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2話
しおりを挟む「ティアリリー・・・」
「お姉様・・・」
「リリー姉上・・・」
「ティアリリー王女殿下・・・」
王女から平民となった私を見送りに来たのは妹のティアローズと弟のロータス、お祖母様、そして王宮に仕えている使用人達だったわ。
「この皮袋には銅貨と銀貨と金貨と換金用の宝石が、リュックには旅に欠かせない必須品が入っています」
「お祖母様・・・ありがとうございます・・・」
贅沢さえしなければ一年は働かなくても過ごせる金額になる金子と、旅に欠かせない必須品が入っているリュックを渡してくれたの。
「私はお姉様を誇りに思っています」
「僕にとってティアリリーお姉様はお父様でありお母様です」
「ローズ・・・ロータス・・・」
もう二度と弟妹に会えないのかと思ってしまった私は思わず泣いてしまったわ・・・。
お祖母様達と別れた私は平民ティア・・・いえ、タマキ=フジカワ。違うわね。藤川は結婚してからの姓だから旧姓の明智と・・・タマキ=アケチとして生きる為の新天地として、隣国のフリュイ王国を目指したの。
歩いて半日
リュックから黒パンとチーズを取り出して食べた後、毛布に包んで寝る事にしたの。
半日も歩いていたから疲れてすぐに眠れるかと思っていたけど、目を閉じても寝付けないから夜空を眺めていたわ。
宝石を散りばめたかのような夜空を眺めていたのだけど・・・・・・ふと思ったの。
私のスキル【ゲーム】って何なのか?って。
私が環だった頃、パソコンやスマホで読んでいた小説では主人公が『ステータス』や『ステータスオープン』って唱えたら、RPGとかでよく目にするウインドウが出て、そこには主人公の名前や使える魔法等が書いていたのよ。
もしかしたら私のスキル【ゲーム】が何なのか分かるかも知れないと思い『ステータス』って唱えてみたの。
目の前に私の名前と年齢、そして使えるスキルが書いているウインドウが出現したから、ゲームという文字に指で触れてみたの。
「こ、これは・・・っ!」
思わず叫んでしまったわ。
【五大精霊を救え】というパズルゲームに【プリンセスファッション】という着せ替えゲーム、【王国を建国せよ】というアイテム探しゲーム等───環だった時にプレイしていたゲームが書いていたのだもの!
「な、何ですって!?」
しかもゲーム中で手に入れたり、作ったり、収穫したり、採掘したり、クリアする為に使ったアイテムは現実世界に出現して使う事も出来る!?
【五大精霊を救え】に至っては、助けた精霊の属性魔法が使えるようになる!?
これって・・・・・・もしかして物凄くチートなスキルなのでは?
だって・・・考えてもみてよ!
ゲーム中で収穫した食糧と食料、お客が注文したお弁当、定食、トースト、ピザ、ケーキといった料理、クリアする為に使った日焼け止めクリームやメイク道具やドレスといったアイテム等が現実世界に出現して使えるようになるのよ!?
これ等を売れば大金を稼げるって事じゃない?
異世界と言えば、転生か召喚された(巻き込まれた)日本人が米・味噌・醤油を恋しくなるのがお約束だけど、ゲームで和食を作ったら現実世界に出現するから自分の好きな時に和食を食べる事が出来る?
まずは日本の朝食の定番の一つであるご飯と味噌汁と出し巻き卵が本当に現実世界に出現するかどうかを確かめる為に、和食レストランというゲームを起動させる事にしたの。
このゲームは、お客さんの注文を聞いて料理を作っていくものでメニューを充実させてレストランをグレードアップさせないといけないの。
素早さと正確さが求められるわ。
ゲームを起動させた私は画面を見ながらお客さんが注文した出し巻き定食を作ったの。
一人目クリア!という文字が画面に出た後、レストランのオーナーが聞いてきたの。
プレイヤーであるあなたも食べますか?
はい いいえ
日本食が恋しい私は【はい】という文字を指で触れたわ。
すると・・・・・・本当に私の目の前に出し巻き定食が出てきたのよ!!!
「いただきます」
黒パンとチーズを食べたけど・・・十五年振りの和食に我慢できなくなった私は出し巻き定食を泣きながら食べたの。
泣いてしまったのは、出し巻き定食が日本を思い起こすと同時に、二度と行く事が出来ない故郷に対する懐かしさと悲しさが込み上げてしまったからかも知れないわね。
ちなみに味は普通に食堂に出せるレベルで美味しかったわ。
出し巻き定食を食べ終えた後、私は色んなゲームをプレイしてみたの。
「や、やったわ・・・」
【五大精霊を救え】をクリアした事で全属性の魔法が使えるようになった。
女の子をコンテストに優勝させる為にプレイした着せ替えゲームで使った衣装とアクセサリー、メイク道具等が、【王国を建国せよ】はプレイ途中だけどステージの一つをクリアした事で木造の家が出し巻き定食と同じように現実世界に出てきたの。
ゲームのおかげで雨風を凌げる家を出現させる事が出来るようになったから私は、出した家で寝泊まりしながらフリュイ王国を目指したわ。
フリュイ王国に到着した私はタマキ=アケチとして商業ギルドに登録したの。
ゲームのステージをクリアしては現実世界に出現させるアイテムの種類を増やし、それ等を売って大金を稼ぎつつ、ゲームの中で収穫した小麦・米・肉・野菜で自炊を基本としているけど、ご飯を作るのが面倒くさい時はレストランの料理を食べる。
「そういえば・・・お祖母様はシミと皺と日焼けに悩んでいたわね」
祖母が女性であれば誰もが抱える悩みで頭を悩ませていた事を思い出した私は、エステとメイク関係のゲームをプレイ。
課題をクリアした事で、それ等の効果がある化粧品を出現させた私はお祖母様に送ったの。
シミと皺を完全に取り除く+美白効果のある化粧品一式を送った事で祖母のティアアクアには感謝されたわ。
郊外に建てた・・・というか出現させた家で私は悠々自適で自給自足(?)なスローライフを楽しんでいる───。
※作中では書いていませんが、ティアリリーは母親にシミと皺等に効果のある化粧品一式は送っていないです。祖母も化粧品の出どころは話さない。結果、母親はシミと皺、日焼けに悩んでいます
思い付きだから話は短いし設定もガバガバですが、色々と細かい設定や舞台が固まったら恋愛要素を含んだ形で長編を書くのもいいかな~?と思っています。
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