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④スノーホワイトの望みは平凡な日常を送る事である-2-
しおりを挟む・・・さい、・・・なさい
「目覚めなさい、スノーホワイト」
自分を呼ぶ穏やかでありながら神々しさを感じさせる声にスノーホワイトが目を覚ます。
(・・・?)
スノーホワイトの前に立っているのは、女性の理想を全て集めたかのような艶めかしい身体つきの美女だった。
(シースルーなドレスも、あれくらいのナイスバディだと芸術になるのね・・・)
スノーホワイトの、美女に対する第一印象がそれだった。
「私はカッツェ」
「カッツェ・・・?豊穣と性愛、月と戦いを司る女神様と同じ名前?」
「ええ、私はその女神カッツェです。それにしても・・・私達の世界を基にした乙女ゲームとやらがある日本は面白いですね」
(自分の事を神と宣う人って中二病とか、怪しい宗教の教祖として祀り上げられたりするのよね~)
「貴女、私の事を頭のいかれたカルト教団の教祖とか中二病だと思っているでしょ?」
(!?)
「何で自分が思った事が分かったのか?私は女神です。人間の心を読むくらい訳ない行為ですよ」
驚愕したスノーホワイトがおかしいのか、鈴を転がすような声で笑った後カッツェは話す。
可愛い容姿と間延びした喋り方で男受けがいい後輩の女性社員である植田 日葵(23)に婚約者の明智 翔太(31)を奪われたその日、車に轢かれて即死した柏木 鳴海。
将来が約束されているエリートだったけど、鳴海の最初で最後の男が早漏で粗チンな翔太だなんて余りにも気の毒過ぎる!!
男を愛し、男に愛される悦びを知らぬまま再び日本人として転生する事を不憫に思った自分が鳴海をこの世界に転生させたのだと──・・・。
「美人だけど、お堅くて近寄り難い雰囲気で柔道の有段者。女の可愛げがなかった柏木 鳴海と違って私の眷属となったスノーホワイトは世の男共を魅了せずにはいられない清楚で華やかな美少女に成長するから安心して♡」
後、ちょっとした愛撫でも感じて軽く達してしまう淫乱な肉体になるようにしておいたわ♡
「それって裏を返せば、拷問されても感じてしまうって事ですよね!?」
前世の自分はSでもなければMでもない、婚約者だった翔太の言葉を借りればマグロな人間だった。
本当は翔太が下手だったので鳴海はマグロだった事を先に言っておく。
苦痛も快楽として受け取ってしまう身体なんていらないとスノーホワイトはカッツェに意見したのだが、拷問されたら苦痛を感じるのでその辺りは安心して欲しいと女神は幼子の言葉を笑い飛ばす。
「前世は早漏で粗チンで女を悦ばすのが下手な翔太とやらしか知らなかったせいでマグロと罵られていた鳴海ちゃん♡」
父親と近親相姦するのも、七人の精霊と複数プレイするのもスノーホワイトの自由♡
現世では思う存分、男と楽しんで頂戴ね♡
そんな人生嫌だーーーっ!!!
私は平凡な人生を送るんだーーーっ!!!
カッツェに向けて絶叫したスノーホワイトは気を失ってしまった。
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