カフェ・ユグドラシル

白雪の雫

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閑話7.給食-6-

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 神よ、あなたの慈しみに感謝いたします

「たーしましゅ」

「食事前の祈りの言葉をきちんと言えるレオルくんっていい子ね」

「いいこ?」

「ああ。レオルくんはいい子だよ」

 両親に褒められた事が嬉しいのか、レオルナードが笑みを浮かべながらレイモンドが作った夕食を口に運ぶ。

「レオルくん、美味しい?」

「うめっ!」

「本当に美味しいわ」

 茶飯は口に入れると緑茶の香りが広がり、ミルフィーユカツは柔らかくてジューシー。千切りにしたキャベツは新鮮である事を示すかのようにシャキシャキ。バターを入れた味噌汁は風味が洋風になるだけではなくコクを感じる。

「ぱぁぱ、みーそ、なーかち」

「レオルくん、味噌汁が何時もと違うのはバターが入っているからなんだよ」

「ばた?」

「バ・タ・ー」

 自分が知っている味噌汁とどこかが違うと首を傾げるレオルナードに、今日の夕食の味噌汁にはバターが入っている事をレイモンドが教える。

「ば、ばぁ、た・・・」

「レオルくん、偉い!」

 父と子の会話を微笑ましい思いで見つめながら紗雪は目の前にある料理を食べ進めていく。

「チーズを挟んだミルフィーユカツは食べた事があるけど、ホワイトソースを挟んだミルフィーユカツは初めて」

 濃厚でクリーミーなホワイトソースを挟んだミルフィーユカツは豚肉のクリームシチューを食べている感じだから、豚肉をミンチにしたクリームコロッケを出せばいいのではないか?と紗雪がレイモンドに提案した。

「クリームコロッケか・・・。試食に出すのはミルフィーユカツではなくクリームコロッケの方がいいのかも知れないな」

「クリームコロッケも肉だけではなく旬の野菜・・・今は夏だから夏野菜と海の幸を使ったものも出せばいいのではないかしら?」

 そうなるとスープとサイドディッシュを変更しなければならないが、何がいいだろうか?と二人は頭を抱える。

「スープは味噌汁ではなくコンソメスープ、サイドディッシュはマリネがいいと思うわ」

「となると、主食はご飯ではなくパンがいいのかも知れないな」

 明日の朝食には牛乳を入れた味噌汁、昼か夜の賄いとしてクリームコロッケを出すから試食して欲しいというレイモンドの提案を紗雪とレオルナードは返事二つで引き受ける。











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