カフェ・ユグドラシル

白雪の雫

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70.エルフによるカフェ・ユグドラシル買収騒動-10-

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「お待たせしました。ジャイアントブラックバイソンのステーキを乗せたガーリックバターライスです」

「「「きゃあ~♡」」」

 実に男らしいボリュームのある料理に三柱がキラキラと瞳を輝かせながら歓喜の声を上げる。

 ジャイアントブラックバイソンのステーキはジューシーで柔らかいのに適度な噛み応えがあり、しょっぱさの中に深みのあるコクと香りを感じさせる醤油ベースのオニオンソース

 芳醇なバターと食欲を刺激して味に深みを与えるニンニクの香りが移ったライス

「「「お、美味しい~♡♡♡」」」

 シンプルなのに奥の深い料理に三柱の顔には幸せそうな笑みが浮かんでいる。

「ねぇ、パパさん。この料理、ボリュームがあってとても美味しいのに賄いで終わらせるなんて勿体ないわ?」

「そうよ!これをメニューに載せていないなんて冒涜以外の何物でもないわよ!」

「ママさん!お肉を乗せたガーリックバターライスをカフェ・ユグドラシルの正式なメニューにしちゃいましょうよ!」

 そうだそうだ!

 セイリオス、アウグスタス、ファルネウスの意見に賛同するかのようにセバスティアンとヴェルネージュ達も声を上げる。

「・・・・・・そうですね」

 賄いが正式なメニューになる事など不思議ではないし、三柱はエルフからカフェ・ユグドラシルを救ってくれた。

 何より───

「分かりました」

 乗せるお肉は牛肉・豚肉・鶏肉を定番のメニューにして、その日の仕入れによるがモンスターの肉を乗せたガーリックバターライスは日替わりメニューとして追加すると紗雪が宣言すると、その場にいた客達から鬨の声とも勝利の雄叫びとも等しい声、そして注文の声が上がる。

「流石、ママさん。器が大きいわ~」

「カフェ・ユグドラシルが救われたのはレイモンドが作る料理を楽しみにしている皆のおかげですもの」

 その声がエルフを退ける力になったのだと、紗雪が感謝の念を伝える。

「紗雪、手伝ってくれ」

「レオルちゃんは私達が見ているわ」

 注文が増えた事で多忙になり一人で捌ききれなくなったレイモンドを助けたいが、レオルナードの世話があるからどうしようかと逡巡している紗雪にランスロットとエレオノーラが孫の面倒は自分達が見ていると伝える。

「お義父様、お義母様、クリストフ陛下・・・・・・お願いします」

 義両親の言葉に後押しされる形になったが、身支度を整えて厨房に入った紗雪はレイモンドと共にガーリックバターライスを作っていく。





 う、美味~い♡

 美味しい~♡





 適度な弾力があってジューシーな肉、ニンニクと芳醇なバターが一つとなった事で味わい深くなったライスを堪能しているお客たちの顔には幸せそうな笑みが浮かんでいた。








※紗雪、今はまだ赤ちゃんだけどある程度身体が出来あがったレオルナード及び後に産まれてくる子供達だったら生きながらにして冥界に行けます。
作中に書かれていませんが、セイリオス達は「グリーンリーフ王国のエルフ全員がオークとして転生→冒険者達に倒されて食用→またオークに転生。それを繰り返して欲しい」とクリュノスにテレパシーで伝えており、クリュノスも「O~K~♪」的なノリで息子達の頼みを受けています。











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