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75.はちみつチーズトースト-3-
しおりを挟む僕は正義の味方!
ジャガーマンだ!
シャドーマン!
お前は僕が倒す!
「・・・レオルくん?」
くぅ~
寝息が耳に入って来た紗雪が自分の膝に目を向けると昼寝の時間だったからなのか、母親の声が心地よかったのか、レオルナードが舟を漕いでいた。
「レオルくん、ベッドでお昼寝しましょうね」
紗雪が眠ってしまった我が子の姿に笑みを浮かべている頃
「クーくん、クーくん。ジャーンプ」
「きゃ~」
クローヴィスの両脇を支えているレイモンドが自分の膝でジャンプをさせるような動きをさせて遊んでいる。
ふぁ~
「クーくん?」
遊び疲れたのか、クローヴィスは父親の目の前で大きな欠伸をしていた。
「クーくん。レオルくんと一緒にお昼寝しようね」
我が子の寝顔に思わず笑みを浮かべてしまったレイモンドは眠ってしまったクローヴィスを抱えて寝室へと向かう。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「シグルド殿には甘くない・・・いや、この表現はおかしいか。塩気とある物を加える事で甘味を感じるトーストを出そうと思う」
「塩気と甘味?塩気という事はツナやハム、焼いたお肉かお魚?それとも卵サラダ?甘味という事は砂糖か蜂蜜、或いは果物かジャムを使うと思うのだけど・・・」
我が子達を寝室のベッドに寝かせた二人はシグルドに出すデザートについて話し合っていた。
(お肉のソースとしてジャムを使う事はあるけど、それはディッシュとしてであって、トーストとして食べる場合は相性がいいのかしら?)
ツナやハムを挟んだトーストに蜂蜜をかけたらどうなるのか?と紗雪は想像してみるが───味の想像が出来ないでいる。
「・・・・・・分かった!塩キャラメルのソースをかけたトーストをシグルド殿の為に用意するのね!?」
「残念。正解はチーズと蜂蜜だ」
但し蜂蜜はトーストにかけた形ではなく、ジャムやバターのように別の器に入れて出すのだと、レイモンドがシグルドの為に作るデザートを紗雪に教える。
「塩キャラメルには塩が入っているが、それはほんのりと感じるアクセントでしかない。スイカと塩だってそうだろ?」
スイカに塩をかけて食べたら甘く感じるように、生クリームと砂糖とバターを煮詰めて出来たキャラメルソースに塩を加える事でキャラメルの濃厚な甘さを引き立てる。
「確かに・・・」
甘いものが苦手なシグルドに塩キャラメルは辛いはずだというレイモンドの意見に紗雪は同意を示す。
「でもチーズと蜂蜜って相性がいいの?」
「ああ」
冒険者だった頃は野営していた時に食後のデザートではないが、食料にして嗜好品として用意していたチーズを炙って採取した蜂蜜をかけて食べた事がある。
「塩気のあるチーズのコクと甘い蜂蜜の相性は絶妙だったと言えば良いのかな?クリーミーで味わいが深いものになったと言えば良いのかな?」
蜂蜜をかけたチーズは、限られた資金の中でやり繰りしないといけない冒険者時代に味わえた贅沢だったと、レイモンドは当時の事を思い出しながらどこか懐かしそうに語る。
「チーズトーストに蜂蜜・・・どんな感じなのかしらね?」
「明日の朝食と言えばいいのか・・・朝の賄いとして給仕達に用意するから俺達と一緒に食べてくれるか?」
「ええ」
明日の朝食である蜂蜜チーズトーストが楽しみだと、紗雪が言葉を返すとレイモンドが『腕によりをかけて作る』と笑いながら断言するのだった。
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