カフェ・ユグドラシル

白雪の雫

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閑話8.ミルクパン粥と卵とじうどん-3-

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(次は紗雪の為に何か食べ易い料理を作らないと・・・)

 今の紗雪の胃に負担にならない食べ物といえば粥かうどん、味噌汁やポタージュスープの類ではないだろうか。

(レオルくんとクーくんを産んで間もない頃に食べていたミルクパン粥がいいかな?)

「ぱぁぱ。まぁま、ごびょうき。れお、まぁまにおりょうりつくるの!」

 こういう時は粥がいいだろうと判断したレイモンドがミルクパン粥を作ろうとキッチンへ行こうとしたその時、レオルナードが『自分も紗雪の為に料理を作る』と言い出したのだ。

「・・・・・・分かった。レオルくん、紗雪の、ママの為のお料理をパパと一緒に作ろうな」

「あいっ!」

「レオルくんは良い子だな」

「えへへ~♡」

 自分の頭を撫でるレイモンドの手を心地よく感じながらレオルナードは父と共にキッチンへと足を踏み入れる。

「レオルくん、料理を作る前は必ず手を洗うんだよ」

「あいっ!」

 蛇口から出た水でレオルナードがレイモンドに抱っこされながら手を洗う。

「ぱぁぱ?なにつくるの?」

「ん?ミルクパン粥だよ。レオルくんは、このパンを千切って欲しいな」

「あいっ!」

 ミルクパン粥を作る為に、自分から受け取ったパンを小さく千切っているレオルナードの姿を、冷蔵ボックスから取り出した牛乳を鍋に注ぎそれを温めようとしているレイモンドは感慨深い思いで見つめる。

「ぱぁぱ。れおもまぁまといっしょの、たべるの」

「レオルくんもミルクパン粥を?レオルくんのご飯はちゃんと作るからね」

「まぁま、おねつでう~んう~ん」

「レオルくん?」

「まぁま、くるしい」

「そうだね。レオルくんの言う通りだね」

「だかられお、まぁまといっしょのたべるの!」

「レオルくん・・・」

 レオルナードはこう言いたいのだろう。

 紗雪は熱で魘されているから苦しいはずで粥くらいしか食べる事が出来ない。

 家族であれば同じ料理を食べるのが当然ではないのか?

 だから自分もミルクパン粥を食べるのだと。

「そうだな。俺達は家族だから同じ料理を食べるのが当然だよな・・・」

 紗雪もだがレイモンドもまた、病人は病人が食べ易い料理を食べるのが当然で元気な人も病人と同じ料理をという発想がなかったのだ。

「レオルくん。レオルくんとパパの分のパンも千切って欲しいな」

「あいっ!」

 父親と一緒に料理を作っている事が嬉しいのか。

 一日も早く母親が元気になって欲しいという願いを込めているのか。

 或いはその両方か。

(フォレストベアのアルフィーさんから分けて貰ったゴールデンハニービーの蜜を入れるかな?)

 そんなレオルナードを微笑ましく思いながらレイモンドは息子が千切ったパンを、温めた牛乳が入っている鍋に入れると弱火でコトコトと煮込んでいく。










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