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1話
しおりを挟む私はティアリリー。
フラワージュエル王国の第一王女。
なのだけど、実は誰にも言えない秘密を抱えているの。
私の秘密。
それは・・・前世の記憶があるの!!!
・・・・・・お前、いい年をして厨二病を患っているの?って思ったでしょ!?
でも事実なの!!!
前世の私の名前は藤川 環という若い頃は腐女子、結婚してからは貴腐人だったけど・・・・・・厨二病である事は否定しないわ。
農業・ファーム、アイテム探しに建国、パズルに着せ替えといったゲームを楽しんでいた事を除けば息子と娘を育てた兼業主婦だったの!
家族に看取られて往生した私がフラワージュエル王国という、地球では耳にした事がない国に転生した理由は分からないわ。
とにかくフラワージュエル王国の第一王女として転生した私なのだけど、王族だからと言えばいいのか家庭環境は複雑なのよ。
私の父の名はローレル、母の名はエメラルダ。
ティアリリーこと私は第一王女で両親は国王と王妃。
傍から見れば美男美女の国王夫妻なのだけど・・・・・・実は私の母親って美容とお洒落にしか興味がなく育児放棄をしている。
王妃としての勤めを何一つ果たしていないし、母親としても最低な人物なの!!!
いや。次期国王となる王子のロータスを産んだのだから役目の一つを果たしていると言うべきか・・・。
何故、お父様はお祖母様が選んだ女性・・・・・・つまり私から見て伯母に当たるサファイア様ではなくお母様を選んだのかしらね?
・・・・・・・・・・・・顔か!?
やはり顔なのか!!?
お祖母様に雰囲気が似ているクールビューティーな才媛のサファイア伯母様より、華やかな雰囲気を纏っている美少女なお母様がお父様の好みだったのね・・・。
私が産まれる前の出来事だからお祖母様と乳母も詳しく話してくれないけど、最終的にお祖母様が折れる形でお父様の『エメラルダ嬢でないと結婚しないし、世継ぎも作らない!』という主張を認めたみたい。
紆余曲折(?)を経てお父様と結婚したお母様なのだけど───王妃になったら毎日綺麗なドレスを纏って遊び放題の贅沢し放題だと思っていたのに、実際は外交の為に他国の歴史に言語、風習等を勉強したり、何かをするにしても宮廷の規則に縛られているので自分の思い通りに動く事が出来ないし腹芸は当たり前。
何より周囲からは世継ぎとなる男児の誕生を期待されているという重圧に負けてしまったお母様は・・・自分の美貌を保つ為に行動するようになった。
ロータスが、と言うより私が産まれる前から、毎日の牛乳風呂にマッサージ、ドレスをとっかえひっかえする毎日を送っているの。
子供が産まれたら体形が崩れるとか宣って牛乳風呂とマッサージに加えて専属トレーナーを雇って運動三昧。
しかもネグレクト・・・。
お母様?
結婚前の貴女って公爵令嬢だったよね?
公爵令嬢であればサファイア伯母様のように淑女としてだけではなく一般常識、嫁ぎ先の事を見据えて領主代行の教育も受けているはずだよね!?
何で自国の歴史に疎いだけではなく、外国語の一つも習得していないの?
私はその疑問をサファイア伯母様にぶつけた事があるの。
サファイア伯母様の言葉を簡単に纏めると
妹のエメラルダは子供の頃から勉強や礼儀作法が苦手で、お洒落と美容と娯楽にしか興味のない人間だったわ・・・
との事だ。
そんなお母様に子育てが出来るはずがないと判断したお祖母様は私ことティアリリーと妹のティアローズ、そして弟のロータスを手元に引き取って育てる事にしたの。
幸いと言えばいいのかしら?
私には環としての記憶があるし、二人の子供を育てたという経験がある。
前世の子育て経験を活かしつつ、お祖母様の教育方針をさり気なく助ける形でティアローズとロータスと接するようにしたの。
お祖母様に育てられた結果、王族としての責務を理解している私とティアローズ、ロータスは幼いながらも本来であればお母様がするべき公務を受け持つようになったの。
そんな私も今年で十五歳───つまり成人と認められる年齢になったから、スキルを授かる神からの神託を聞く為に神殿に赴いたのだけど、私が授かったスキルは【ゲーム】というものだったわ。
「第一王女ともあろう者が授かったスキルがチェスとカードゲームしか作れない代物でしかなかったとは・・・」
魔力がある王族だったら【剣聖】【聖人】【聖女】【大賢者】【大魔導士】【火魔法を極めし者】【炎姫】【氷姫】といった類のスキルが当たり前なの。
前世が厨二病だったからなのか、私は膨大な魔力を持っている。
それなのに、フラワージュエル王家の名を穢したという理由で【ゲーム】という耳にした事のないスキル持ちとなった私をお母様は嬉々として王女という身分を剥奪した上で国外追放を言い渡しやがった・・・。
お母様は自分の体形を崩す原因となった三人の子供を疎んじていたし、『王妃としての勤めを果たせ』とお祖母様と弟妹と一緒になって責めていた事もあるけど、何と言ってもお母様から見て姑に当たるティアアクアに似ている私を一番嫌っていたのよね~。
そしてお父様はと言うと───お父様もお父様で自分よりも優秀・・・というか私よりも公を優先するお祖母様に似ている私を疎んじていたからお母様の言い分に反対しなかったわ。
「国王陛下と王妃殿下の命令に従います」
カーテシーをした後、私は王宮を出て行ったの。
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