードの腹の虫が鳴った。
吸血鬼の主食が血というのはあくまでも物語の中だけであって、事実は大いに異なる。吸血鬼も生物の一種なのだから、液体だけではなく人間のようにパン・魚・肉・野菜といった食物も口にしないといけないのだ。
「焼き菓子でも食べるか?」
「はい」
小腹が空いているヴェルナードをディナーまで待たせるのは酷だと思ったレーヴェナードは、侍女達に四人分のデザートの用意を命じる。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
侍女達が持ってきたのは、厨房を取り仕切っているドワーフの料理長お手製のフィナンシェとホットココアだった。
「おいしいね~」
「本当ね」
ミルクの優しい甘さと、フィナンシェのしっとりとした食感が四人の心を癒す。
「我が君、王后様、ヴェルナード様。よろしいでしょうか?」
暫くの間、ティータイムを楽しんでいた三人に、レオパルドがハーネット王国を滅ぼした元凶の一人を御前に出してもいいかを尋ねる。
「元凶の一人ってあの馬鹿・・・ではなく、アホ・・・ではなく、顔だけが取り柄の元第四王子の事よね?どこに居たの?」
元婚約者であるクリュライムネストラの母の祖国であるメディクス王国を目指している途中のところを捕らえたので、ドラゴンに乗せてサクリフィス大陸まで連れて来たのだと話す。
「げんきょう?げんきょうってわるいやつなの?」
「そうよ。母様の故郷を滅ぼした悪い奴なの!」
溺愛する息子が王子としてあるが為だけに、叔母に当たるクリュライムネストラの婚約者だった男を一目見てみたかったレーヴェナードは処刑室まで連行するようにとレオパルドに命じる。
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