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第二魔法;カルトに会ったのは今日の午後
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入学式が無事に終わり、学校の門の前に立つ。面白いぐらいくねりにくねった鉄の門の前だ。この門を開けるには、クリナミロン高生が呪文を唱えなければいけない。ってことで、目を閉じて力強く詠唱する。
「オプート・アザン!」
魔力が全身を駆け抜けていくこの感じ!ホントに最高!目を少し開ける。目の前には鉄の門。いや、閉まった状態の鉄の門。…あれ?
「オプード・アザン。」
すぐ後ろから声がしたと思ったら、次は目の前の憎き鉄の門が開く。な、何やつ!後ろを見ると、赤毛の男子生徒が立っていた。
「トに濁点が付いてなかったよ。」
それだけ言うと私の目の前を通り過ぎていく。気のせいかもしれんが、肩がプルプルと震えている。泣いてる?心配になった私は急いで赤毛のヤツを追いかける。時間は全然経ってなかったので、門からすぐ出たところにいた。
「何か学校で嫌なことでもあったの?」
赤毛のヤツの背中に向かって問う。肩の震えが激しくなる。よしよし、我が汝の話を聞いてやるから、話すんだぞい…。同情の目を用意したときに、彼が振り向いた。顔が歪んでいる。
「さぁさぁ、遠慮せずに話しなよ。」
ここまで言ったら、とうとう歪んだ顔もクシャクシャになっていった。そして…。
「アッハッハハハハ!ちょ、まっハハハ!やめ…腹痛いって…クックッ…。」
状況を理解するのに三〇秒かかった。まず、自分が笑われていることに一〇秒。次に、赤毛のヤツが笑い野郎の正体だと気づくのに一五秒。最後に、こんなヤツのために自分の時間を無駄にしたと理解するのに五秒!
「失礼ね!心配してあげたのに!」
「ハッハァ…ダ、、誰が心配されるようなことをしたよ?」
イラ度がMaxに近づくのを物凄い魔力で阻止する。
「門を開けて私を通り過ぎた後、肩が震えてたじゃない!」
「君は、肩が震えてた=悲しい、しか考えないのかい?」
心配してやったのに上から目線で質問してくる。
「あの状況では、笑いをこらえてたから肩が震えてたと言いたいの?」
調子乗り野郎が今にも、”貴様にしてはよくやった、ほめて遣わそう”みたいなことを言いそうだ。
「うん。だって、オープド・アザンは小一で習うのに、それを間違えるんだもん。」
「ひどくない?誰にでも間違うときはあるのに。」
この一言を是非、後世に偉人の言葉として残してもらいたいものだよ。
「僕だって、そこまでひどい奴じゃない。でも、あれだけ自信満々に呪文を唱えて間違えてたら笑って済ましてもらったほうが気持ちが楽だろ?」
私の脳内でスーツを着た真面目な顔の人が、本日は誠に…と謝罪している。それだけじゃない。顔が真っ赤に紅潮していった。私は恥ずかしい思い出さえ持っておけば、化粧品のチークはいらないと、今理解した。
「苦ッ、あ…ありがとうございます…。」
ニンマリと調子乗り野郎が笑った。
「それでいいんだ。…あっ!自己紹介がまだだったね。僕の名前はカルト。魔学教育学部で、君と同じ新入生さ。」
一応調子乗り野郎からカルトという名前に変更した。それに、なぜ私が新入生と分かったのかは大体予想がついた。(どうせ、幼そうだからとか、先輩味が感じられないからとかだろうよ!)
「私はチャミス。よろしくね、カルト。」
英語の文章を和訳した感じになったけど、気にしない、気にしない。
「よろしく、”黒髪”のチャミス。」
な、なぜこいつに気づかれたんだ?リズミールが情報を広げた?いや、まだ初日だ。可能性は低い。
「前髪が少し出てるよ。」
そう言って、基礎の基礎である対象物移動魔法で私の前髪を帽子に戻す。意外と、いいやつではないか。少しだけ評価を高くしようではないか!(一ミリぐらい)
「そろそろ僕は行くね。」
そう言って去っていった。対象物移動魔法の応用編を使って。
「フッ。まぁ、貸しにしといてやるか…。」
カッコつけてこのセリフを言いたかったが、”あの”恥ずかしい出来事のせいで顔がひきつった。それだけじゃない。”あの”上から目線のせいで声が雑魚キャラの捨て台詞のトーンになってしまった。
「でさーここがね…。」
ゾロゾロと他校から魔術生が帰り道を歩んでいる。私も、今日は入学式で疲れたし、帰ろうかな。脳内の君も、私の不幸な事件(原因は自分で作ったが)でもう疲れただろう?じゃあ、また明日ね。
「オプート・アザン!」
魔力が全身を駆け抜けていくこの感じ!ホントに最高!目を少し開ける。目の前には鉄の門。いや、閉まった状態の鉄の門。…あれ?
「オプード・アザン。」
すぐ後ろから声がしたと思ったら、次は目の前の憎き鉄の門が開く。な、何やつ!後ろを見ると、赤毛の男子生徒が立っていた。
「トに濁点が付いてなかったよ。」
それだけ言うと私の目の前を通り過ぎていく。気のせいかもしれんが、肩がプルプルと震えている。泣いてる?心配になった私は急いで赤毛のヤツを追いかける。時間は全然経ってなかったので、門からすぐ出たところにいた。
「何か学校で嫌なことでもあったの?」
赤毛のヤツの背中に向かって問う。肩の震えが激しくなる。よしよし、我が汝の話を聞いてやるから、話すんだぞい…。同情の目を用意したときに、彼が振り向いた。顔が歪んでいる。
「さぁさぁ、遠慮せずに話しなよ。」
ここまで言ったら、とうとう歪んだ顔もクシャクシャになっていった。そして…。
「アッハッハハハハ!ちょ、まっハハハ!やめ…腹痛いって…クックッ…。」
状況を理解するのに三〇秒かかった。まず、自分が笑われていることに一〇秒。次に、赤毛のヤツが笑い野郎の正体だと気づくのに一五秒。最後に、こんなヤツのために自分の時間を無駄にしたと理解するのに五秒!
「失礼ね!心配してあげたのに!」
「ハッハァ…ダ、、誰が心配されるようなことをしたよ?」
イラ度がMaxに近づくのを物凄い魔力で阻止する。
「門を開けて私を通り過ぎた後、肩が震えてたじゃない!」
「君は、肩が震えてた=悲しい、しか考えないのかい?」
心配してやったのに上から目線で質問してくる。
「あの状況では、笑いをこらえてたから肩が震えてたと言いたいの?」
調子乗り野郎が今にも、”貴様にしてはよくやった、ほめて遣わそう”みたいなことを言いそうだ。
「うん。だって、オープド・アザンは小一で習うのに、それを間違えるんだもん。」
「ひどくない?誰にでも間違うときはあるのに。」
この一言を是非、後世に偉人の言葉として残してもらいたいものだよ。
「僕だって、そこまでひどい奴じゃない。でも、あれだけ自信満々に呪文を唱えて間違えてたら笑って済ましてもらったほうが気持ちが楽だろ?」
私の脳内でスーツを着た真面目な顔の人が、本日は誠に…と謝罪している。それだけじゃない。顔が真っ赤に紅潮していった。私は恥ずかしい思い出さえ持っておけば、化粧品のチークはいらないと、今理解した。
「苦ッ、あ…ありがとうございます…。」
ニンマリと調子乗り野郎が笑った。
「それでいいんだ。…あっ!自己紹介がまだだったね。僕の名前はカルト。魔学教育学部で、君と同じ新入生さ。」
一応調子乗り野郎からカルトという名前に変更した。それに、なぜ私が新入生と分かったのかは大体予想がついた。(どうせ、幼そうだからとか、先輩味が感じられないからとかだろうよ!)
「私はチャミス。よろしくね、カルト。」
英語の文章を和訳した感じになったけど、気にしない、気にしない。
「よろしく、”黒髪”のチャミス。」
な、なぜこいつに気づかれたんだ?リズミールが情報を広げた?いや、まだ初日だ。可能性は低い。
「前髪が少し出てるよ。」
そう言って、基礎の基礎である対象物移動魔法で私の前髪を帽子に戻す。意外と、いいやつではないか。少しだけ評価を高くしようではないか!(一ミリぐらい)
「そろそろ僕は行くね。」
そう言って去っていった。対象物移動魔法の応用編を使って。
「フッ。まぁ、貸しにしといてやるか…。」
カッコつけてこのセリフを言いたかったが、”あの”恥ずかしい出来事のせいで顔がひきつった。それだけじゃない。”あの”上から目線のせいで声が雑魚キャラの捨て台詞のトーンになってしまった。
「でさーここがね…。」
ゾロゾロと他校から魔術生が帰り道を歩んでいる。私も、今日は入学式で疲れたし、帰ろうかな。脳内の君も、私の不幸な事件(原因は自分で作ったが)でもう疲れただろう?じゃあ、また明日ね。
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