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57.オークキングの肉とカボチャ-2-
しおりを挟む今日はカフェ・ユグドラシルの定休日である。
「カボチャが美味しい季節ね」
外に出たら空は高く見え、魚の鱗や羊の群れを思わせる雲が浮いている。
契約している野菜農家から届く野菜が、家族揃って市場へ買い物に行けばキノコや秋の野菜が中心となっているのだ。
夏の暑さが嘘であったかのように朝と夜になれば肌寒く、温かい料理が恋しくなる時期でもある秋の訪れを感じている紗雪は、カボチャを使ったディッシュとデザートを出したいとレオルナードをあやしながら呟く。
「秋限定のディッシュとしてカボチャのスープとシチュー、デザートとして茶巾絞りを出すか?」
「そうね・・・。スープとシチュー、茶巾絞りは当然として、シフォンケーキとプリンを出そうかと思っているの」
泡立てた卵白を使うので口の中で溶けるような食感となる、ふわふわで柔らかいシフォンケーキ。
カボチャの素朴な甘さを味わう事が出来るカボチャプリン。
「でも、シフォンケーキはサラダ油を使うから諦めた方がいいかしらね?」
紗雪はレイモンドと一緒にシフォンケーキを作った事がある。しかし、それは本を見ながらだった。
レイモンドと一緒に作った時はネットショップで購入したサラダ油を使ったのだが、キルシュブリューテ王国にはサラダ油が存在していない。
サラダ油の代わりとしてオリーブオイルやココナッツオイルを使えばいいのだろうか?と紗雪は首を傾げる。
「紗雪。ココナッツオイルやオリーブオイルを使わないで作ったカボチャのシフォンケーキをメニューに加えるというのはどうだ?」
「えっ?」
ノンオイルのシフォンケーキというレイモンドの提案は紗雪にとって非常に魅力的であった。
だって・・・油を使っていないという事実が、何となく罪悪感を抱かせないから。
というより油を使わない方が店にとってコストダウンにもなるので、是非ノンオイルのシフォンケーキをメニューに加えたい!
「まんま?」
秋限定のメニューについて考え事をしている紗雪にレオルナードが話しかける。
「レオルくん。カボチャというのはね、黄色くて甘いお野菜なの」
「ぇえ!?」
「・・・シフォンケーキよりもレオルくんの離乳食を作るのが先だな」
「そうね。レオルくん、今から美味しいご飯を作るからね」
甘いという言葉に反応したレオルナードの姿に楽しそうな声を上げて笑った紗雪は、我が子の離乳食を作る為にキッチンへと向かう。
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