カフェ・ユグドラシル

白雪の雫

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69.ブラックソルトとオムライス-9-

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「じゅーじゅー」

「レオルくんはレイモンド・・・パパを見ているのね」

 レイモンドがリカード商会に出掛けている間に紗雪が清潔な布巾で水気を切っておいた豆腐を冷蔵ボックスから取り出し、崩したそれをフライパンで炒める。

「じゅーじゅー」

 玩具のボウルとスプーンで真似しているレオルナードの姿を二人が穏やかな笑みを浮かべて優しく見守っている。

(レオルくんが将来どんな道を歩むのか分からないが・・・料理人になりたいのであれば俺が作って来た、そしてこれから作っていく料理の全てを記したレシピをレオルくんに、もしかしたら新たに産まれてくるかも知れない子供達の為にも残さないと・・・)

 レイモンドが作っているのは、宗教的な理由で動物性食品を口にする事が出来ない人の為の、肉と卵を使わないそぼろ丼だ。

 一つは水気を切って崩した豆腐に醤油・味醂の代替品・砂糖で味付け、もう一つはターメリックで色付けした後ブラックソルトを加えた豆腐である。

(後は味噌汁と、この二つを炊いたご飯の上に乗せたら完成だな)

 紗雪が作っておいた豚肉とキャベツの味噌汁を温めてから深めの器に注ぎ、土鍋で炊いておいたご飯を器に盛ると、豆腐で作った二種類のそぼろを綺麗に乗せていく。

「「レイモンド殿、サユキ嬢」」

「丁度良いタイミングでクリストフ陛下とソフィー王妃が我が家に来てくれたな」

「そうね」

 肉と卵を使っていない丼をクリストフとソフィーにも試食して貰う為、紗雪は二人を我が家へと招き入れる。










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