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4章 想い

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言葉にしてから、漸く自分の気持ちがわかった。
アイヴィスの事を愛しいと思っている。
ただ、恋愛経験が乏しいためどうしていいのか…。
どうしたらアイヴィスに喜ばれるのか…わからない。
こんなことなら、恋愛をしておけばよかった…?
まて、俺はコスプレイヤーだったんだ、何か何処かのキャラで甘い言葉を囁く…っ、駄目だ。
俺の好むキャラって、寡黙なキャラばっかりだったじゃん!
ショックを顔に出さないように笑みを貼り付けるけれど…

「アイヴィス様…あの…」

そっと手を繋ぐも顔を上げることが出来ない。

「…はい、あぁ…どうしていいかわからないくらい幸せです」

繋いだ手は振り払われることは無かったが
アイヴィスの繋いだ手が少しだけ震えているように感じた。
顔をあげようとして、シュクラの声が聞こえる。
屋外に出て辺りを見回すと水路の向こうからパタパタと飛んできて、抱きつこうとしてきたシュクラをアイヴィスが空中でふわりと抱いた。

「シュクラ、だんだん大きくなってきているのだから、ルディアスにするようにセラに飛び付いたら危ない。
セラが怪我をしてしまうよ?そうしたらシュクラとは遊べなくなる。
良いのかい?」

「ピイッ!!」

アイヴィスの言葉にビクッと反応したシュクラは、しおしおと頭を下げてこちらを見てくる。

「シュクラが大きくなってくれるのは嬉しいです、何かあればちゃんとダメと言いますから、次からはしないように。
シュクラは頭のいいこですから、できますね?」

「ピイイッ」

できるよ!と、鳴いたシュクラの頭を撫でてやると、ルディアスの所に行きたいと言う。
すると、城の屋上でふわりとルディアスの翼が上がった。

「シュクラ、あそこにルディアスがいますよ?飛べますか?
それか、広場にルディアスに来て貰ってから皆で遊びますか?
外には他のお兄さん竜も来ていますから」

少しずつルディアスだけでない他の飛竜とも交流を持つようになったシュクラ。
ルディアスの次に仲良しなのはサーシャのようだが、他の飛竜と遊ぶときでも必ず側にルディアスがいる。
まるで、ガーディアンのようだと笑ってしまった。

「流石にあそこまではまだ無理ですかね?」

高い城の屋上なのだ。
今までシュクラは横移動はしていたが、高い場所へ上がることはしていない。
アイヴィスにルディアスへの連絡を頼もうかとしたところ、シュクラの身体がぐぐっと一度小さくなったかと思うと、次の瞬間、ふわりと一回り大きくなる。
背中の翼も骨格がしっかりしたように見えると、何回か羽ばたき、そのまま空に浮かぶ。

『ママ、行ってきます』

楽しそうに笑うシュクの小さな身体は一直線にルディアスの元へと羽ばたいていく。

「シュクラ…いってらっしゃい」

シュクラに向かって手を振る。
そして振り向いた先でアイヴィスと目が合うと、微笑みあい空を見上げる。
そっと寄り添うと一陣の風が吹き抜けていった。
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