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閑話7.給食-8-
しおりを挟む(ホワイトソースを挟んだミルフィーユカツはクリームコロッケのような風味だった・・・。そうか!薄くスライスした肉とチーズと大葉を重ねていけば食べ応えのある料理となる。・・・あっ、大葉はロードクロイツにもシュルツベルクにもなかったから諦めるか、代わりになるハーブを使うしかないな。そしてミルフィーユカツは揚げるのではなく焼けばいいんだ)
これでキースが言っていた物足りなさと、紗雪が言っていた予算については解決するはず──・・・。
(問題はソース)
日本ではウスターソース、トマトソース、ポン酢、胡麻だれが一般的であるらしい。
(味噌で作ったソースにするべきか?いや、ここは・・・)
思い付いたレイモンドは父親達に試食させる給食作りに取り掛かる。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
給食の試食当日
「このミルフィーユカツは揚げているのではなく少量の油で焼いている、のか!?」
「ミルフィーユカツにかけている緑色のソースは・・・何かしら?」
「これは・・・バジル?」
レイモンドがこの日の為に作った給食はミルフィーユカツ、夏野菜とウィンナーのコンソメスープ、ツナオムレツ、主食として用意したのはパン、飲み物は牛乳、デザートは梨である。
試食している薄くスライスしている肉とチーズを何層も重ねる事で食べ応えとチーズのコクだけではなく辛みと渋みを感じる。
「ああ。ちなみに紗雪とレオルくんの分だけトマトソースを使っている」
「紗雪さんとレオルナードくんってバジルが食べられないの?」
「違う。今の紗雪の身体を考えて、レオルくんにはクセの強いバジルソースは無理だろうと思って避けているだけだ」
「バジルソースを使うなんて私では思いつかないわね」
ミルフィーユカツに使うソースは、ウスターソースかトマトソース、ポン酢くらいだと思っていた紗雪は素直に感心した声を上げる。
「レイモンドさんが作った給食を食べていたら日本の給食を思い出したよ」
「私が知っている給食と比べたら随分と豪勢になっているのね~」
「レイモンド、サユキ殿。デザートにアイスクリームかソフトクリームを用意して欲しかったわ・・・」
「母上・・・アイスクリームとソフトクリームは溶けやすいから給食のデザートとして用意出来ませんよ」
「残念だわ」
エレオノーラの筋金入りのアイスクリーム好きにレイモンドと紗雪は思わず苦笑を浮かべる。
「肉でも薄くスライスして重ねる事で、野菜とウィンナーを使えば食べ応えがある料理となる、か。・・・・・・これならば兵士達も満足するかも知れない」
後はメニューのレパートリーを増やさなければいけないが、こればかりはレイモンドと紗雪に頼る訳にはいかないと、朧げながらも答えを見つけたグスタフとアルベリッヒは二人に感謝の言葉を告げる。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
後日
「「レイモンド(殿)・・・サユキ(殿)・・・相談があるのだが・・・」」
「グスタフ兄上、アルベリッヒ義兄上・・・?」
恥じらいの表情を浮かべながらカフェ・ユグドラシルを訪れたのはグスタフとアルベリッヒだった。
「兵士達の宿舎での食事については解決したのでは?」
「レイモンドの言う通り、宿舎での食事は給食のおかげで解決した」
「だが、新たな問題が生じたのだ」
宿舎に居る時は温かい料理とデザートが口に出来るからなのか兵士達はニコニコしているが、実戦を想定した訓練や救援で遠くに行く時の食事が酷いものだから、余りの落差に兵士達から不満が出るようになったのだ。
「え~っと・・・」
「料理が上手な人を炊事兵にするというのはどうでしょう?・・・それが無理なら瓶詰?缶詰?レトルト食品?フリーズドライかしらね?」
給食が切っ掛けでキルシュブリューテ王国の携帯食と、それを入れる容器の技術が大幅に進化するのは別の話───。
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