435 / 465
閑話7.給食-6-
しおりを挟む神よ、あなたの慈しみに感謝いたします
「たーしましゅ」
「食事前の祈りの言葉をきちんと言えるレオルくんっていい子ね」
「いいこ?」
「ああ。レオルくんはいい子だよ」
両親に褒められた事が嬉しいのか、レオルナードが笑みを浮かべながらレイモンドが作った夕食を口に運ぶ。
「レオルくん、美味しい?」
「うめっ!」
「本当に美味しいわ」
茶飯は口に入れると緑茶の香りが広がり、ミルフィーユカツは柔らかくてジューシー。千切りにしたキャベツは新鮮である事を示すかのようにシャキシャキ。バターを入れた味噌汁は風味が洋風になるだけではなくコクを感じる。
「ぱぁぱ、みーそ、なーかち」
「レオルくん、味噌汁が何時もと違うのはバターが入っているからなんだよ」
「ばた?」
「バ・タ・ー」
自分が知っている味噌汁とどこかが違うと首を傾げるレオルナードに、今日の夕食の味噌汁にはバターが入っている事をレイモンドが教える。
「ば、ばぁ、た・・・」
「レオルくん、偉い!」
父と子の会話を微笑ましい思いで見つめながら紗雪は目の前にある料理を食べ進めていく。
「チーズを挟んだミルフィーユカツは食べた事があるけど、ホワイトソースを挟んだミルフィーユカツは初めて」
濃厚でクリーミーなホワイトソースを挟んだミルフィーユカツは豚肉のクリームシチューを食べている感じだから、豚肉をミンチにしたクリームコロッケを出せばいいのではないか?と紗雪がレイモンドに提案した。
「クリームコロッケか・・・。試食に出すのはミルフィーユカツではなくクリームコロッケの方がいいのかも知れないな」
「クリームコロッケも肉だけではなく旬の野菜・・・今は夏だから夏野菜と海の幸を使ったものも出せばいいのではないかしら?」
そうなるとスープとサイドディッシュを変更しなければならないが、何がいいだろうか?と二人は頭を抱える。
「スープは味噌汁ではなくコンソメスープ、サイドディッシュはマリネがいいと思うわ」
「となると、主食はご飯ではなくパンがいいのかも知れないな」
明日の朝食には牛乳を入れた味噌汁、昼か夜の賄いとしてクリームコロッケを出すから試食して欲しいというレイモンドの提案を紗雪とレオルナードは返事二つで引き受ける。
3
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
「次点の聖女」
手嶋ゆき
恋愛
何でもかんでも中途半端。万年二番手。どんなに努力しても一位には決してなれない存在。
私は「次点の聖女」と呼ばれていた。
約一万文字強で完結します。
小説家になろう様にも掲載しています。
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
追放された聖女は旅をする
織人文
ファンタジー
聖女によって国の豊かさが守られる西方世界。
その中の一国、エーリカの聖女が「役立たず」として追放された。
国を出た聖女は、出身地である東方世界の国イーリスに向けて旅を始める――。
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる