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1章 波乱の五日間
12話 鬼斬り
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馬車に揺られて20分。
ついた場所は、寂れた教会だった。
「中から不穏な気配がするのう。」
「気づきましたか。騎士たちが突き止めた犯人のアジトです。すでに包囲しているので逃すことはありません。」
よく見ると周りの建物の屋根や小道に騎士たちが隠れているのが確認できた。
さすが帝都の騎士。その身のこなしだけで一人一人が精鋭だとわかる。
「隊長はもう来ます。それまで待」
「おい、お前ら。ここで何してる。」
教会の中から人が2人出てきた。ごついおっさんと、アマトたちと同い年ぐらいの子供。
見た目は完全に人だが気配は戦場にいた魔族そのもの。
思わず、剣に手をかける。
「なんで物騒な物持って、教会取り囲んでるんだ。中の子供が怖がるだろうが。」
「それは失礼。この辺りで事件がありまして、事情を伺いたいのですが駐屯地まで着いてきてくれませんか。」
「どうしてそんなことしなきゃならん。」
おっさんは次第にイライラし始める。隣の子供も目つきが鋭くなる。
「ねぇ、あの3人に正体バレてる。」
「・・・わかった。お前は中の奴逃がせ。足止めは任せろ。」
子供が教会に駆け出す。
ジーアスはそれを追いかけようとするが、おっさんが間に入り制止する。
おそらくかなりの実力を持っていたのだろう。ただ相手が悪かった。
「足止め、のう。そりゃ無理じゃな。」
気づいた時には、師匠はおっさんの背後に回り込み、首を切り飛ばしていた。
「なっ、」
それに驚いた子供も、すでに四肢を切断されておりそのまま倒れるしかなかった。
「容赦ないですね。」
「こいつらは魔族じゃからな。油断すれば死ぬのはこっちじゃ。」
ジーアスは囲んでいる騎士を1人呼び、子供の身柄を確保させる。
「あなたたち、生きて帰れると思わないで。もうすぐ兄さんが来る。みんな死ぬわ。」
子供は切られたことを気にする様子もなく、師匠を睨みつけ、脅し始めた。
痛覚がないのか、我慢強いのか、気になるところではあるが、問題は『兄さん』という存在だ。
「なんじゃ、その『兄さん』はこいつより強いのか。」
「何人いても敵わない。兄さんには勝てない。」
「そうか。ではその『兄さん』が来るまで教会の中を探索するか。」
「ま、待て、やめて。中にはまだ幼い子がいるの。見逃して。お願い!」
師匠がしようとしていることに気づき、必死に呼び止める。
見た目は人間の子供。その姿にアマトとミタマは顔を背ける。
一方、師匠は顔色ひとつ変えず、ジーアスを連れ教会へ足を踏み入れた。すると、
「そこはおれん家なんだ。出ていってくれるか。」
俺の右隣から声がした。
すぐ剣を抜き、横にいるはずの人物を斬る。しかし、その剣は空を切った。
「おいおい、騎士様はこんな少女にも乱暴するのか。野蛮だな。」
声の主は気がつけば、教会の屋根の上にいた。その腕には四肢を切られた子供の姿もある。
「ひっ。」
ミタマは悲鳴をあげた。先ほど子供を確保していた騎士の頭がグチャグチャに潰されていた。
早すぎる。この場の誰も反応できていなかった。
師匠の除いて。
「えっ、兄さんの頬に傷が。」
「あのジジイ、バケモンだな。アクスがやられるわけだ。」
見えなかったが、師匠はあの早さに追いつき、傷を与えていた。
全く衰えていない師匠に少し恐怖を覚える。
「せっかくならカインにやらせたかったが相手が悪そうじゃのう。」
「剣聖様、ここは任せてもよろしいですか。」
「大丈夫じゃが、カインたちも連れていってくれ。」
「わかりました。ではカイン、ついてきてください。」
俺たちは教会に入ったジーアスを追いかける。
それを邪魔しようと『兄さん』が屋根から迫るが、師匠が難なく受け止める。
「その子は置いといた方がいいと思うが。」
「黙れジジイ。すぐに周りのやつで回収するつもりだろ。」
そして轟音が鳴り響く。
中は広く、部屋も多かった。
そして5人ほどの気配も感じ取れた。
「気配を消してるみたいだが、奥の部屋に固まっている。」
「子供だけじゃなさそうですね。」
「応援を呼んでもいいけど、隊長が遅れている理由が気になる。外の見張りは減らしたくないな。」
「師匠は多分手一杯ですし、行くしかないでしょう。」
ジーアスは頷くと剣を構え、奥の部屋に近づく。
俺はアマトとミタマに動かないよう伝え、ジーアスについて行く。
そしてドアの前まで移動したその時、
バンッ
いきなりドアが外れ、そのまま突っ込んでくる。
ジーアスは慌てることなくドアの中心に剣を突き立て押し返す。
「ぐっ。」
「デイド!」
剣が刺さったのか、呻き声と共に床が赤色に染まる。
ドアから剣を抜き、蹴り返すと簡単に倒れ、部屋にいる魔族の姿が見えた。
大の男1人。子供3人。肌の色は人と変わらない。違いといえば額のツノぐらい。
おそらく彼らは鬼族。子供でも鍛えられた軍人を殺すことができる怪力と、戦闘技術が異常に高い一族。
「後ろの子供は任せる。」
ジーアスはそう言うと男に切り込んでいく。男はその剣を見切り、反撃。
鎧が砕ける。しかし、ジーアスは気にせず、攻撃を続ける。
だめだ。気を取られていた。俺の役割は子供達を殺すことだ。
俺は戦いを避け、子供に近づく。
3人とも涙目でこちらを見ている。
1人が泣きながら懇願する。
「お願いします。殺さないでください。」
それに続いて
「助けてください。」
「ま、まだ死にたくないよ。」
その姿に何故か皇女様やアマトとミタマが重なる。
見逃すことはできない。この子達がいつ人を殺すかわからないから。
でも戦争は終わった。おそらくこの子達が事件に関わっていない。
犯人は外で師匠と戦っている『兄さん』だろう。
どうする。俺はどうすれば。
ついた場所は、寂れた教会だった。
「中から不穏な気配がするのう。」
「気づきましたか。騎士たちが突き止めた犯人のアジトです。すでに包囲しているので逃すことはありません。」
よく見ると周りの建物の屋根や小道に騎士たちが隠れているのが確認できた。
さすが帝都の騎士。その身のこなしだけで一人一人が精鋭だとわかる。
「隊長はもう来ます。それまで待」
「おい、お前ら。ここで何してる。」
教会の中から人が2人出てきた。ごついおっさんと、アマトたちと同い年ぐらいの子供。
見た目は完全に人だが気配は戦場にいた魔族そのもの。
思わず、剣に手をかける。
「なんで物騒な物持って、教会取り囲んでるんだ。中の子供が怖がるだろうが。」
「それは失礼。この辺りで事件がありまして、事情を伺いたいのですが駐屯地まで着いてきてくれませんか。」
「どうしてそんなことしなきゃならん。」
おっさんは次第にイライラし始める。隣の子供も目つきが鋭くなる。
「ねぇ、あの3人に正体バレてる。」
「・・・わかった。お前は中の奴逃がせ。足止めは任せろ。」
子供が教会に駆け出す。
ジーアスはそれを追いかけようとするが、おっさんが間に入り制止する。
おそらくかなりの実力を持っていたのだろう。ただ相手が悪かった。
「足止め、のう。そりゃ無理じゃな。」
気づいた時には、師匠はおっさんの背後に回り込み、首を切り飛ばしていた。
「なっ、」
それに驚いた子供も、すでに四肢を切断されておりそのまま倒れるしかなかった。
「容赦ないですね。」
「こいつらは魔族じゃからな。油断すれば死ぬのはこっちじゃ。」
ジーアスは囲んでいる騎士を1人呼び、子供の身柄を確保させる。
「あなたたち、生きて帰れると思わないで。もうすぐ兄さんが来る。みんな死ぬわ。」
子供は切られたことを気にする様子もなく、師匠を睨みつけ、脅し始めた。
痛覚がないのか、我慢強いのか、気になるところではあるが、問題は『兄さん』という存在だ。
「なんじゃ、その『兄さん』はこいつより強いのか。」
「何人いても敵わない。兄さんには勝てない。」
「そうか。ではその『兄さん』が来るまで教会の中を探索するか。」
「ま、待て、やめて。中にはまだ幼い子がいるの。見逃して。お願い!」
師匠がしようとしていることに気づき、必死に呼び止める。
見た目は人間の子供。その姿にアマトとミタマは顔を背ける。
一方、師匠は顔色ひとつ変えず、ジーアスを連れ教会へ足を踏み入れた。すると、
「そこはおれん家なんだ。出ていってくれるか。」
俺の右隣から声がした。
すぐ剣を抜き、横にいるはずの人物を斬る。しかし、その剣は空を切った。
「おいおい、騎士様はこんな少女にも乱暴するのか。野蛮だな。」
声の主は気がつけば、教会の屋根の上にいた。その腕には四肢を切られた子供の姿もある。
「ひっ。」
ミタマは悲鳴をあげた。先ほど子供を確保していた騎士の頭がグチャグチャに潰されていた。
早すぎる。この場の誰も反応できていなかった。
師匠の除いて。
「えっ、兄さんの頬に傷が。」
「あのジジイ、バケモンだな。アクスがやられるわけだ。」
見えなかったが、師匠はあの早さに追いつき、傷を与えていた。
全く衰えていない師匠に少し恐怖を覚える。
「せっかくならカインにやらせたかったが相手が悪そうじゃのう。」
「剣聖様、ここは任せてもよろしいですか。」
「大丈夫じゃが、カインたちも連れていってくれ。」
「わかりました。ではカイン、ついてきてください。」
俺たちは教会に入ったジーアスを追いかける。
それを邪魔しようと『兄さん』が屋根から迫るが、師匠が難なく受け止める。
「その子は置いといた方がいいと思うが。」
「黙れジジイ。すぐに周りのやつで回収するつもりだろ。」
そして轟音が鳴り響く。
中は広く、部屋も多かった。
そして5人ほどの気配も感じ取れた。
「気配を消してるみたいだが、奥の部屋に固まっている。」
「子供だけじゃなさそうですね。」
「応援を呼んでもいいけど、隊長が遅れている理由が気になる。外の見張りは減らしたくないな。」
「師匠は多分手一杯ですし、行くしかないでしょう。」
ジーアスは頷くと剣を構え、奥の部屋に近づく。
俺はアマトとミタマに動かないよう伝え、ジーアスについて行く。
そしてドアの前まで移動したその時、
バンッ
いきなりドアが外れ、そのまま突っ込んでくる。
ジーアスは慌てることなくドアの中心に剣を突き立て押し返す。
「ぐっ。」
「デイド!」
剣が刺さったのか、呻き声と共に床が赤色に染まる。
ドアから剣を抜き、蹴り返すと簡単に倒れ、部屋にいる魔族の姿が見えた。
大の男1人。子供3人。肌の色は人と変わらない。違いといえば額のツノぐらい。
おそらく彼らは鬼族。子供でも鍛えられた軍人を殺すことができる怪力と、戦闘技術が異常に高い一族。
「後ろの子供は任せる。」
ジーアスはそう言うと男に切り込んでいく。男はその剣を見切り、反撃。
鎧が砕ける。しかし、ジーアスは気にせず、攻撃を続ける。
だめだ。気を取られていた。俺の役割は子供達を殺すことだ。
俺は戦いを避け、子供に近づく。
3人とも涙目でこちらを見ている。
1人が泣きながら懇願する。
「お願いします。殺さないでください。」
それに続いて
「助けてください。」
「ま、まだ死にたくないよ。」
その姿に何故か皇女様やアマトとミタマが重なる。
見逃すことはできない。この子達がいつ人を殺すかわからないから。
でも戦争は終わった。おそらくこの子達が事件に関わっていない。
犯人は外で師匠と戦っている『兄さん』だろう。
どうする。俺はどうすれば。
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