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54.聖女との対決-9-
しおりを挟むウィスティリア王国から戻った紗雪達はトマトケチャップの材料となるトマトを探したり。
トマトでケチャップのみならず料理を作ったり。
店に出る料理の試作や売り値を決めたり、新たな仕入れ先を開拓したり。
紗雪が偽名で活動していたスノーという商人を社会的に抹殺したり。
『サユキという娘はウィスティリア王国が聖女として召喚したのだ!彼女が登録している酵母等の権利はウィスティリア王家に渡すべきであり、その娘も我が国で引き取るべきなのだ!』
紗雪の価値を知ったウィスティリア王国の国王夫妻に対して魔王様なディートヘルムが『サユキ嬢はシュルツベルク卿の息女にしてレイモンド殿の婚約者。何より彼女はキルシュブリューテ王国の臣民である!』と一喝したり。
やる事は多くあったし忙しかったが、充実した日々だった。
中でも特に大きな出来事と言えば、レイモンドが準男爵をディートヘルムから授かった事で姓がロードクロイツからフォンリヒテルに、ベルンハルトの姓がフォンエーデルになった事、カフェ・ユグドラシルのオープン、何と言ってもレイモンドと紗雪の結婚であろうか。
「ベルンハルトお義兄様と工房で働いているエミーリアさんとの再婚、私がフリューリングでは混じり者と呼ばれる存在である事を打ち明けたり、グスタフお義兄様に全てを引き継がせたお義父様とお義母様が隠居する等、色々あったわね・・・」
ここ二~三年は怒涛のような日々だったと、過去を思い出していた紗雪が感慨深い表情で呟く。
「紗雪・・・幸せか?紗雪にとってキルシュブリューテ王国は第二の故郷となったか?」
【篁の使命】を果たせなくなった事で、戦う事しか知らなかった紗雪が生き方を迷っている姿を知っているレイモンドが尋ねる。
「ええ」
レイモンドの問いに紗雪は答える。
それが真実である事を語るかのように、彼女の顔には心からの笑みが浮かんでいた──・・・。
※トマトは吸血鬼が治める国で栽培しているので、そこから輸入したトマトを使ってトマトケチャップを作る事になります。
レイモンドの新たな姓であるフォンリヒテルですが、最初はフォンリヒターにするつもりでした。
でも、リヒターってどうしてもあの人を思い浮かべてしまうので即却下しました。
ここには書いていませんが、紗雪は霊視が出来る事はレイモンドにだけ打ち明けています。
後1話で過去編が終わり、店で料理を出すようになります。
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