カフェ・ユグドラシル

白雪の雫

文字の大きさ
417 / 465

71.イクラと鮭-1-

しおりを挟む










 わいはアルフィー。

 人里に出る時は人間の姿を取っているけどな、その本性は熊や。

 熊といっても体長二メートル以上で体重が三百キログラムに以上になる動物の熊やない。

 成人しても子供向けのぬいぐるみくらいの大きさにしかならん、フォレストベアっていう愛くるしい雄の熊や!

 動物の熊とは完全に別もんやから、そこんとこ間違えるんやないで!?

 そんなわい・・・ていうかフォレストベアは森の奥で養蜂をやっとるんや。

 採取したゴールデンハニービーの蜜を人里で売り金を得る。

 わい達にとっては普通に食べれる蜜やし、それで酒を作るけど、人里では高額で売られるらしいな。

 エルフ共は山菜に木の実、果物に野菜だけではなく魚や肉を食って乳を飲む・・・雑食なフォレストベアを【動物の血肉を平気で口にする血塗られた生物】って見下しているけど、そのエルフが神さん達にオークに変えられた時は胸がスカッとしたわ。

 ・・・・・・それはともかく、まずはその金で服やブーツといった身の周りのものを買うんや。

 え?

 熊やのに身の周りのものを買うんかって?

 何言うとんねん!

 わいが人間になった時、すっぽんぽんで人里を歩けっちゅうんか!?

 すっぽんぽんで歩いていたら憲兵に猥褻罪とかで捕まってしまうやろが!!!

 つーか、過去に・・・初めて人里に出た時に捕まってしもうたしな。

 実はな・・・すっぽんぽんで歩いていたら憲兵に捕まるって知ったのは人里に出た時やねん。

 さっきも言ったけど、森の奥に棲むフォレストベアは愛くるしいクマのぬいぐるみのような見た目をしているけどな、道具も使えるし二足歩行も出来る。

 でな、普段から山菜や木の実といった山の幸に魚や肉を食うし、乳も酒も飲む。

 甘いもんが食べたいという時はゴールデンハニービーの巣から蜜を採るという種族なんや。

 そんなわいが人里に出るようになったのには理由があるんや。

 エルフ共が口にしていた【カフェ・ユグドラシル】や。

 詳しい事はよう分からんけど、簡単に言えばエルフでも食べれる料理を出す店っちゅうこっちゃ。

(エルフでも食える飯を出す店ね~・・・)

 興味を持ったわいはゴールデンハニービーが集めた蜜を巣から採って、それを人里に売りに行ったんやけど・・・・・・さっきも言ったけど、その時のわいは・・・ていうか森の奥で引き籠っているフォレストベアが人里のルールなんて知る筈がないやん?

 けどな、人間の姿になった方が動きやすいと思ったわいは人間の男に変身したんや。





 きゃあーーーっ!!!

 いやあーーーっ!!!





 その時のわいはすっぽんぽんでな、道行く人達はわいを見て悲鳴を上げたんや。

 目元を隠している指の隙間からわいの股間をチラチラ覗き見してる女達の悲鳴が何か嬉しそうやったのは・・・・・・気のせいやろな。

 でな、駆け付けたおっさんの憲兵達によって捕まってしまったけどな、変身を解いてフォレストベアになった事で釈放されたんや。

 その時に『か、可愛いーーーっ!!!』って抱き着かれて頬ずりされたんは内緒の話や。

 けどな・・・・・・暫くの間、人里に出れんかったわ。

 森に籠っている間にわいは理解した。

 人里に出る時は人間用の服とかを着なあかん事を・・・・・・。

 人間用の服とかを買う為に、エルフ共が気にしているカフェ・ユグドラシルで飯を食う為にわいは金を貯めるんやーーーっ!!!









※成人したフォレストベアは〇ラックマ、子熊時代はコ〇ラックマくらいの大きさで顔立ちも可愛くデフォルメしたものだと想像して下さい。









しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

本物の聖女なら本気出してみろと言われたので本気出したら国が滅びました(笑

リオール
恋愛
タイトルが完全なネタバレ(苦笑 勢いで書きました。 何でも許せるかた向け。 ギャグテイストで始まりシリアスに終わります。 恋愛の甘さは皆無です。 全7話。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

好感度0になるまで終われません。

チョコパイ
恋愛
土屋千鶴子(享年98歳) 子供や孫、ひ孫に囲まれての大往生。 愛され続けて4度目の転生。 そろそろ……愛されるのに疲れたのですが… 登場人物の好感度0にならない限り終わらない溺愛の日々。 5度目の転生先は娘が遊んでいた乙女ゲームの世界。 いつもと違う展開に今度こそ永久の眠りにつける。 そう信じ、好きなことを、好きなようにやりたい放題… 自覚なし愛され公女と執着一途皇太子のすれ違いラブロマンス。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

老聖女の政略結婚

那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。 六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。 しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。 相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。 子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。 穏やかな余生か、嵐の老後か―― 四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。

やり直し令嬢は何もしない

黒姫
恋愛
逆行転生した令嬢が何もしない事で自分と妹を死の運命から救う話

世界の現実は、理不尽で残酷だ――平等など存在しない

鷹 綾
恋愛
「学園内は、身分に関係なく平等であるべきです」 その“正義”が、王国を崩しかけた。 王太子ルイスは、貴族学院で平民出身の聖女マリアがいじめられたと信じ、 婚約者である公爵令嬢アリエノール・ダキテーヌを断罪し、婚約破棄を宣言する。 だが―― たとえそれが事実であったとしても、 それは婚約破棄の正当な理由にはならなかった。 貴族社会において、婚約とは恋愛ではない。 それは契約であり、権力であり、国家の均衡そのものだ。 「世界は、残酷で不平等なのです」 その現実を理解しないまま振るわれた“善意の正義”は、 王太子の廃嫡、聖女の幽閉、王家と公爵家の決定的な断絶を招く。 婚約破棄は恋愛劇では終わらない。 それは、国家が牙を剥く瞬間だ。 本作は、 「いじめられたという事実があっても、それは免罪符にはならない」 「平等を信じた者が、最も残酷な結末に辿り着く」 そんな現実を、徹底して描く。 ――これは、ざまぁではない。 誰も救われない、残酷な現実の物語である。 ※本作は中世ヨーロッパをモデルにしたフィクションです。  学園制度・男女共学などは史実とは異なりますが、  権力構造と政治的判断の冷酷さを重視して描いています。 ---

処理中です...