カフェ・ユグドラシル

白雪の雫

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㉝かき氷-4-

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 「ねぇ、レイモンド。レイモンドは魔法で氷を出せるの?」

 「出せるけど・・・?」

 「じゃあ、魔法で出した氷は口に入れても大丈夫なの?」

 「ああ。使い手の腕にもよるが、透明な氷であれば害はない」

 紗雪の問いの意図は分からない。

 だが、それでも紗雪の問いにそう答えたレイモンドは魔法で透明な氷の塊を出して見せた。

 「魔法って本当に便利ね」

 自然を司る四神を操る事が出来る紗雪であるが、レイモンドのように氷を出す真似など出来ないので素直に感心の声を上げて驚く。

 「ところで紗雪、俺が魔法で氷を出せる事と口に出来るかどうかと何か関係あるのか?」

 「そうね・・・。何て言えばいいのかな?例えば、旅の途中でかき氷を食べたくなったら魔法で出した氷が使えるかどうかが気になったの」

 後、魔法で出した氷が飲料水としても使えるかどうかも知りたかったの

 「俺が魔法で出した水と氷であれば口に入れても問題はない。・・・ならば、この道具と魔法で出した氷、そして練乳と果物があれば何時でも食べられだけではなく、その気になりさえすればかき氷の屋台を出す事が出来るという訳だな?」

 「ええ。でも、器とスプーンいう問題を解決しない限り屋台でかき氷を出すのは無理だわ」

 もし、かき氷を出せるとすれば、自宅か店でしょうね

 かき氷機にレイモンドが魔法で出した氷の塊と器を置くとハンドルを動かし始める。

 「串焼きのように歩きながら食べられるのであれば、かき氷を屋台で出すのも可能だろうな」

 フライドポテトを入れていた器は粗末な紙で作った小さな袋だったから、持ち運びが出来たし歩きながら食べる事だって出来た。

 だが、かき氷は水を凍らせたものであり時間が経てば溶けてくるので、出された時に食べた方がいいデザートだ。

 キルシュブリューテ王国で、かき氷を屋台で出すのはまだ早いのかも知れないと、話している内に削った氷が器に盛られていた。

 後は、メロンの果汁と練乳、そしてカットしたメロンを飾ればかき氷の完成だ。

 「出来たわ!・・・皆さん、食べてみますか?」

 試食用なので一皿しかないが、王侯貴族しか口に出来ない氷菓に興味津々な料理人達は紗雪が差し出したかき氷をスプーンで掬い口に運ぶ。

 「冷たい!」

 「暑い時に食べるからこそ美味く感じるんだ!」

 「ジャリジャリではなく、シャリシャリとした食感が面白いな」

 「レンニュウとやらが、メロンの果汁をかけた氷を優しい甘さにしているのか・・・」

 「メロンとレンニュウって合うんだな」

 ミルクジャムと似て異なる練乳がかかったメロンを口にした料理人達が、かき氷について感想を言い合っていた。

 「レイモンド。これだったらロードクロイツ侯爵達に試食して貰っても大丈夫ね」

 「ああ。かき氷が魔王様な陛下が求めているものかどうかなど俺には分からないが、父上達は喜んで試食してくれる」

 彼等は紗雪が作る料理とデザートに間違いがない事を知っているのだ。

 「レイモンド様、サユキさん。かき氷とやらですが、今から旦那様達にお出ししますか?」

 「お養父様達には砂糖水を凍らせた氷で作ったかき氷と食べ比べて欲しいから、夕食のデザートとして二つ出すという事は出来るかしら?」

 「承知いたしました」

 料理人達はランスロット達の昼食を作り始める。










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