カフェ・ユグドラシル

白雪の雫

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閑話7.給食-7-

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『牛乳を入れた味噌汁って初めて食べたけど、まるでポタージュスープみたい・・・』

『ぱぁぱ、うめっ!』

 味噌と牛乳は合わないと思っていたのに相性が良く、円やかでクリーミーな口当たりの味噌汁は妻と息子に好評だったのでレイモンドは昼の賄いにそれをキース達に出す。

「旦那様。今日の味噌汁は肉が入っていてボリュームがあるだけではなく、何て言えばいいのでしょうか?」

 肉が入っているのでコクと肉の甘味と旨味があるのは何となく分かるが、それとは別の何かが入っていてそれが味噌汁を円やかでクリーミーなものにしているとメアリアとキャスリンが告げる。

「今日の昼の賄いである豚汁には牛乳が入っているんだ」

「「「牛乳!?」」」

 牛乳と味噌汁の相性がいいという事に驚きの表情を浮かべるが、美味しいものは美味しいのだ。

 美味いは正義。

 三人は賄いである豚汁定食(ご飯・ミルク豚汁・焼き魚)を残さず食べ切ると、自分達の持ち場へと戻る。










◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆










 今日も一日働いたので三人は空腹だった。

「今日の賄いは何だろうな?」

「クリームコロッケだ」

 尤もクリームコロッケはカフェ・ユグドラシルのメニューに乗っているので後は冷蔵ボックスで冷やしている作り置きの種を揚げるだけ。サイドディッシュのマリネと主食であるパンは器に盛り付けるだけだし、コンソメスープは温めるだけで済むので時間は掛からなかったりする。

「実は今日の夜の賄いは紗雪が通っていた学校で出されていた給食と言えばいいのか・・・兵士の宿舎で出す料理の試食を兼ねているから三人の感想と忌憚のない意見を聞かせて欲しいんだ。・・・紗雪、レオルくん」

 そう言ったレイモンドは三人と二階から厨房に降りて来た二人の前に器に盛り付けた料理を置いていく。










◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆










「旦那様・・・何て言えばいいのでしょうか?クリームコロッケってその名の通りクリーミーな食感をしているだけではなく高級感というか贅沢しているな~という気分になります」

「そうかも知れないな。紗雪の故郷である日本では今でこそ庶民でも口に出来るが、昔はカステラのように一部の人間しか口にする事が出来ない料理だったらしい。・・・・・・それで合っているよな?」

「ええ。クリームコロッケは明治時代に鹿鳴館という迎賓館で出されたらしいわ」

「成る程。そう言われたらクリームコロッケって高級料理って感じだな」

 異世界って進んでいるよな~と呟きながらキースもまたメインディッシュのクリームコロッケにサイドディッシュのマリネ、パンとスープを綺麗に平らげていく。

「旦那様?奥様?食後のデザートとして桃があるのは分かるのですが、どうして牛乳も一緒に出ているのですか?」

「給食では必ずと言っていいほど牛乳が出ていたの」

 メアリアとキャスリンの問いに紗雪が答える。

「奥様?牛乳も食後のデザートの一種だと見てもよろしいのでしょうか?」

「牛乳はデザートというより、歯や骨を丈夫にする為の飲み物と思えばいいわ」

 給食って身体の事を考えている料理なのかと思いながら三人は食後のデザートである桃と牛乳を口に付ける。

「「旦那様、奥様。美味しかったです」」

「本当に美味かった。給食って何て言えばいいのかな~?貴族様達が食べる料理が一つのトレイに載っているご馳走って感じだけど、兵士が食べるとなれば何か物足りないって気がする・・・」

 兵士は武器防具の手入れに鍛錬だけではなく、時にはチームに分かれて摸擬戦をするだろう。

 身体を動かしたらガツン!とした料理を食べたいと思うのではないか?と、キースがレイモンドと紗雪に元冒険者として感じた事を告げた。

「成る程・・・」

「でも兵士の宿舎って予算が決められているのでしょ?予算の範囲で兵士のお腹を満たすメニューを考えるのは難しいわね・・・」

 クリームコロッケは昔の日本では高級料理だと言っていたから貴族の食卓に出すのは問題ないかも知れないが、身体が資本の兵士には物足りないと感じるかも知れないというキースの意見を聞き入れたレイモンドと紗雪は改めて出す料理に頭を悩ませる。

「紗雪、メニューについては俺が考える。紗雪はレオルくんとそして・・・」

 この子の事だけを考えて欲しいんだ

「・・・・・・そうね。・・・レイモンドのお言葉に甘えさせて頂くわ」

 大きくなっていく自分の腹部に触れる夫の手を心地よく感じている紗雪の顔には笑みが浮かんでいた。











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